資産管理の不安を減らして、創造的な100年を生きる【白鳥光良の Work Life Fusion】

資産管理の不安を減らして、創造的な100年を生きる【白鳥光良の Work Life Fusion】

100キロマラソン、フラメンコの唄と踊りとギター、創作落語、将棋、ファイナンシャルプランなど、様々な世界を融合(fusion)させる【白鳥光良】が「資産管理の不安を減らして、創造的な100年を生きる」を研究&実践中

人生のお金の不安を減らすのはカンタン。


まとまった貯蓄を取り崩すタイミングを見通せばいい。


住宅・教育・老後・万一の4つを押さえれば、不安の9割はなくなる。


 


しかし、100歳を超えて生きたらお金が尽きるかも。。。


その問題を解消する1つの答えは、Work Life Fusion すること。


もっと詳しい話を知りたくなったら、この3つのうち1つだけクリックしよう!


 


1.40歳未満の方は、39歳までに受けたい《お金の不安がなくなる》マネーレッスン


2.40歳以上の方は、将来のお金の不安が減ったお客様へのインタビュー記事


3.FP有資格者の方は、白鳥光良のファイナンシャルプランナー実践道場2020


 

この冬はじめて雪が降った、
2月上旬の月曜日に風邪をひいた。

すぐに一晩良く寝たら元気になったので
油断していたら木曜日から声が出にくくなり
金曜日は掠れた声で面談2件こなしたものの
土曜日のお客さんは延期してもらうしかない
完全な風邪引き状態となっていた。

それから数日は無理しないように努めたら
8割がた治った感じになったが、
そこで「咳止めの薬」を2日飲んだのが
あまり良くなかったようだ。

ふだん殆ど薬を飲まない私には
市販の風邪薬でも効き過ぎるようで
目が充血する、横になると咳が止まらない
といった副反応が出てしまった。

服用をやめたらそれはすぐに止まったが
そのダメージによって身体全体の回復が
何日か遅れてしまった感じだった。

結局、私はこの短い2月に
2週間近く風邪を引いていたようだ。


来週3月3日は東京マラソン。


私は2010年から2019年まで10年連続で

東京マラソンを完走したのだが、

その期間は1〜2月にまともに風邪を引いた

ことはなかった気がするな、、というか

体調崩したら42キロ完走できないね。


たまに年末に風邪引いたときは、

敢えて6〜10キロくらいジョギングして

いい汗かいて熱いシャワーで流してから

しっかり水分補給しながら良く寝たら

1日で完全回復!


という、

シリアスランナー以外には

決してオススメできない

セルフ荒療治をしていた記憶がある。



雪が降った日に

身体が冷え過ぎたりした後に

いろいろと無理をしていると

きちんと風邪を引いて

休養せざるを得なくなるってのは

身体が健全に機能している証拠だね。


風邪は健全なのだ。

風邪は健康なのだ。


きちんと風邪を引くってのは、

健康そのものなのだ。






令和6年が流れ始めた。

年末は結構ギリギリまで
期限のある業務がいくつも重なって
想定外に忙しくなってしまったけど、

年末4日間と年始4日間、
8日間は完全な休暇を取ったから
頭を空っぽにすることができて
この十数年で最も心安らかで
心の底に焦りの気持ちが殆どない
年末年始が過ごせた気がした。


仕事初めの1月5日に見た
年末年始に届いていたメールには
まだ殆どお返事できていない、、けど、
これから数日くらいの間には
落ち着いて返信する時間が取れそうだ。



これは、いまは亡き
大正8年生まれの私の祖父(林正)が
およそ30代の頃に詠んだ短歌だ。

元朝(がんちょう)も
働く性(さが)の身につきて
今年も塔上に初日拝する

今から70年近く前、
戦後復興期から高度成長期に入った
1950年代頃から石油会社の東燃
(現在は合併を重ねてENEOS)の
石油化学コンビナートがある和歌山沿岸で
仕事していた時期があったというから、
この水墨画の中に立ち並ぶ塔は
石油精製工場の排煙塔なのだろう。

また、和歌山の海岸沿いからは
東の方向に富士山が見えるらしいから、
この山は海の向こうに見えた富士山だろう。

「元朝」は元日の朝だから、
祖父が和歌山にいた30代の頃は
365日いつでも早朝から働く習慣が
すっかり身についてしまって、

さらに「今年も」ってことは
少なくとも2年以上は連続して
石油精製施設の塔上の初日の出
(参考:和歌山の初日の出は7時過ぎ頃)
を拝んだことになる。

もしこれで、
祖父が若くして亡くなっていたら
管理者の安全配慮義務違反による
労災認定を受けることに成功した
歴史に残る芸術的なエビデンス(笑)
として使われたかも知れないが、

実際はそれなりに出世して
最終的には取締役人事部長を務めた
ようだから、高度成長時代に良く働いた
良き組織人だったのだろうと想像した。


私が最も影響を受けたのは、
祖父が役員を退職した60歳の後くらい。

私は5歳頃から7〜8年の間
両親や弟とともに、祖父母が住む
港区白金の一軒家に住んでいたのだが、
その間に穏やかな祖父から将棋を教わり
数百局は対局の相手をして貰った。
ずっと平手で負かされ続けた。

10歳くらいの頃には
真剣に本を読んで学んだりした後に
祖父より強くなってしまったので
その後は対局(というか挑戦)を
殆どしなくなってしまったが、

そこまでに
伝わってきた無形の知性や
深く考える力のようなものは
その後の人生に深みを与えてくれた。



いつだって最重要事項はそれなんだ。

それは、焦らないこと。
それは、心を落ち着けること。
それは、物事の大局を見失わないこと。

例えば、
焦らず落ち着いていれば、
最も避けるべきことは
お金や時間を失うことではなく
命を失いそうな事態だって分かる。


国内の日常生活においては、

・上から落ちてきた物が頭に直撃する
・スピードの出たクルマに撥ねられる
・高いところから転落する

を避けるように注意して、
上方や車道や眼下を眺めていれば
命を失いかねない状態に陥る
リスクはかなり減らせるだろう。

あとは、海や山に行くとき
自転車やバイクその他に乗るとき
まだ慣れていない国に行くときは、
油断するとあっさり命を落とし得るぞ
って冷静に思えていれば大丈夫かな。

そうそう、
大地震が起きた場合には
古い建物の倒壊、火事、津波、
に巻き込まれると即死し得るから

今いる場所にそのリスクがあるか?
を認識できるだけの落ち着きは
どこにいても保っておきたいね。


・・みたいな話に比べたら、

お金の損得なんて1%にも満たない

ぜんぜん大した問題じゃないんだけど、


ちょっと損をしただけでも

命を失いかけるレベルの痛みを

心に感じちゃったりするのが

不合理な人間ってもんなんだよね。



個人の総合的な資産管理を
サポートする仕事を始めてから
まもなく25年目に突入するけど、

お金や資産管理に関しては
細かいことに囚われて大局を見失ったり
小さな得のために大きな機会損失が生じたり
小さな損を避けて精神的な損失が広がったり
といったことが多々あると感じる。


今すぐ○○しないと、あなたは損します!

・・みたいな不安を煽る情報は
いつだって世の中に溢れてるけど、
決して焦らなくていいからね。

そんなフレーズは
軽やかに無視しちまえ。
損したって死にゃあしないから、
今すぐ目を瞑って深呼吸しようぜ。

心を落ち着けることができれば、
損しても構わないのだ。
目先の得など見送って良いのだ。

冷静になることさえできれば、
戦略的に目先の損をしてみたり
計画的にリスクを取ったりもできて、
長期的には得する確率が高い
アクションを積み重ねやすくなるのだ。


というわけで、



あけましておめでとう!


「どうも〜、チャーリー・マンガーですぅ」

「ウォーレン・バフェットですー」

「コンビ結成55年目のバフェット&マンガーです〜。よろしくお願いしま〜す」

「・・っていきなりなんやねん。なんで電飾キラキラの派手な舞台にワシら2人で立たされなアカンのや?」

「それには・・深い理由があるんやで」

「まずはその理由とやらを聞かせてくれや」


「なあウォーレン、あんた最近、ジャパンの5大商社を100億ドルくらい『大人買い』しとったやろ?」

「たしかに試しに三井と三菱と住友と伊藤忠と丸紅に合計1兆円以上の資金をブチ込んだら、あっちゅう間に2兆円を超えてウハウハやわ」

「やっぱそうか。ジャパンの『ソーゴーショーシャ』は何がそんなに凄いんや?」

「日本のソーゴーショーシャは右から来たものを左に受け流すだけのムーディー勝山的な卸売業じゃなくて、世界中の重要なビジネスにドカンと投資した上で自社グループの人的資本も猛烈に投じることで泥臭く成功率と収益率を高める、一朝一夕には真似ができへんファンタスティックな投資会社なんや。その凄さに気づいたからには、このビジネス全体の1割はワシらが長期保有すべきやと思たんや」

「なるほど。しかも今年の春にあんたがニッポンに行った際は5大商社のトップと面会までしてきたんやろ?」

「せやな。全社と面会させてもろたわ。みんな礼儀正しくて慎み深いCEOやったから、気分が良くなって『もっと日本に投資するつもりだ』とか口走ってしもたわ」

「ウォーレン、そこまで本気で日本に投資し始めたんなら、もっと日本の文化を深く理解せなあかんやろ!」

「あー、それで今ワイらはこのキラキラした壇上で日本特有のコメディである『Manzai』をやらされとるいうわけやな!」

「そういうことや。アメリカにも1人でしゃべくる『スタンダップ・コメディ』てのはあるけどな、ニッポンは2人でしゃべくる『マンザイ』いう文化が異常に発達しとるんや」

「せやから、もし来年5月のバークシャー社の株主総会までワシらが2人とも生きてたら・・」

「コンビ結成56年目、93歳と100歳のバフェット&マンガーで世界最高齢のしゃべくり漫才をせなアカンちゅうことか」

「そういうことや。今日はそのお稽古や!」

「じゃあチャーリー、まずはManzaiのベイスィック・ストラクチャーを教えてくれや」

「マンザイの基本構造? 2人のテンポの良い会話で展開していくんやけど、1人がボケたらもう1人が素早くツッコむ流れが基本やな」

「なるほど、だんだんわかって来たで。それじゃチャーリー、最後が『ウォーレン・バフェットか!』のツッコミで終わる漫才っぽい会話をひとつ作って披露してくれ」

「会長はいつもムチャ振りしますな。えーと・・・よっしゃ1つ思いついた!」

「Go Ahead!」


「おじさーん、この350円の商品を2つください。あっ、ハイ1000円」

「あいよー。綺麗なおねいさんいつもありがとねー、ハイおつり300万円」

「八百屋か! ていうか、このご時世にまだバーコード決済も導入してへんのかい!」

「ごめんちゃーい。おっちゃんの頭は禿げ散らかしたバーコード状態やけど、バーコード決済のことは全然ようわからへんの」

「しゃーないなー。でもおっちゃんおもろいからまた来るわ!」

「まいどありー!」

「・・うーむ、この小売業者はDX時代に逆行した顧客との親密な交流を自社ビジネスを守る深い濠として繁盛しとるようやな。よっしゃー、ワシが会社まるごと買ったるわ。ハイ300億ドル」

「ウォーレン・バフェットか!」


「・・それ、なんかワシが悪者の金持ちみたいやな。もっと聞いた人が親しみを覚えるようなヤツを1つお願いしますわ」

「うーむ・・・もう1つ思いついた!」

「Go Ahead!」


「好きな食べものは?」
「チェリーパイ」
「欧米か!」
「好きな飲み物は?」
「チェリーコーク」
「ウォーレン・バフェットか!」


「ジャパニーズコミーディアン、タカ&トシの漫才ネタを研究してそのパロディで来るとはお主もなかなかやりおるな。確かにワシは今でも1日5缶のチェリーコークを飲み続けながら長生きしとるけど、その話はあまりにもマニアック過ぎて日本人は知らんやろ」

「それもそうやな。じゃあ敢えてフツーに会話しよか。ワイが個人投資家になったつもりでウォーレンに質問するから答えてや」

「ええで」


「ではウォーレン、投資の秘訣は?」

「そんなのカンタンやろ。『価値>価格』の差がガッツリ開いた資産、いわゆる安全余裕度が高い資産を見極めて投資するだけや」

「例えば株なら、価格は株価を見りゃ分かるけど、価値はどないして見積もりゃええねん?」

「それはイントリンズィックバリュー、本源的な価値を見積もるんや。具体的には、その会社が株主に将来もたらすキャッシュフロー全てを現実的に想定してから、それら全部の現在価値を合計すりゃええだけや」

「その計算、難しいんとちゃいますか?」

「まあ将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻すのは面倒やけど、エクセルを使えばカンタンや。それよりも、計算の前提となる今後の利益の成長率を大きく見誤ることがないように、様々な会社のビジネスモデルの本質を見極めるほうが遥かに難しいで」


「・・・いまの話、あまりにマニアック過ぎて、フツーの個人投資家は『ちょっと意味わからない』いうとるやろな。2023年末のM1グランプリの最終決戦で連続ファイナリスト『さや香』がやった『見せ算』いう算数レベルのネタでさえ滑っとるんやから」

「そない言われても困るでチャーリー。いったいワシは何を話せばええんやろか?」

「もっと分かりやすい感じの投資の秘訣を話せばええんですわ」

「じゃあ、とっておきのメッチャ単純な投資の秘訣を話そか」

「よし、それ聞かせてくれや」



「まず、ニュースは良く見てるけど少し頭が悪そうな、大衆迎合的で投資経験が少ないお喋りなオジサン・・・仮に『トム』としよう・・・をご近所で見つけるんや」

「そ、そういうトムみたいなオジサン、世界中のあらゆる国と地域に結構いそうやな」

「ほんで毎月必ず、そのトムに『いまは株を買う時期だと思いますか?』ってリスペクトを持って質問するんや」

「リスペクトを持って質問ね。それで?」

「トムが『まだ買う時期じゃない』と偉そうに講釈を垂れてる間はコツコツ買い続けて、それが『いまは買う時期だ』と強気に変わったら買うのを一時停止してコツコツ売り続ける。これを継続的に実践したらきっとメッチャ儲かるで」

「なるほど〜・・・ていうかあんた、そのトムのこと全然リスペクトしてへんやろ!」

「いやいや、極めて貴重な情報を提供してくれる人としてリスペクトしてまっせ」

「でもさっき、トムのこと『少し頭が悪そうな』いうてバカにしてたやろ」

「いやいや、知性と人間性は比例せえへんから。ウチのおかんも多くの人からリスペクトされてたしな」

「でもさっき『大衆迎合的な』とも言うてたな。トムのこと『株価が安いときは不安を煽る悪いニュース多く流して、株価が高いときは浮かれた良いニュースを多く流す』マスコミの情報に愚弄されて、常に投資判断を誤るアホな大衆の代表として見とるやろ!」

「・・やっぱバレてたか」

「今ここで世界中のトムにあやまれ!」

「トムごめん。いや、トムありがとう。いつも愚かな君たちのお陰でワイらは・・」

「もうええわ」
























チャーリーが99歳で亡くなった。

と言われてもフツーの日本人は「チャーリーって誰やねん」て感じやろな。その相棒のウォーレン・バフェットはここ十数年で日本でもかなりメジャーになった感じはするけど。

「しょーもない会社をメッチャ安く買って売り抜けるよりも、ごっつええ会社を適正な価格で買って長く持つほうがガッツリ儲かるんやで」

っていう超一流の大局観はチャーリー・マンガーさんのほうが以前から強く持っていて、60年前はまだボロ株投資が結構好きだったバフェットさん(その代表例が赤字の繊維会社だったバークシャー社)に強い影響を与えたみたいね。

それにしても、来年のお正月には100歳を迎えるはずだったチャーリーが米国上場大企業バークシャー・ハザウェイの副会長をほんの数日前まで現役で続けていたなんて、世界は既に「人生100年時代」に突入してると言っていいだろうね。

いま私がお客さんの総合的な資産管理の相談を受けてプランニングする場合は「100歳まで生きても大丈夫」をひとつの目安にしてるけど、100歳まで健康に生きることは奇跡でも何でもない当たり前の現実のひとつと考えていい時代になったんじゃないかな。


ところで、2冊の本を同時並行で読む習慣がある人ってどのくらいいるのかな?

昔は「ビジネス書と小説」を同時並行で読み進めるのが好きな時期もあったけど、現在は「著者が異なる2つの小説」を並行して少しずつ読み進めるのが習慣になってしまった。2つの世界を同時に旅しているような感覚が心地よいのだ。

今まさにリアルタイムで読んでいるのは、原田マハ著「丘の上の賢人」と伊坂幸太郎著「オーデュポンの祈り」だ。この両作家の読者は殆ど重ならない気がする。原田マハの小説は何を読んでも現実の世界で極めて近いことが起きたと感じるリアリティの中で自然に深い感情を引き出されるものがあり、伊坂幸太郎の小説は何を読んでもこれは現実とは全く別の世界で起きているのだという安心感を持ちながらそのフィクションを純粋に楽しめるリフレッシュ感がある。



50年も生きてきて色んな経験をしたからか「その気持ち分かるな〜」と思うことが日々の生活の中で多くなった気がする。


ゆったりジョギングしてる人の気持ちが分かる

颯爽と駆け抜けるランナーの気持ちが分かる

100キロ完走する人の気持ちが分かる

バリバリ仕事してる人の気持ちも分かる

仕事が進まずに焦ってる人の気持ちも分かる

話すことに苦手意識がある人の気持ちも分かる

主賓スピーチをする人の気持ちも分かる

自己憐憫に陥った人の気持ちもわかる

怒りに打ち震えた人の気持ちもわかる

最高の喜びに浸った人の気持ちもわかる

パニック状態になった人の気持ちもわかる

いつも冷静に見える人の気持ちもわかる

仕事が上手くできない人の気持ちもわかる

仕事ができる人の気持ちもわかる

凄く落ち込んだ人の気持ちもわかる

調子に乗った人の気持ちもわかる

アートの鑑賞が好きな人の気持ちもわかる

絵を描くのが好きな人の気持ちもわかる

ギターを弾き語りする人の気持ちもわかる

芝居で役を演じる人の気持ちもわかる

本を読むのが好きな人の気持ちもわかる

自分の著書が書店に並ぶ気持ちもわかる

社長を務める人の気持ちもわかる

大学の先生の気持ちもわかる

保険業界で働く人の気持ちもわかる

不動産業界で働く人の気持ちもわかる

証券業界で働く人の気持ちもわかる

コンサル業界で働く人の気持ちもわかる

将棋の世界で生きる人の気持ちもわかる

マンション管理組合理事長の気持ちもわかる


・・・何だかいくらでも書けそうなので、

今日はこのくらいでやめとこうっと。
















彼は小難しい話をして俺をケムに巻くのを楽しむ癖があった。11月上旬の小春日和、オフィス近くの公園のベンチでもそれは急に始まった。


「これは仮の話なんやけど」


と言いながらコーヒーを啜った彼の顔は無表情だったが、3秒後にその黄色い紙カップをベンチの真ん中に置くと、


「これが世界最高水準のAIが運用する投資信託だとしよう。もしコレが年率20%のリターンを何年も安定して上げ続けたらどうなる?」


と細い目を見開いて熱を帯びた声で語り始めた。俺は食べ終えたばかりのエッグチーズバーガーの紙を四つ折にしながら、


「そりゃあ、そんな素晴らしいAIファンドがあったらどんどんお金が集まるんじゃないっすか。1兆とか2兆とか・・」


と興味なさそうなトーンで言葉を返した。テキトーな数字を言い放ったが、話題を集めた投資信託の純資産残高が1兆円を超えたケースは俺がこの業界に入った後も何度もあったと記憶している。



「せやろな。ほな、もっと実績を重ねて10兆、100兆と膨らんで、やがて10年後に1000兆円レベルの資金が集まるようなったら、しまいにゃどうなる?」


彼は鷲掴みにした紙カップの『Mac Cafe』のロゴを俺の方に向けながら、暖かい陽射しを注いでくる11月の太陽のある垂直方向に仰々しくそれを引き上げていた。


「1000兆? そんな日本株の時価総額の合計を上回るくらいの巨大なファンドがあったら、自らの買いで買った銘柄を猛烈に押し上げちゃうから、、やがて割高なファンドになるんでは?」


「さすがようわかっとる賢いな。仮にそのAIファンドがホンマもんの資産運用の最適解を導き出せるとしても、みんながその『最適解』に乗っかってしまうとそれがバブルの震源になって『最適解だったものが不正解になる』ようなパラドキシカルな事態が生じるのが相場ってもんや」


「なるほどね。もし世界最高レベルのAI運用ファンドが完成しても、その末路は壮大なバブルかも・・って与太話か」


「いやいや、これは与太話やなくてマジにありうる話やで。みんなが思考停止して目えつぶって投資する対象は何であれ、バブルとその崩壊を作り出しちまう可能性があるんやから」


「てことは、いま何となくインデックスファンドに目をつぶって投資する人が増えてる状況がどんどん加速してやがて何千兆円も集まってしまったら、それがバブルを引き起こす震源になる可能性もあるわけ?」



「もちろんあるやろな。指数構成銘柄のバブル、謂わばインデックス・バブルみてえなことは実は過去に何度も起きとるけど、今後も起き得るとワシは思うで。例えば、成長が止まった大企業や、辛うじて生きてるだけのゾンビ大企業でも、それが株価指数に含まれる銘柄でさえあれば色んなインデックスファンドから大量の資金がぎょうさん流れ込むんやから・・」


「株価指数を構成する銘柄の中には、かなり残念な実態からかけ離れて『割高な株価が維持される銘柄』がどんどん増えていくかも知れないってことか!」


「せや。それが続いて大型株を初めとする指数銘柄が全般に割高になったタイミングで指数連動型の資産に投資した場合、その後『10年経っても株価が殆ど上がらなかった』ヤバい暗黒期は歴史的に何度も発生しとるから注意やで。米国株のS&P500だと1969年末からの10年間や、1999年末からの10年間は殆ど上がらなかったな。日経平均だと1989年末から2024年末に再び高値を更新するまでの35年間が長い長い暗黒期ちゃうかな」


「えっ、日経平均が4万円近くに達するのを来年末と予想するのは気が早すぎるんじゃ? あと、1969年と1999年からの10年間がヤバかった米国株は2029年末あたりに大型株が割高になるインデックス・バブル的な状況が訪れるかもって警戒したほうがいいのかな?」


「ありうるな。きっちり30年周期ならそうなるやろけど、1〜2年のズレは許容しといたほうがええで。過去の事例を見ると、主要な大型株のPERが30倍や40倍を超えてそれを正当化する新理論を語る専門家が出てきたらバブル要注意や。ちなみに『効率的市場仮説』って聞いたことあるか?」



「あー、コーリツテキ・シジョーカセツね。マーケットは効率的に動いてるから、割高な資産は売られて割安な資産は買われて、全ての資産の市場価格は割安でも割高でもない妥当な水準に落ち着くみたいな感じだったっけ」


「カンペキや。もしその仮説が正しければ大量の資金が流れ込みやすい指数構成銘柄や大型株の中にも割高な銘柄が生じることはないんやけど、現実のマーケットでは・・」


「実際には明らかに割高な株も、明らかに割安な株も、いろんなタイミングで常にあるからね〜。市場は感情のある人間が参加してるから、非効率な動きも必ずあるのが自然でしょ」


「せやな。だから効率的市場仮説てのも壮大な与太話の1つと思っといたほうがええねん」



それを聞いた俺は、学者がチマチマ作った仮説よりもアンタがしょっちゅう俺をケムに巻いてくる話の方が圧倒的に壮大な与太話だよなと思いつつ、たまには反撃してみようと思ってこう口走ってみた。


「そうか。ちなみに『インドネシア株式100%』とか『ハイパーグロース株100%』とか『半導体株式100%』みたいな超積極型の偏ったアセットアロケーションは、この界隈で最近なんて呼ばれてるか知ってるかい?」


「なんやなんや。そりゃワシもよう知らん新しい情報やな。メッチャ攻めの資産配分やから、アグレッシブ・アロケーションとかどうや?」


「ブー、不正解」


「ほな、フル・リスクオン・アロケーションとかどうや。かっこええやろ」


「ブブー、不正解」


「…これや。フルスイング・アロケーション!」


「ブッブブー、不正解」


「うーむ、超積極型やから、ハイパーポジティブアロケーションかな。当たりやろ?」


「ブッブブーブーブーブー、不正解」


「一体なんなんや正解は」


「正解は、、ドゥルルルルルルルルル・・・」


「なんやなんや」


「ドゥルルルルルルルルルルルルルル・・・」


「なんやなんやなんや。わけわからんドラムロール鳴らしてないではよ答え教えろや」


「ヒントは、やけに偏ったアセット・アロケーション」


「そんなのわかっとるわ。はよ教えてや」


「正解は『焦ったアロケーション』でした」


「もうええわ」






◆自分の仕事に関連した専門性の高い話を書きたくなったときはエッセイ形式よりもフィクション形式の方が自由自在に書けて良いかも・・というのが最近の発見。

◆いいなと思った写真をデッサンする新しい習慣(↑は最近のもの)はスローペースで続いてる。自分が描いた絵を眺めると、自分の心の深部が最も暖かい眼差しで見られてるような癒しを感じるのだ。

◆既存のお客様以外の相談は殆ど受けられない程度には変わらず業務が詰まってるけど、週4〜5回の軽いジョギングを続けられる程度には健やかに生きてます。