麻耶雄嵩さんの作品を読むのもこれで9作目になります。

 

貴族探偵が麻耶さんの原作であることは今年に入ってから知りました。

 

貴族探偵が昨年春にドラマ化され、昨年夏から麻耶信者になったのに我ながら気がつくのが遅すぎだと思います(笑)。
なお今のところドラマを全く見ておりません。

 

さて今回は今までにいなかった探偵が出てきて面白いです。
その発想はさすが麻耶さんです。

 

そしてドラマになるだけあって、ストーリーも読みやすいしキャラクターも立っていて、一般的受けしそうだと思いました。
しかしその分、麻耶ワールドはだいぶ薄められています。

 

そのせいなのか、この作品を東川篤哉さんや東野圭吾さんが書いたと言われてもあまり違和感がないかもしれません。

 

麻耶理論はそれなりに楽しめます。

 

他の方の感想・考察などを拝見していると、特に密室トリックに失敗した後の展開や、円環殺人の真相などは、貴族探偵がいかにミステリー小説として優れているか記述されていて参考になりました。
 
私も「コウモリ」は最初読み終わってしばらく考えて、真相に気がついた時はすごいと思いました。

 

しかし麻耶さんの作品に対して、「神様ゲーム 」や「隻眼の少女 」のような濃厚な麻耶ワールドを、そして「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 」や「 」のようなぶっ飛んだ麻耶理論を私は求めてしまいがちなので、今回は読みやすい分、少々薄味な気がします。

 

もっともこの世で唯一(?)の貴族探偵という存在を生み出し、そしてそれが存在しているこの作品も麻耶ワールド全開という見方もできますけどね(笑)。

 

それにしても貴族探偵はなんというかモヤモヤした存在ですね。

 

家柄は本当に旧華族の家系だとしても、探偵として頭脳明晰なのか謎ですね。
文章から読み取ろうとしても読み取れません。

 

これはきっと次回作の「貴族探偵対女探偵」でも貴族探偵の素性から能力の一切を明らかにされないんでしょうね。
それが麻耶さんだと思いますから(笑)。

 

とにかく今後貴族探偵がどうなっていくのでしょうか。
「貴族探偵対女探偵」を読むのが楽しみです。

 

(個人的評価)
面白さ      ☆☆☆☆
麻耶ワールド ☆
麻耶理論   ☆☆☆
使用人たち  ☆☆☆☆☆
 
 
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