衆議院選挙終盤、相変わらず様々な情勢報道が飛び交っております。
とは言うものの、かなりの割合で投票先を「まだ決めてない」人が多いとのこと。
もともと当たろうが外れようが誰も責任取らないこのての分析や解説が、より一層アテにならないものになっている、というのが実像でしょう。
だからこそ、どんな結果になるとしても、自分個人として納得できるよう、よくよく考えたうえで、しっかり投票に行きましょう。
ということで、今回は少し脇にそれまして、
「小選挙区制」の怖さと危うさについて、若干怨念含みで書いておこうと思います。
●何が起きるか分からない「小選挙区制」
確認するまでもないでしょうけれども、まずは、端的に。
小選挙区制とは、1つの選挙区において1人だけが当選する選挙制度です。
多くの場合、一定区域内の議員選挙について、複数の人が当選する大選挙区制(および中選挙区制)と対比して説明されてます。
さて、どんな制度であっても、長所と短所があるのですが・・・
小選挙区制においては、まず、死票が多くなる、ということがあります。
加えて、似た主張の候補が票を分け合い、結果として必ずしも多数の支持を得たわけではない人が相対1位となって当選する場合があります(俗に言う“漁夫の利”というヤツです)。
この辺りの事情は、相対1位ただ1人を当選とする首長(都道府県知事、市町村長)選挙でも同じことが言えるのでありまして。
例えば、2024年11月の豊橋市長選挙結果が、まさにソレでした。
現職の浅井氏と元市議会議長の近藤氏とで、いわゆる保守分裂。
市議会少数会派、日本共産党、れいわ新選組、その他「市民団体」等が推す長坂氏が当選してしまったのです。
その事自体は、まあ選挙ですし、そういうこともある、として了解しても良いのですが・・・
あろうことか長坂氏は、「新アリーナ計画の中止(契約解除等)」という「公約」が支持された、と強弁し、実際にソレを強行したのです。
得票率36.4%でしかないにも係わらず、です。
しかも32.9%の浅井氏、28.9%の近藤氏は、ともにアリーナ推進派でした。
というか、選挙の時点で、多くの有権者(特に賛成派とどっちでも良い派)にとっては、新アリーナ問題は終わった話のはずでした。
長坂氏自身、選挙期間中、一般有権者向けにソレを大々的に訴えたということはなく、実際、種々諸々掲げた項目中、選挙公報では1/34、選挙ビラでは1/60でしかありませんでした。
何しろ、アリーナを含む「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業」は、既に契約済み、着手済みであり、その旨を伝える「広報とよはし」が全戸配布されていたのですから。
(「広報とよはし」令和6年11月号)
この辺りの事情についてご興味のある方は、こちらの(今は昔の)記事をどうぞ。
●“民意”を反映するとは限らない「小選挙区制」
ここから先は「個人の感想」レベルですが・・・
この市長選挙、投票率は43.43%でした。つまり、半分以上の人が投票していないということです。
それを加味して「絶対得票率」を示すと、こうなります。
(積極的に)長坂氏を支持した人は15.6%に過ぎません。
なのに長坂氏は、選挙結果が全てだと言い張り、就任直後から(こちらも選挙結果を反映して構成された市議会を無視して)独断専行に走りました。
恐ろしいことです。
投票しない理由は、もちろん、人それぞれだと思います。
自分一人、投票してもしなくても結果は変わらない。
誰が当選しても政治は変わらない。
聞かれればそりゃ文句くらいは言うけれど、実は、政治に関してそれほど大きな不満があるわけではない。
そもそも政治には全く関心がない。
単に面倒くさい。
等々でしょうか。
ただ、一般論として、「体制」に不満はあるけれど選挙には行かない、という人よりも、「現状」そこそこ満足しているしわざわざ投票にい行かなくても、という人の方が多い、とは言える気がします。
もともと、そこら辺を含んでの民主主義(選挙)制度ではあるのだけれども。
市長選挙における「保守分裂」が決まった時、私自身、多少の不安はあったものの、それでも、浅井氏と近藤氏2人とも長坂氏の得票を下回ることはないと踏んでいました。
多くの、政治に対してはっきりとした不満があるわけではない、という人々も同様だった思います。
そうして抵投票率の下、明確に、あるいはボンヤリと変化を望む人々の投じる票が、相対的に多くなったということではないでしょうか。
結果として、長坂尚登という特異な市長が誕生してしまいました。
豊橋市民は、そのツケを、今も払い続けています。
●投票率を上げる(自分が投票に行く)ことの大切さ
幸いにして、新アリーナ(を含む豊橋公園再整備)事業は、住民投票を経て、継続が決まりました。
その投票率は、65.67%。
私ごときには証明のしようがありませんが、基本、アリーナには賛成だけれども市長選挙においては、そこを重視したわけではない、もしくは、投票自体していない、という人達が、しっかり賛成票を投じた、と見て良いのではないでしょうか。
この結果をもって、長坂氏は「公約」の実現を断念しました。
それでもご本人は、「新アリーナ計画の中止(契約解除等)」という公約が支持された、というご自身の判断(解釈)の誤りを決して認めてませんが。
理由はどうあれ、事実として「公約違反」となったことも決して認めてませんが。
ともあれ、私が言いたいのは、
投票率を上げることの大切さ。
つまり、有権者一人ひとり、
自分自身が投票に行くことの大切さ。
に尽きます。
世の中を変えたい、はもちろんのこと、自分の生活、昨日の続きの明日を守りたい、という人こそ、投票に行くべきだと私は思います。
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公平を期すために、住民投票における賛否の「絶対得票率」も示しておきます。
どう感じるかは、人それぞれで。
先の豊橋市長選挙および住民投票の原資料も添えておきます。
令和6年11月10日執行 豊橋市長選挙.pdf( 1692KB )
「広報とよはし」令和7年9月号(32ページ 10,807KB )
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衆議院選挙は、全国で289の選挙区がありますし、176の比例分もあるわけで、そうそうダイレクトにヤバいことにはならないと思いますが、それでも、投票には行きましょう。
ついでながら、自民圧勝=媚中派一掃ではないので、そこにはご注意を。
参考までに、姉妹編を。お時間アレばで。
衆院選公示日の中日新聞社説。
(中日新聞2/27-7面)
解散理由には高市氏自身が目指す政策の実現も挙げています。
「『責任ある積極財政』への経済・財政政策の大転換、安全保障政策の抜本強化、インテリジェンス機能の強化など、国論を二分するような大胆な政策、改革にも、批判を恐れることなく果敢に挑戦するには、政治の安定、国民の信任も必要です」
選挙に勝てば、批判されても国論を二分する政策を進める宣言ですが、積極財政は円安や財政悪化を招き、物価高騰で暮らしへの悪影響がすでに指摘されます。軍事偏重の外交・安保政策や防衛装備拡充は国民に負担を強い、地域情勢を悪化させる恐れがあります。インテリジェンス(情報活動)が強化されれば、監視の矛先を日本国民自身に向けかねません。
憲法改正の是非はもちろん、国論を二分する政策であればなおさら、反対論にも誠実に耳を傾け、国民の代表である国会で、丁寧に合意形成を図る必要があります。政権が一方的に進めていいはずがありません。強引に突破すれば、国民の分断を招くだけです。
政権中枢が国民を敵と味方に分断し、味方を優遇する安倍晋三政権当時のような忖度(そんたく)政治の再来を許してはなりません。
高市氏の解散戦略には自身への「白紙委任」を取り付け、自らの政策を官邸主導で強引に進める狙いも感じます。もちろん私たち有権者は、そうした企てには抗(あらが)い続ける必要があります。
長坂氏当選の折にこそ、ソレを言ってほしかった。















