この記事は「みちのく潮風トレイル 岩沼区間」の続きです。
阿武隈川を渡った我々の前に潮風トレイルの標識が現れた。
今日のゴールの逢隈駅は直進方向にあると思うのだが標識が指し示す方向は右手の土手。
「なぜだ!」
「いつものことだっぺ。きっと何か見せたいものがあるっぺよ」
橋を渡っても堤防歩きがつづく。
景色としては川が左手から右手に代わったっだけだ。
どんどん強まる風がほんとうに厳しい…。
二人とも無言で歩いていたが、ツートンがなにか発見した。
「なんかいた!」
またしてもノスリだった。
強風の中を飛ぶのに疲れたのか枝に留まったまま動こうとしない。
こちらとしてはじっくり観察できるのでありがたいが。
「楽しい♪」
あまりにも風が強くつらいので土手から下りて市街地を進んだ。
コースを逸脱していることになるが、あのまま強風に吹かれ続けていては体調に関わる。
「なんか甘いものでも売ってないっぺか?」
「そうそう都合よくスイーツのお店なんかないんだよねぇ」
まぁでも、結局河原に戻らなきゃならんのよね…。
「うぉぉぉ! 飛ばされる!!!」
「遮蔽物の有る無しでこうも違うとは…」
常磐線の阿武隈川橋梁を特急ひたちが駆け抜けていった。
「楽しい♪」
「気分が紛れて良かったっぺな」
さらに土手を進んでいくと、突然複数の石碑が現れた。
なにかいわくがあるある場所なのか?
「下に降りる階段があるっぺよ」
「せっかくだから行ってみるか」
その石碑から土手を降りた岩の影に岩に彫られた石仏があった。
田沢磨崖仏という石仏で鎌倉時代のものらしい。
そんなに古い時代のものが野ざらしでちゃんと残っているのはすごいな。
延々遠回りさせたのは、どうやらこれを見せたかったようだ。
で、無事に逢隈駅に到着。
「お疲れ様でした!」
我々が到着したのと同時に、仙台方面行きの列車が出ていった。
次の列車まで1時間…。
今回のトレイル最終日を飾った岩沼・亘理区間。
このエリアも名取区間などと同じく平野区間が続き、海岸線や河川敷を延々と歩く場面が続きます。
徒歩の速度ではなかなか景色が変わらず忍耐を試される区間でした(笑
よく晴れていたし景色も良かったんですが、それでも歩いても歩いても先に進んでいる気がしないというのは精神的にけっこう堪えます。
この区間でも前日に引き続き多くの野鳥を見かけることができました。
ホバリング中のチョウゲンボウは初めて見ましたし、ノスリを写真に収めることができたのも初めて。
そういう意味でもなかなか収穫の多いハイクとなりました。
「猛禽祭り開催中!」
さて、いよいよ宮城県もあと少しとなりました。
八戸から出発し、青森・岩手・宮城と進んできた潮風トレイルもいよいよ大詰めです。
予定通りに行けば、あと4日でゴールの松川浦に到着の予定になっています。
残り少なくなった潮風トレイル、次回も楽しみです。
おしまい
詳しいルートなどについてはヤマレコにて