中学受験時代のケアレスミス;我が家の傾向と対策 | 傍流のアメリカ大学受験

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都内私立中高一貫校の高校三年生。米国大学進学準備に奮闘中。
純ジャパ(日本生まれ日本育ち、海外経験ゼロ)の息子がどこまで挑戦できるか、親もつたない英語を駆使して情報収集に格闘しています。

2022年9月25日(日)

 

前回から随分と間があいてしまい、すみません。

自分が数年前に書いた記事などを読み返しながら、息子が小学生だったときはどんな感じだったかを思い返していました。

 

「なんでこんなミスを…。」と、悲しみと怒りを覚えるほどに嘆かわしいミスの連続…。

我が子にも「頻繁に」ありました。

そして、「私が」結構深刻に悩んでいました。

「このミスさえなければ何点だったのに…。」なんて、こっそり計算して自分を慰めていた時もありました。

 

息子のケアレスミスに、なんでこれほどまでに腹立たしく思うのだろうと考えた時に、自分と同じような理由でミスしているからだと認識していることに気がつきました。

私自身が仕事でアホなミスをする時は、たいていが集中力の欠如によるものです。

気のゆるみ、丁寧にやっていない、ちょっと手を抜いていたた…、などなど。

 

息子のミスの原因も同じなんだと思っていました。

全然集中してないじゃん!真剣さが足りないよ!大事な復習テストだったのに!

志望校を決める模試じゃない!


親の方はこんなにと気合いが入っているのに、「自分の受験のわりに、真剣さが足りないなあ。」と静かな怒りがわいてきます。

 

 

しかし、塾の先生に相談した時に言われたのは意外なお言葉!

答案をみながら、「本人、結構頑張っていますよ。」

「試験の時は、気持ちがいっぱいいっぱいだったんですねぇ。」

ミスを誘引する心理状況は、大人のそれとは全く違う原因で起こっていることを教わりました。

 

この一問を、けっして大事に思っていないわけじゃない。

答えの欄に記入するまで、最後まで丁寧に解きたいとは思っている。

だけど、次の問題が気になって、

試験時間が足りなくならないか心配になって、

目の前の問題だけに集中できない状態だ。

 

試験を受けている間に、小学生の頭の中では、実はいろんな葛藤があることを知りました。

未成熟で人生経験が浅い子どもの脳の働きと言うのは、大人とは全く違うのですね!

そして、その対処法も教えてもらいました。

 

 

1)新しい単元を学ぶときは、解法が理解できていることを評価してあげる

 

子どもは、あれもこれもとマルチに注意力を払うことがまだ苦手なようです。

新しい解法を学んでいる時は、もうそれだけに全集中力を使わせてあげること。

すなわち、正しく問題文にしるしが付けられていたらヨシ、

図が描けた、式がたてられた、必要な補助線が引けた、

そしたらもうそれだけをほめてあげる。

式まであっているのに、最後の掛け算でミスをしていると、親はついそっちを指摘したくなっちゃうんですけど、そこはグッと目をつぶって、がまん、がまん。

今習得すべきことに力を使えていればそこを誉めポイントにする。それで終わり!

ミスのことは指摘すらしない。子どもが新しいことを習得することだけにエネルギーを使うことができるように、今の指導目標を一点集中型にすると言うサポートの仕方。

いずれ、解法が負担なくスルスルと頭から引き出せるようになれば、気持ちには余裕が生まれ、自然と計算の正確さにも注意力を向けられるようになるとのことです。

 

 

2)復習テストや模試では

 

時間制限があるというのは、子どもにとって親が想像する以上にプレッシャーが大きいようです。大人には人生経験がそれなりにあるので、5分とか10分とかが、時計を見なくてもなんとなく肌感覚で把握できます。

でもまだその感覚を身につけていない子どもにとっては、大問が6問あるうちの、大問1の5題を丁寧に解いてしまうと、それだけで30分経ってしまったんじゃないかとすごく焦るみたいです。

で、時計を見て「あ、まだ全然大丈夫だった。」とホッとするんですけど、もうその大問1を駆け足で解いてしまっているから、すんごい基本問題だったのに、ポロポロと失点してしまっている…。

 

うちの息子の場合は塾の先生に「大問1~3は、全問正解せよ。」と、基本問題を確実に得点するところに気持ちを集中させるような指導を受けていました。

これも、誉めポイントの一点集中型作戦ですネ。


息子の中学校でも、興味深いことに、復習テストでは、採点の基準にこの「基本問題を確実に得点する」要素が含まれています。

1問各2点に加えて、1問目からの連続正解数が各1点として合計点に加えられます。

 

 

そして合格点を越えられないと、越えられるまで何度でも追試験があります。

(;^_^A

連続得点をすることの大切さ、をこのような形で子どもたちに伝えようとしてくれています。

 

裏を返せば、中学生にとっても「取れる問題をちゃんと得点する」ということがいかに難しいということか、と言うわけです。

評価項目の一つにして子どもたちに「あえて」意識させないと、なかなか身に付かないと言う意味ですね。

先生方も工夫してくださっています。

 

息子は、中学受験時代にこのあたりはかなり鍛えられましたので、

こんな感じ。

 

 

時間切れには、かなり潔くなっています。

( ;∀;)

いいのか、悪いのかは別として…💦

取れる問題はしっかり取る!と言う意識はかなりり身についているようです。

^_^

 

その子なりの達成度に合わせ、復習テストの目標を「〇問連続正解」を目標にしてみるのは大変ひお勧めです。そしてこの習慣は、受験期間を通して結構身につき、中学数学にも生かされます。

 

 

3)過去問では

 

満点を目指す必要は無し、7割以上を得点する。

これを過去問に取り組む前に、毎回毎回必ず伝えましょう!

7割取るために、自分はどの問題に手を付けるか、どの問題に集中するか、自分で見極める。そのために最初に問題数と問題内容の全部を一気に確認する。

そして「これは解く」と決めた問題は、「解答欄に書いた数字に責任を持つ」と言うこと。

すべての解答欄を埋める必要はないが、埋めた解答欄は確実に得点する責任を持つということです。

7割正解は、ここを意識して取り組まないとかなり厳しいです。

闇雲に全問題に手をつけるのは得策ではありません。

なので、過去問演習の時は、解答欄に答えを書いたのに…、

つまり自分は解けると判断した問題なのに間違えてしまったと言う場合が

合否を分けるのだと言うことを理解させるためです。

その場合、自分が解けると判断したのに間違えたのはその原因がどこにあったのかの分析する必要があります。

これが合格力を上げるための過去問の取り組み方です。

(また、過去問の取り組み方については別記事にしたいと思います。)

 

 

ミスをしてしまう時の小学生の心理状態について話しましたが、

ミスを誘引するものとして、そもそも

 

1)自分の字が汚くて、自分さえも読み間違えてしまう。

2)途中式が書かれていないから、時間が余っても見直しのしようがない。

3)暗算で済ませているから、どこでミスをしたかがあとから見直せない。

 

と言った、「試験の時になぜケアレスミスを?」と言う課題とは別の、日常の勉強時間でも起こりうる種類のケアレスミスもあります。

 

これらは低学年の頃、初めて算数を習うときに、

計算が速いとほめられる、速いことはいいことだという学習習慣による影響があるのではないかと私は思っています。

幸い、のんびり屋のうちの息子は見られない問題でしたが、話には良く聞きます。

 

計算が当たり前にできるようになった高学年から、数字の書き方を変える、途中式を書く習慣をつける、と言うのはなかなか大変なことです。

やはり算数を学び始めの低学年時期が勝負なのだと感じます。

 

数字は丁寧に書く、

途中式を省略しない、

繰り上がり、繰り下がりなどの小さな出来事もきれいな字でメモを残す習慣をつける、


これらは、時間がかかってめんどくさいことではなく、自分を救う良い習慣なのだと理解できるのはずっとあとのことです。

だからこそ、物心つく前に身につける習慣は、将来の高度な算数や数学に繋がるものであってほしいと心から願います。

 

中学受験予定の子は、小学三年生までに分数少数を含む四則計算のルールを身に着けると思いますが、その段階でこそ、丁寧な記述で、美しい途中式を書く練習をする時期です‼️


速く解くことではなく、美しく数字や式が書けていることの方を、ほめてあげる。

式が斜めになっていたり、=の位置や分数の線がずれていても、気にしない感覚はとてもきけんです。

答えさえ合っていればマルがもらえるじゃん!言う認識が低学年で身についてしまうと、その後に修正することは、親が想像する以上に深刻で結構やっかいな問題になります。

 

速く解くこと以上に、きれいに解くことの方が気持ちいいという算数体験を低学年のうちにたくさん味わって欲しいとおもいます。

そして、低学年で算数を習わせるのであれば、そう言う数字のセンスや数式や図形の感覚を存分に味合わせてくださる先生から学んで欲しいと思います。

 

高学年になって、複雑な数式を解く際に、

自分の字を読み間違えてた

時間は余ったが、途中式がないから見直しのしようがない

と言った悲劇は、できれば起こってほしくないですからね💦

 

どんなに計算が早くても、ミスがあれば得点にはなりません…。


ミスを起こしにくい速度を知り、

見直しがしやすい途中計算とメモの習慣を身に付け、

解ける問題はちゃんと得点できる解答力は、

 

中学受験だけではなく、

もっと条件や数式が複雑になる中学数学や高校数学に向けても有益な武器になります!

 

そのための中学受験勉強の時間となりますように、応援しています。☺️