豊橋市長選挙⎯⎯「新アリーナ建設の是非が争点」「計画中止を公約に掲げて当選」などといった言辞は、当選者、その支持者、大手マスメディアによる印象操作。後付の「物語」です。多くの有権者にとって、建設の是非自体は既に主要争点ではありませんでした。また選挙期間中長坂氏が、計画中止を特筆大書し、街頭で広く強く訴えていたということもありません。選挙公報に、小さな文字の34項目、そのひとつとして「新アリーナ計画の中止」(契約解除等)とあったのは事実ですが、ただ、それだけです。

 

「とある風紀委員、間違って生徒会長になる。前編」

 

 

のつづき。

 

 

●まさか、長坂。


で、冒頭書いた通り、まさか長坂、という結果になってしまったのです。

 

 長坂氏は既存政党など組織の推薦は受けず、市議時代からの支持者を中心とする市民有志の後押しで選挙に挑んだ。市が豊橋公園に建設する多目的屋内施設(新アリーナ)の計画を巡っては市議会で一貫して反対を唱えており、浅井氏の「公約違反」を主張した。市長選への出馬会見で契約解除を公約に掲げた。

 

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 9年半の市議生活で支持者を増やし続け、今年だけで100回を超える市政報告会や対話集会などを重ねた。浅井氏と近藤氏が新アリーナ建設賛成票を奪い合うのをよそに、現職への批判票や反アリーナ票を効果的に取り込んで、支持基盤を固めたとみられる。

 

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 公約に掲げた新アリーナ建設の契約解除は「市長権限で可能なことは議会答弁で確認済みだ。就任後にはすみやかに事業者へ解除通知したい」とした。アリーナを推進する2候補の合計得票を下回ったことから、今後は建設要望が強まる可能性について「現在の契約を解除した上で、アリーナ建設の賛否を含めたやり直しを考えるべきだ」と持論を示した。

 

 

 

この東愛知新聞による記事は、比較的まともだと思います

 

が、新聞を読まない(取ってさえいない)人にしてみれば、正直、何の話だ? くらいに意味が分からない展開だろうと思います。

 

 

多くの有権者がそうは思っていなかったのに「アリーナ(建設の是非)が争点」だったと報道する大手メディア。

 

少なくとも選挙期間中、街頭では、ほぼ触れることがなかった(選挙ポスターには明記せず、選挙広報においても34の小項目中のひとつでしかない)契約解除を「公約に掲げて当選した」と強調する長坂氏。

 

 

なになに、アナタ達、裏で通じてるの? 狙いどおりなの? って感じです。

 

 

もっと早くに「アリーナ(建設の是非)が争点」という空気になっていれば、浅井さん、近藤さんも、もう少し上手い遣り方があっただろうと思います。

 

建設賛成派が票を奪い合い、間違って反対派が当選する、なんてことはなかったはず。

 

言ってはいけない、負け犬の遠吠えになる、という自覚がないでもないですけれども・・・

 

あえて言おう、漁夫の利市長である、と。

 

 

●精神崩壊

 

しかしながら、結果は結果。

 

我が家では、しばらくの間・・・

 

 

夫は、海に向かって「わあああああ」と叫びたくなるとか、

 

あるいは、夕日に向かって「ダダダダダダ」と何処までも走って行きたくなるとか、

 

職場で、トラックの燃料タンク下に派手な漏れシミがあるのを見逃し、

 

 

「これは気付いてよ」と叱られ、「これは気付けよ、自分」と悲しくなるとか、

 

妻は妻で「選挙には、上り坂と下り坂、そして、まさかと長坂がある」、と呟いてみるとか、

 

両者ともフェニックス・ブースターの夫婦、およそ普通じゃない精神状態に陥りました。

 

 

このやるせなさ、悔しさ、腹立たしさ、怒り・・・

 

賛成 vs 反対なら敗けてないのにっ!

 

ここまで、ちゃんと読んでくださった方なら、ある程度、分かってくださるのではないでしょうか。

 

 

けれど、そんな事情を知らない世間一般は「反対派の市長誕生」と言うのです。

 

24ないし30しか枠のない、B.プレミアチームのホームタウンという地位を、自ら手放す愚か者の豊橋市民と蔑むのです。

 

 

地元ローカルの東愛知新聞は、それなりに抵抗を試みてくれているようです。

 

 契約解除に伴う違約金について長坂氏は金額が膨らまないよう、すみやかな対応で負担を減らす考えを示している。一方で、運営事業がなくなることで生じる逸失利益も市の負担となる。関係者によると「運営事業の利益は数千万~1億円と見ている。単純に事業期間30年分なら数十億円に上る」という。整備運営を担う「豊橋ネクストパーク」に加わった建設事業者などが見込んだ利益も上積みとなる。さらに設計業務を含む事業計画作成や先行する関連工事に要した実費、今後の建設工事に必要な人員や資材の確保など建設費や一般管理費も含む費用も積み重なる。

 

 アリーナ完成を願う市民からは「違約金事態は何も生まないお金だ。すべて市民の税金で賄われる。計画中止のために数十億円をどぶに捨てるようなことを市民が納得するのか」と指摘の声が挙がっている。

 

 さらに計画推進に同調した市議会の抵抗も予想される。市議会では計画推進派が大多数だ。「もう一つの民意」を持つ市議会への説明にも注目が集まる。

 

 

 

これも記事の末尾には、以下の記述がありました。

 

 候補者同士の明確な政策論争もなく、論点がかみ合わないまま「アリーナ問題」も争点の一つに浮上した豊橋市長選。当選した長坂氏は契約解除を強く打ち出した。少数与党で難しい議会対策が予想される中、宙に浮いた状態で新アリーナ中止がどんな影響を及ぼすかをまとめた。

 

 

そう、まさに、そんな感じなのです。

 

〈当選した長坂氏は契約解除を強く打ち出した〉とありますが、より正確に言うと、「当選してから(!)強く打ち出した」です。

 

そして翌日の〈下〉に続きました。

 

 

 

●嘘は言ってないよ、隠してたことはあるけどね。

 

ところで、当選が決まってから、やたら物言いがストレートになった長坂氏。

 

中日新聞が、せっせと伝えています。で、こちとら怒り爆発。

 

 

(中日新聞11/12-16東三河版)

 

 

「興行の場として5千席以上の施設を市主体で造ることは考えていない」

 

は? だったら、アリーナ建設反対の理由は、公約違反がどうとか、説明不足がどうとか、そういう問題じゃないじゃん。そもそも不要論者じゃん。

 

当選してからソレを言うんですか。

 

つまり、端から豊橋としてB.プレミアのホームタウンを目指すつもりなんてなかったってことでしょ。

 

それじゃ・・・

 

んー、ここがダメ、それは違う、君、あー言ってたよね、こー言ってたよね。あ、でも、君のこと嫌いじゃないよ、ちゃんと好き。なーんて、うっそー。

 

・・・みたいなもん? ずるいじゃん。一体、どこのダメンズだよ💢

 

 

でも、長坂氏の仲間達は「アリーナ反対は一丁目一番地ですよ」「あー、それね、説明会とかでちゃんと言ってましたよ」とかで切り替えしたつもりになるらしくてね。

 

ホント、困っちゃうんだけど。

 

いやいや、一丁目一番地って、だったら選挙ポスターに堂々と「新アリーナ中止」まで大書しとけば良いでしょ。

 

説明会でって、そうじゃなくて、選挙期間中街頭で、広く強く一般大衆の前で言わないと「ちゃんと言ってた」ことにはならんでしょ、って話で。

 

 

(中日新聞11/13-13東三河版)

 

 

何なの、この、全体として突き放したトーンは。

 

「三遠と豊橋公園を比べ、市民が豊橋公園を選んだのが今回の選挙結果」?

 

いやいや、あっしら、そんな選択を迫られた覚えはとんとないでござんすよ。

 

てか、三遠ネオフェニックスと豊橋公園を比べるって何? マジで意味が分からないんですけど。

 

こんな意味不明のロジック。いや、もう、他の誰でもない、アナタこそが一番の「説明不足」ですよ。

 

 

ちなみに、投票前のアンケートでは、こんなふうに言ってました。

 

 

(中日新聞11/8-18東三河版)

 

 

(4) 地域にとっての三遠ネオフェニックスの位置づけ、今後の対応方針

 

 地域にとってかけがえのない存在で、豊橋だけでなく三遠地域に根付いたプロスポーツチームです。特にSAN-ENアンバサダー「カゲっち」さんは、駅立ちしていても笑顔でご挨拶くださる素晴らしい方です。市として今後の対応方針は、過去に市議会で質問・答弁にあったように、お金をかけない方法で「全心全力」で応援します。

 

 

今となっては、前段の「かけがえのない」なんて言葉、単なるお為ごかしにしか聞こえません。

 

で、中段。何なの、その「ちょっといい話」披露しちゃう、なノリは。

 

そして後段「君のこと好き、でもお金はかけないよ」てか。精神論じゃなく、好きならちゃんと金使え、お前男だろ。おっと、これはセクハラかな。

 

 

あー、もう、ホント、ムリ。

 

 

●前市長、ごもっとも。

 

こうなると、実のところ批判的に見ていた前市長が、凄くイイ男に思えてきます。

 

―新アリーナを巡る市長選の結果を踏まえて思うことは。

 ◆推進派が得た7万7000票が反対派の4万5000票を上回っている。結果は候補者の構図で決まった。

 

―新アリーナへの反対票を投じた民意は。

 ◆市長選の結果がすべての民意なのか。計画に8割が賛同した市議会の議決も民意だ。それも尊重すべきだ。

 

 

 

仰るとおり!

 

仰るとおり!!

 

そもそも市長選挙はワンイシューで争ったわけじゃない。

 

そこを、長坂氏と大手メディアが口裏を合わせるように「新アリーナが争点だった」とするなら、だったら「賛成派多数」が民意となります。

 

大手メディアも、そこのところをちゃんと報道してくれ!!!

 

 

●まずは、署名活動から。

 

ということで、とりあえず、抵抗の証として、頑張るよ。

 

豊橋市議会に新アリーナを求める請願書を提出します。署名運動に、ご協力のお願い。

 

12月3日(火)までに豊橋市議会議長あてに提出する必要がありますので、12月1日(日)を提出期限とさせていただきます。
なお、郵送の場合は、土日を挟みますので11月29日(金)必着で下記住所までお送りください。

 

※請願とは、国または地方公共団体の機関に対して意見や希望を述べること。

協力依頼書、請願書、留意点の書類を添付します。
署名は、豊橋市民以外でも有効です。また、年齢制限はございません。

 

 

 

 

上の3点、いずれも、サイトの方にPDF原稿があります。

 

 

 

長坂氏がどこまでまともに向き合うか、はなはだ疑問ではあるけれど、何しろ「民意」が大好きな彼のこと、流石に無視はできないでしょう。

 

あれこれ理屈をつけて、じゃあ「賛否を問う」で行きましょう、とか言って振り出しに戻そうとするかもしれません。

 

そうなったら、その時こそ、議会に頑張ってもらうしかありません。

 

そこに、勇気と力を与えるのが、ぶっちゃけ、署名の数です。

 

 

 豊橋市が進める豊橋公園東側エリアと多目的屋内施設(新アリーナ)の整備計画について、市長選に当選した長坂尚登氏が契約解除の意向を示しているのに対し、計画継続を求める市民有志が請願書提出へ向けた署名活動に入った。12月1日まで続け、請願書は翌2日開会の市議会定例会へ提出する。

 

 新アリーナ計画を巡って長坂氏は、事業者「豊橋ネクストパーク」と結んだ特定事業契約の解除を主張している。

 

 対する市民有志の「豊橋新アリーナを求める会」は14日から請願書提出へ向け署名活動を開始。市内外の個人やスポーツ関係団体などが応じた。

 

 署名は自筆が原則で市外在住や未成年も可。求める会のブログからPDFの様式をダウンロードできる。すでに協力者に3万枚を配った。

 

 求める会は2020年にもアリーナを求めて請願し、2万8270筆を集めた。今回は期限の12月1日(郵送は11月29日必着)までに10万筆超を集めたいという。

 

 請願は国や地方自治体への意見や要望などを述べる方法で、議員の紹介が必要。採択結果は議会の意思となる。

 

 求める会の落合幸一郎事務局長は「人口減少社会へ向け、にぎわいや経済効果も期待できる施設だ。新市長には市議会決議も尊重し、計画中止の影響を考えてほしい」と再考を求めている。 

 

 

Wリーグ試合会場でも呼び掛け

 

 アリーナ計画の継続を求める署名活動は市内外に広がっている。

 

 県、豊橋市の両バスケットボール協会などは16日、市総合体育館であった女子バスケ「Wリーグ」の試合会場で署名を始めた。試合のあるトヨタやENEOSなど4チームも協力し、500筆超を集めた。市バスケ協会の高須大輔理事は「多くの賛同と協力をいただき心強い」と感謝した。17日も署名を集める。

 

 ほか、豊川稲荷の秋大祭会場でも、大勢の参拝客らから署名を集めた。三遠ネオフェニックスの運営会社「フェニックス」は、豊橋市内であったブースター交流会で協力を求めた。

 

 

 

PDFをダウンロード、プリントして、署名して、郵送して、と、正直手間ではあると思いますが、長々とたぎってしまったワタクシの思い、少しでも共感していただけたなら、是非、ご協力をお願いします。

 

昭和の遺物かと思わせるような赤色がかった人とその仲間たち、陰に陽に彼らを応援する大手メディア、それらに抵抗する、という意味もあります。

 

是非是非、よろしく、お願いいたします。

 

 

 

 

 

前編はこちら。

 

 

 

 

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関係ないのだけれど、お隣の静岡県湖西市。

 

市長選挙、静岡県議会議員補欠選挙、ともに立候補者は1人。無投票当選だそうで。

 

あー、羨ましい。

 

平和で良いなー(いや、良いのか?)。