たいせつな ”日常” | 旗本由紀子の『たいせつな日常』

旗本由紀子の『たいせつな日常』

毎日のちょっとした瞬間の積み重ねが”人生”になる。 そんなわたしの『たいせつな日常』をご紹介します。


今朝のはなまるは「人生のレシピ」


林家正蔵さんと、藤あや子さんの思い出の味をご紹介しましたが、今回も

取材を通して ”お金では買えない尊いもの” についてあらためてお二人

から教えて頂き、また、考える機会を頂いたように思います。



今よりずっとモノがなくて、オシャレ感だって薄くって、家の中でも外でも子供

たちがギャーギャー走りまわっていた「昭和」という時代。  でも、家族や近所

のおじさんおばさんから教わったことは山ほどありましたし、何よりも誰もが親

身になって叱ってくれたり、面倒をみてくれたり・・・と、今思えば本当にかけが

えのない時間を過ごしたんだな~・・・ と思うんです。


今回、正蔵師匠のお母様である海老名香葉子さんにお目にかかって、お話を

伺うだけでなく実際にお料理まで作って頂いて・・・、その強く、どんな時も明る

く、誰に対しても深い愛情をかけて、ちゃきちゃきとした姿に、知らないうちに

”昭和の母親像”を重ねておりました。


どんなに忙しい時でも、食べる物がないような時でも、お子さんでもお弟子さん

でも 『お腹がすいた~』と言われれば 『ちょっと待ってて、何か作るから』 と

答え、あるもので何か作って食べさせていたという香葉子さん。


ご馳走って、心に残る料理って、イコール豪華なもの・・・ というわけじゃない

だよという、ものすごくシンプルで、かつ重要なことを、ご自身の生き方でさらり

と表していらっしゃって、インタビューの最中、涙がこみ上げてきました。



仕事で遅くなったからといって、疲れたからといって、お店のお惣菜で済ませ

ることもある自分が何だか恥ずかしい。 だって、あと少し頑張れば、炒め物

のひとつくらい作れたはずだもの。



20年後、30年後・・・、夫に 『好きな食べ物はなに?』 って聞いた時、私が

作ったお料理をたったひと品でいいから本心から挙げてもらえるよう、 『どこ

に行きたい?』って聞いた時、 『ふたりで行くならどこでもいいよ』 って本心

で言ってもらえるよう、もっともっと”日常”を大切にしなきゃ・・・ って思いまし

た。