ビタミンD、腎機能低下、食思不振 | 病棟薬剤師&DIやん

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医療従事者の方々向けに書いています。非医療従事者の方々はここに書いてある情報を鵜呑みにせず、必ずかかりつけ医・薬剤師等にご相談ください。

骨粗鬆症の治療に用いられるビタミンD。

 

入院時にビタミンD製剤(エディロール)を持ち込まれ、

そのまま継続になった患者さん(70代、女性)がおられました。

 

入院時の腎機能は正常。

しかし、徐々に腎機能低下を認め、

薬剤師やんにコンサルトが入った。

 

これは、

エディロール→高カルシウム血症→腎機能低下??

 

聴取すれば、最近になり、

食思不振、食事量低下を認めるようになった

そうです。

 

担当医師に、血清カルシウム値測定を依頼。

 

その結果、血清カルシウム=12.4mg/dL!

 

エディロールは即、中止となりました。

また、生食+フロセミドも開始し、血清カルシウムはその後正常化。

 

以下、エディロール添付文書より、

 

8. 重要な基本的注意
8.1 本剤投与中は血清カルシウム値を定期的(3~6カ月に1回程度)に測定し、異常が認められた場合には直ちに休薬し、適切な処置を行うこと。腎機能障害、悪性腫瘍、原発性副甲状腺機能亢進症等の高カルシウム血症のおそれのある患者では、投与初期に頻回に血清カルシウム値を測定するなど、特に注意すること。[7. 参照],[8.2 参照],[9.1.1 参照],[9.2 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照]
8.2 高カルシウム血症に関連する症状(倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下等)の発現が認められた場合は、血清カルシウム値を測定するなどして慎重に経過観察を行うこと。[7. 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[9.2 参照] ,[10.2 参照],[11.1.1 参照]

 

今回の症例は、入院時、血清カルシウム正常。

それが、入院後1ヶ月で血清カルシウム12.4mg/dLまで進行するとは。。。