女性 83歳:私の鍼治療を日ごろ受けておられるご主人に連れられて来院されました。
2ケ月前に腰が痛くなり、整形外科を受診したが、鎮痛剤を処方され、とにかく体を動かして治すしかないと言われたとのことです。 5年前に腰の脊柱管狭窄症で手術を受けられ、その後は順調で、今回の腰痛は手術の対象ではないと言われたとのことです。
鎮痛剤が効かず、とにかく痛くて、歩くのもベッドの乗り降りもつらいので、こちらに頼るしかないのでなんとかして欲しいとご主人から強く懇願されました。
初回は、息子さんの車でご主人と共に来院され、腰の強い凝りによる坐骨神経痛と診断し鍼治療を行いました。終わった後、「少し良くなったような?」と言われましたが、あまり痛みが減った感じではありませんでした。取り敢えず、初回ですので、2~3日様子を見て頂くこととしました。
2日後にご主人から「痛みが減っていないので明日もう一度鍼治療を受けたい、息子の車で行けないのでタクシーで行く」との連絡がありました。遠方の方なので、どれくらいタクシー代がかかるか調べてみると片道16,000円かかるようでした。
そのため、当日のご予約の患者さんの時間を変更して頂き、私が往診に行くこととしました。
お宅に伺い、前回の鍼治療の経過をお聞きし、今度はどのような治療するか検討し、神様に祈りつつ鍼治療を行いました。
治療後、おそるおそる「痛みは如何ですか?」とお聞きすると「痛みが半分以下になっている」と驚いた声で言われ、私も思わず「神様、有難うございます」と心の中でお礼を言いました。
鍼治療をしていますと、時々このような神頼みの治療となることがありますが、鍼治療のすばらしさも感じます。
鍼灸マッサージ 響 山本