90を超えた婆さんのおもい言葉

  「家ついて行っていいですか」東テレの人気番組だ。日曜日の番組で広島の家ついて行った婆ちゃん。90過ぎだが、会話が小気味好い。どうしてその話題になったのか、思い出せないが、いつの間にか原爆投下の瞬間の話になっていた。校長先生の朝の挨拶の時、澄み切った青空が一瞬光、大きな入道雲が上がったことを生き生きと語った。ピカドンである。まさしくピカドン、今までさまざまその時の様子を語る話を聞いていたが、婆ちゃんの話が一番リアルだった。広島へ応援で仕事に行っていた学生、交代で行っていたというが、その日に行っていた学生たちは全員亡くなってしまったと話していた。夫を戦死され、残された子どもに人生を託していた母親は、息子の死を知って自死してしまったと話した。この戦争の悲惨さを強烈に訴えた。終戦の日、山の防空壕にいつまでも大人たちが来ないので、戻ってくると大人たちが泣いていた。その理由は日本が負けたということだと知った。それを聞いてこれでもう防空壕に行くことは無い、それが何よりだったと話した婆ちゃんの心境、戦争は絶対に嫌だ、ロシアウクライナにしても上の者の話し合いで何とかならないのか、そんな話をした婆ちゃんの心境、いま日本は平和である。しかし上の者の考え方で、人間の運命など簡単に変わってしまうに違いない。家ついて行っていいですか、街で見かけたときの婆ちゃんから素晴らしい話を引き出したテレ東のデイレクターに拍手を送りたい。