この続きです。


二つの「応答」と言いました。


でも「応える」って何に?


ポストやリポストに「いいね」で😊、

あるいは

親や共同体の期待や恩に。

そして宿命に「応える」。


でも、そもそも「応える」って何?


それは

あらゆる内発的ではないものに対応する

フレキシブルな力。

課せられたものをこなす責任感や

与えられたものに正しくお返しする

誠意とも言う。


私みたいに自分がしたいことしかできない

欲しいものしか欲しくない

わがままな人間にはそもそも一番欠けてる能力w


それとは対照的に


(当社作製の非公式極まりない「塑像」によれば)

私の推しは「応える」ことができる男なんで〜


まあ概して仕事に対してでも何でも

世の中のエクセレントな人間ってのは

この能力が高いってことで

ここでは別にそれ以上のことは言ってません。


ただし

本書の「応答」には

ちゃんと真心が籠ってるところがポイント。

ビジネスライクじゃなくて、な😌


ひとつ目の「応答」は

東儀俊美(とうぎとしはる)氏に対してのもの。



発端は

今からもう二十年以上前の手紙。

差し出し人も鬼籍に入られて久しい

のですが、


フォロワーの方々には、

本書の冒頭に収められた

この手紙の箇所だけでも

ご確認いただきたいと思うくらい、

品格あふれる文面です。


そう、一昔前は手書きで、受け取った側が

一生手元に置いておきたくなる、少なくとも

捨てるなどという選択肢はありえないような

真心のこもった書簡のやり取り

というのが存在した。


今はデバイス経由で確認事項を

二、三行送ればすぐ完了ですけど。


そういうものとは全然重みが違うのよ…


東儀氏が述べるのは

70歳を過ぎて初めて

四天王寺の聖霊会に参詣できたことの

感慨と御礼。


(毎年、宮内庁の行事とバッティングして

どうしてもその時まで聖霊会の日に

四天王寺に参詣することができなかったそうです。


…もしかして世の中そういう人だらけ?)



東儀氏のお手紙からの引用☟

「…強く思いましたのは、

「ここに、もう一つのほんとうの雅楽がある」

ということでした。齢七十を過ぎて、

やっとこのようなことを申し上げるのは

不勉強の至り、お恥ずかしい限りで

ございますが。」(本書8頁)


この場合、

偉い人って概して謙虚だから、これは

「あなたのところはうちとは違うのを

今まで知りませんでしたが良かったです」

という社交辞令的な賛辞かなあと

思おうとすればそう思える。


正統の中の正統、宮中の、日本の雅楽界の

頂点にある人物が、民間団体の取り組みを

評価してるんだから、そういう意味かなあと

思おうとすればそう思える。


しかし、実はそうではないことは、

東儀氏の奥様の証言によっても裏が取れていて。


奥様の証言☟

「明治維新という国家体制の大変革は、

雅楽の世界をも大変容させました。

よく言われているように、

三方楽所の東京集結です。

その変容が固定化し、

宮内省雅楽が宮中雅楽として絶対化した時代に

俊美は生まれ、演奏生活を送り、

一生を終えたことになります。つまり、

宮内庁楽部の純粋培養楽師と言ってよい

でしょう。

その純粋培養楽師が、

初めて四天王寺の「聖霊会」に出会った時の

衝撃というか、葛藤というか驚きは、

「違うんだなあ……」という呻きにも似た

短い言葉に十分表されていました。

それは

非難でもあり、拒絶でもあり、承認でもある

ように思われました。」

(東儀俊美『雅楽逍遙』 198頁)


つまり


「もう一つのほんとうの雅楽がある」

と認めることは、

ほとんど

絶対的なオーセンティシティと特権性を誇る

宮内庁の雅楽の欠損を認めることに

繋がるような複雑で強烈な感情であった

ということです。


ですから


そのような

東儀氏の楽師としての全人生の意義を賭した

掛け値のない評価に対して


受け取った側は

単なる「嬉しいありがとう」

程度のお礼の言葉で済ますことはできない、


何が評価されたのかを

何が彼の心をそこまで揺り動かしたのかを

我が物として知り、芸の血肉とすることで

それに真剣に応えなければならない

という要請を得たのだと思います。


たとえ、ご本人がこの世におられなくなっても。


しかし、

「応答」はそういう次元を超えるものとして

本書に結実した、と。





ちなみに〜


男の誠意は

上っ面な耳触りのいい言葉ではなく

具体的な行動にあらわれますって。


その辺の婚活カウンセラーでも誰でも

言ってる定型表現ですが


要するに

この場合に関しても、

応えるってそういうこと

©️2024年度塑像制作委員会(パワポ太字)

って解釈でよろしいですよね😌



☟ その辺の結婚相談所もだいたいそう言ってます。

恋愛結婚願望がある独女のみなさま〜

いい男と一緒になりたかったらよく覚えとけYo!

このポイントをなっ👍




(応答その2 に続きます)



東儀氏のこの御本は実は図録サイズの

ハードカバーで大きくて

外国に持って帰るのが結構大変だったw☟