三連休最終日、この日もみちのく潮風トレイル、岩沼・亘理の区間を歩いてきました。
塩竈市から多賀城市、仙台市、名取市の続きとなります。
潮風トレイル三日目の朝はよく晴れてギリッと冷え込んだ。
遠征に出てくる前の予報では0度を下回ることはないはずだったが車の外気温計はマイナス2度を表示していた。
「氷点下は厳しいっぺ…」
仙台空港周辺の駐車場に車を駐め、岩沼区間に歩みを進めていく。
ちなみに仙台空港周辺の駐車場は、一日700円を筆頭に空港から100m離れる毎に100円ずつ安くなっていく(笑
我々は200円で駐たが、たぶんこれが最安であろう。
「リーズナブル!」
それでは行ってみよう!
「ツートン、行きまーす!」
「なんか発進しそう」
仙台空港から海側に歩くこと数百メートル。
潮風トレイルのコースに復帰した。
ふと上空を見上げると、なにか飛んでいるのが目に入った。
同じ場所でホバリングしてるからドローンか何かか?と思ったら野鳥だった。
どうやらチョウゲンポウのようだ。
こうやってホバリングするのが特徴らしいので、まさにその現場を目撃できたわけだ。
今日は3日間のうちで一番天気が良いかもしれない。
遠くには蔵王連峰が綺麗に見えている。
県道から千年希望の丘の敷地内へ入っていく。
車道歩きから開放されそうだ。
園内には慰霊碑が建っていた。
これも襲来した津波と同じ高さに作られているそうだ。
仙台・名取・岩沼と各地の慰霊碑を見てきたが、このあたりのそれは津波の高さに合わせて作られているものが多い。
慰霊碑そのものを津波の巨大さを後世に伝えるメッセージとしたのだろう。
避難丘の上から、この先の道のりを眺める。
「今日も果てしないのぅ」
岩沼海浜緑地公園の門が閉まっていてあせったが、間もなく開園時間となり門が開けられた。
ちなみに、潮風トレイルで通過するだけなら閉園時間でも門の脇を通って園内を抜けることができるということだ。
海浜緑地を抜けると海沿いのサイクリングロードを歩く。
これがまた果てしない。
歩いても歩いても景色が変わらないんだよなぁ。
ダレてきた我々をノスリが見物にやってきた。
「飛べない俺達を見下しているのか…」
「また被害妄想モード入ってるっぺ。鬱陶しいっぺ」
「今回の潮風トレイルは猛禽まつりだっぺ」
「写真も撮れて嬉しいね♪」
このあたりの猛禽たちは人間をあまり警戒していないようで近くまで寄ってきてくれる。
千年希望の丘の第11号丘までやってきた。
「そんなたくさんあったっけ?」
「数えてないけど、あちこちにあったからね」
避難丘の上からはわずかに太平洋が望める。
仕方がないこととはいえ、10km以上海沿いを歩いているのに海が見えるのはごく僅かな区間しかない。
「潮風トレイルっていう言葉からイメージする風景とはちょっと違うよね」
「今更だっペ。山の中引き回されたこともあるっぺよ」
第11号丘の上から奇跡の大銀杏と蔵王連峰を眺める。
ちなみにこの場所にはトイレや自販機、ベンチなどがあるので休憩するにはもってこいの場所だ。
神社の境内にある大銀杏は津波に耐えて残ったものだ。
それで「奇跡の」大銀杏。
この神社の周りには集落があり、家々が軒を連ねていたが津波で壊滅している。
避難丘と避難丘は土手のような盛土で繋がっている。
津波の威力を減衰させるためのものだそうだ。
この土手の上にサイクリングロードや遊歩道を整備したのはなかなか面白い試みだと思う。
これらの施設が千年後の人の命を救うことになるのかはわからない。
わからないが、そうであってほしいと切に思う。
避難丘は13号丘で最後だ。
ここで千年希望の丘緑地はおしまい。
「広大だったっぺ」
海沿いに進んできたルートは一転内陸部を目指す。
岩沼と亘理を隔てる阿武隈川を渡るために橋をめざすのだが、これがまた遠い。
阿武隈川沿いを上流に向けて歩く。
またしても果てしない景色…。
サイクリングを楽しむ人も多く、何台もの自転車に追い抜かれた。
「自転車なら快適かもね」
午後になって急に風が強くなった。
吹きさらしの堤防の上を歩くのがつらく河原に降りる。
土手の下は幾分マシだが、時折吹き倒されそうな突風がくるのが厄介だ。
「風強すぎて野鳥もいない~」
阿武隈川沿いに3km歩き、ようやく対岸へ渡れる橋に到達した。
「途中にもう一本橋があったけど、高速道路の橋で渡れないんだよね」
「絶望したっぺ…」
橋の中ほどにカントリーサインが設置されていた。
この形態は珍しいような?
「ほとんどの場合、橋の両端に設置されているよね?」
「そんなの意識した事ないっぺ」
ここから亘理町に入っていく。
亘理町区間へつづく