これは、ビタミンD、腎機能低下、食思不振の続き。
高カルシウム血症の治療に、生食+フロセミドというのがあります。
ご存知の通り、
フロセミドはヘンレ係蹄で、NaKCl2共輸送体を阻害します。
生理的には、このヘンレ係蹄では、このNaKCl2共輸送体とROMKチャネルとで、
管腔内プラス電位が形成され、
これにより、カリウム、カルシウム、マグネシウムが再吸収される
という仕組みになっています。
フロセミド負荷時は、この機構が阻害されるため、管腔内プラス電位が形成されず、
カリウム、カルシウム、マグネシウムが再吸収されない、、、
ループ利尿薬によって低カルシウム血症が起こる機序は、このように説明されます。
ところで、臨床推論の東加奈子先生が日病薬e-ラーニングの中で薦めていた
手元には、原著9版があり、それには、
「近位尿細管では普通,
カルシウムの再吸収はナトリウムや水の再吸収と平衡している」
と達観した一言!
この生理を乱すのが、サイアザイド系利尿薬ですね
(低ナトリウム血症、高カルシウム血症)