年賀状————ってやっぱりすごい神(紙)パワー | hermioneのブログ  かるやかな意識のグリッド(の風)にのる

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バシャーリアン。読むことで意識が変わるようなファンタジーや物語に出会ってゆきたい。

 昨日から年賀状を書いています。

 葉書本体は例年どおりネットショップ「おたより本舗」で作ってもらっています。ありがたいことに、切手も印刷されているヴァージョンも買えます。

 

 ことしは伊達巻きデザインのとても気に入ったのがありました(おいしそうな伊達巻きの断面に写真が入る)。

 私のやることは、住所と宛名を手書きし、あいたところに「今年もよろしく」的なことを入れるだけです。

↑これは本物の伊達巻。好きです。

 

🌟字はうまくないです。ただ筆ペンで粛々と書いていき、濤とか嘉とかのあやしくて書けない字をスマホで出して、拡大し、それなりに確認する、という手順を踏んでいると、なんだか精神がしんとなってきて、昔の人は矢立を取り出しサラサラとか、あるいは文机に向かって姿勢をただして、気を集中して、字に向かっていたのだろう————その心境にだんだんなっていきます。

 

 昨年たいへんなことがあった人にあてて出すときは、がんばれ、的なエネルギーをのせて、お名前を書きます。すると、それがするするとひとすじ道でのびてゆく。届け〜〜〜・

 

 書く、ということで何かが私から発して、しゅるしゅるしゅると、————昔の人が蛇を神さまと思っていた気持ちもわかります。

 つながっている。そしてラインにもなっている。

 

🌟ところが、ここで気になったのは、某TVCMです。

 腱鞘炎か何かになったクライアントさんに向かって整形外科医が、「手を酷使する作業をしないように」と言います。

「どんな作業ですか」

「たとえば年賀状のあて名書きです」

「あっ、昨日それをやりかけて・・・・・・」

 

 すると、画面が切り替わり、「昨年の年賀状を持ってきていただくだけで、その作業から解放されます」と女性が。

「カメラのK村(澁谷にもある、ものすごく早く印刷葉書を作ってくれる会社・私も前に頼んだことがあります)にお任せ下さい」

 画面では、年賀状の束を受け取るお店の人。私はてっきり、これを読み取る器械があって、たちまちに変換して印刷をしてくれるのか、と思いました。

 現に中央郵便局には読み取りの器械があって、手描きでも郵便番号や住所を読み取って、郵便を仕分けできる、というのをTVで見たのは一ヶ月ほど前です。

 

🌟すごいなあ、カメラのK村は、とダンナさんに言ったら、

「そんなのできるはずがない。手描きのものを読み取って、さらにソッコー印刷する器械なんて」

 と彼は早速ネットで調べはじめ、わかったのは

「店員さんが目視で読み取って、手で書いている(あるいは住所録データに手で入力してくれる)」という驚天動地の事実でした(爆笑)。

 

🌟たいへんな労働力です。つまり当人が腱鞘炎になりそうになってやる作業を、同じ人力で肩代わりしてくれている。

 うーん。

 それだったら、もともと年賀状データを全部PCに入れて、住所も勝手に打ち出してくれるシステムがあるんだけど・・・・・・

(私はそれは何だか血肉がこもっていない感じで採用していません)

 

🌟PCでおもてもウラも打ち出して、ひとことコメントだけペンで入れている、という年賀状は多いです。

 でも、「お名前」と「住所」だけは、本人の魂がこもっているものなので、ビジネスライクに印刷したくない気がします

(U・K・ル・グウィンの「まことの名前」でしょうか。)

 

🌟葉書を書く順番も「先生」にあたるような人のを先に書き、だんだん同僚、同輩、にうつり、卒業生とか院生とかがあとのほうになります。それによって自分の何かを仕分けしています。毎年そういう作業です。

 粛々・・・・・・

 今年新たにお世話になって知り合った人に書くときが一番ワクワクします。私の手元(の筆ペン)のから、蜘蛛の糸か何かがシュルシュルーとつながってゆきます。

 

🌟ところで————だからといって、手描き署名のほうがいいのだろうか?

 実はそうでもないことが、一ヶ月くらい前のNHK番組「チコちゃんに叱られる」でわかってびっくりでした。

 なぜハンコがずっと使われてきたのか?

 署名でなく、ハンコがなぜ重用されていたかというと。

 署名や花押だとその人(お殿様)の年齢とか気分とか、または体調や本人のつごうで字体も書き方も変わるので、証拠書類にならない。特に条約とか取引とか相続とか跡目嗣ぎとか————戦国時代の大名の信書は大変だったようです。本物かどうか。

 で、そのうちにハンコができてくると、「いつ押しても同じで変わらない」ので信憑性が高いことになった。

 

 これは驚きでした。

 

🌟字を書くという作業で、そこに何かがのることは確かです。でも「いつでも同じ」のハンコや印刷も必要。

 一点ものの絵はすごいけれど、版画も必要・・・・・

 

🌟さて、いよいよ年末へのカウントダウンです。

 師が、和尚さんのことだとは知りませんでした。