マイナンバーカードの保険証利用についてのニュースが増えています。2024年秋までに紙の保険証を廃止して、マイナンバーカードと保険証を一体化する、という制度。
将来的に紙の保険証を廃止するとしても、総合的に考えて、来秋までに廃止、というのは無理やりすぎます。代わりに発行するという資格確認書についても、当初ほ本人の申請に基づいて発行し、1年程度の期限、ということだったのに、申請を待たずに発行して期限の上限は5年に伸ばすことにしたそうです。…って、紙の保険証となにが違うの。
↓参考
関連するニュースを見ていると、どうやら、保険証一体化は6月に法改正したばかりで、これを延期するとなるとまた法改正しなければならない、というところがネックになっているみたい。そもそも6月の法改正が性急すぎたのだろうから、間違いを認めてさっさと修正すればいいのに。
↓参考
資格確認書での対応なら、法改正が必要ないから、そこで対応しようとして、結果的にすごくわかりにくいものになってしまったってことなんですかね。
なにかに似ている…。
そう、夫婦別姓制度。普通に、法律で別姓を認めればシンプルで分かり易いのに、わざわざ旧姓併記の制度があって、手続きもものによって違うだろうから、わかりにくいし、不便すぎます
↓参考。旧姓が使用できるもの(内閣府のサイト)
私自身が、複数の病院や薬局で保険証を利用しているので実感としてわかるのですが、マイナ保険証が普及しているとは到底思えません。利用者も、病院や薬局も、利便性を感じていないってことじゃないでしょうか。
マイナ保険証を持っている人が少ないわけではないようです。薬局で声かけしているところもあって、私自身もマイナ保険証で確認をしたことがあります。スタッフが声かけすると、けっこう、持っている方がいるんですよね。でも、言われなければ使わない。
紙の保険証は更新されると薬局でも確認されます(処方箋でわかるみたいです)。私の保険証も先日更新されて新しい紙の保険証が送られてきました。その後、以前マイナ保険証で確認した薬局に行ったら、新しい保険証の確認を求められて、とっさに新しい紙の保険証を出してしまったのですが、マイナ保険証についても詳しく聞いてみればよかったです。マイナ保険証だと更新時の確認がいらなくなるのかなと思っていたのだけど。
通っている病院や薬局でマイナ保険証を出したのは2箇所くらい。どちらもスタッフからの声かけがあったからです。何も言われなければ紙の保険証を出します。患者側からしたら、その方がスムーズだから。スタッフの手間はどちらが楽なのか、わかりません。
薬局での保険証の確認は更新時だけですが、病院では毎月1回、確認されます。マイナ保険証にしたらこの毎月1回の確認、なくなるのかなと思うのですが、特に案内もされないし、病院側でもまだシステムに慣れてないのと、それほど利便性を感じていないような印象。
マイナカードの確認用の端末がある病院や薬局が増えてますが、実際に確認しているところをほとんど見たことがないです。医療機関にもよるかもしれません。積極的に利用を進めているところと、そうでないところがあるのかも。
例えば、病院でもらった処方箋が、登録済みの行きつけの薬局に自動(または手動でもいいですが)で送られて、病院の会計などが終わって薬局に行ったときにはもうお薬ができている、なんてことが実現すれば、かなり便利です。薬局によってはスマホから画像を送ったり病院からFAXで処方箋を送っておくとお薬を作っておいてくれるサービスもありますが、誤送信や個人情報の心配もあり、使い勝手が微妙なので、私は利用したことがないです。
健康保険で受診した医療機関や薬局での検査や処方の詳細な情報がすでにマイナンバーで登録されているのだから、それを利用者が便利に使えるようにすれば、自然と、マイナ保険証に切り替える方も増えるはずです。
病院で受けた検査結果を別の病院で共有できるようにもして欲しい。毎回、血液検査の結果を紙で持っていく必要もなくなるし、レントゲンなどの画像データもクラウド(マイナポータル?)で共有できれば、印刷したものや光学ディスクに保存したものを提出する必要もなくて便利だと思います。
あと、お会計もネット決済できれば、会計で長時間待つ必要もなくなりそう。病院によっては会計で待ち時間がほとんどないところもあるから、これは(病院ごとの)システムの問題もあるかもしれません。
そういう、「便利」を積み重ねて、みんなが使いたい、と思うようになれば自然にマイナンバーカードを所持する人も増えると思うんですけど、ポイントばらまいたり、強制的に制度を切り替えたり、システムの不備が多かったり、不安や反発を招くようなことばかりやっているから、うまく進まないのではないでしょうか。
マイナンバー制度自体には賛成ですが、その進め方や、利用の仕方は、いまのままではダメなところが多すぎます。もう少し落ち着いて、みんなが使いやすくて暮らしが楽になるような制度を作ってもらいたいものです。
↓メリットも、デメリットもあります。
↓厚労省の公式サイト
↓デジタル庁のサイト。マイナンバー制度とマイナンバーカードはリンクしてますが、別モノです。
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※写真は縮小しています。