勤労の義務 日本国憲法27条(5/30)
第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
憲法を大切にしようと思っている人も普段の生活やテレビなどのコメントを見ていると、27条を知っているのかな?と思うことが多い。たとえば「ニート」という言葉が普通に使われたりしている。
ニートという用語はもともとは英語で16才から18才の青年を指すけれど、日本では内閣府が15才から34才で「勉強も勤労もしていない人」と定義している。つまり、日本国憲法に違反して勤労の義務を果たしていない人だから、「恥ずかしいこと」なのに、何となく「なんでニートが悪いのか?」という感じも漂っている。
でも、ニートを認めても良いという日本社会の風潮は、政府や識者側にの責任がある。勤労の権利を行使できるぐらい勤め先が充分にあるか、日本人はどのように生活するべきなのかなど基本的な問題が未解決だからで、まずは「偉い人」の方でみんなが27条を守れるようにしなければならないだろう。
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ここで、なぜ憲法で「勤労の義務」を定めているか、簡単に解説する。日本が国として成立するためには「誰かが働かなければならない」。一つの方法として「貴族と平民」という2つの階級を作って「貴族は働かず、平民は働く」と決めることもできる。
でも、今の日本は天皇陛下以外はすべての国民に階級制はない。だから、「平等」ということを現実的に達成するためには「働ける人は全員が働き、一部の人だけに働かせない」という思想なのだ。私にはもっともなように思う。
「身体満足で、教育が終わった人は全員働く」ということを、ここで私たちはもう一度、理解し、まずはそれに沿った言動をすることが大切と思う。そうすれば行き先がわからなくなっている、生活保護、ニート、就職難、リストラ、年金、エコポイント、太陽光発電など多くの問題が解決に向かって進むだろう。
(平成24年5月30日)
--------ここから音声内容--------
憲法の27条ですね、日本国憲法ですから私たちが守る、日本国憲法にこう書いてありますね。『全ての国民は勤労の権利を有し義務を負う』とこう書いてありますね。えー勤労する権利がある、そして義務もあると、こういう事ですね。そして日本国憲法を大切にしようと思ってる人は随分多いんですけども、私がまあ普段の生活の会話とかテレビのコメントなんか見てますとですね、「いや、本当にこの27条、知ってるのかな?」と思う事、多いんですね。
例えば『ニート』という言葉を普通に使われたりしてます。えー、ニートっていうのは元々英語ですからね、勿論。えっとイギリスで使われてるという意味ではですね、16才~18才ぐらいのブラブラしてる若い人を指すんですよね。大体年齢も16才~18才、つまりまあ日本で言えば高校生ですね。これはニートなんですけども、日本ではちょっと違って、まあ「中学を卒業して、就職できる状態になった後34才まで」、まあ私で言う『脳死』寸前っていうかですね、それまで「勉強も勤労もしてない人」と定義してる訳です。
えーつまり日本国憲法に違反して、勤労の義務を果たしてない人ですね、ニートは。だから恥ずかしい事ですね、これは憲法守ってない訳ですから。だけど何となくこの日本社会には「何でニートが悪いんだ」と。「別に本人が働きたくなきゃ働かなくて良いじゃないか」てな事を言ったりもする人がいるんですよ。私はそれ聞くと凄く違和感あるんですよね。「え?そんな事あるの?」いや、働いても働かなくても良いなんて事無いんですよ、この世の中では。えー、日本に住んでる限りは日本国憲法は一応守らなきゃいけないんですよ。まあ、人間ですからね、多少の事は良いけど、大っぴらに言って貰っちゃ困るんですよ、ええ。
まあところがですね、ニートを認めても良いという現在の日本の風潮はですね、やっぱり僕は政府や識者側にも(責任が)ありますね。つまり例えば勤労の権利を行使するぐらい勤め先が十分にある訳では無いし、それから日本人がどういう風に生きるのかっていう事についても殆ど偉い人は触れないんですよ。やっぱり社会を指導する人がですね、ちゃんとそういう信念を持って、話をしないといけない訳ですよね。
テレビに出る人なんかはですね…とか新聞にコメントを書くような人はですね、やっぱりちゃんとやらなきゃいけないんですね。もしも憲法27条に自分は反対だと言うなら、その旨をちゃんと言わなきゃいけないんですね。闇でやっちゃいけません。
で、まあ最後にここで何故憲法が勤労の義務を定めてるかっていう事をちょっと簡単に話をしようと思うんですが、日本っていう国が成立していく為にはですね、やっぱり誰かが働かなきゃいけないですね。これ様式は色々あって、貴族と平民と分けて、まあ貴族は働かない、平民だけ働く。まあこれずっと昔からあった訳なんです。そういう事はしない訳です。日本では天皇陛下だけですね、象徴としての立場におられて、後はみんな同じっていう事ですね。天皇陛下、随分働かれてますから。あのー、えー勿論、働かれてるんですけども天皇陛下は、まあ別格なんですね。えー他の人は働く、と。これが憲法で決まってる事なんですね。
ですから我々は全部平等なんですよ。平等であるって事はどういう事かって言いますと、働ける人は全員が働くという事なんです。一部の人だけにそれを被せないって事なんですね、ええ。それが非常に重要な事だという事ですね。身体満足であって教育が終わった人は全員働く、というのがですね、これが基本ですね。我々の約束ですよ、お互いの約束ですね。まあ皆で働こうや、と。まあそれが働き方がどうだとか、そういう事が色々あるにしても、とにかく皆で働こう、と。皆でこの日本を良くして行こう、と。これがですね、我々の約束なんですね。
だからその点ではですね、ちょっと問題なんですね。つまり例えばですね、今色々混乱してる事ありますね。例えば生活保護。生活保護の問題なんかも凄く、今あの、燃え上がっておりますけど、私に言わせればですね、先ずは身体満足な人は幾ら貰うとか、19万貰うとか、16万貰うとか、そういう事じゃないんですよ。まず「身体満足で教育が終わった人は全員働くという事は良いですか」と。「良いんだったらこうしてくださいね」とこういう事なんですね。
次にニートもですね、「ニートはいけない事なんですよ」と。「何故いけないかって言うとあなただけが働いてないっていう状態はいけないんですよ」と。「日本人はそういう約束ではないんですよ」という事を言わなきゃいけないんですね。
就職難は今度、企業側ですけども、「ちゃんと若者を採ってくださいね」と。「中国とかタイなんかに工場造るなら、先ず日本に造ってくださいね」と。「日本人の若者の就職先を確保するのは企業の方々の責任ですよ」と。これを言わなきゃいけないですね。
リストラもそうですね。「簡単にリストラしちゃいけないんですよ」と。「その人が働ける環境は作ってあげなきゃいけないんですよ」と。まあ、こういう事ですね。最近まあ、企業ではもう『リストラは自分の権利だ』なんて思ってる人いますが、それは日本国憲法違反なんですね。勿論、働く方も一生懸命働かなきゃいけませんが、リストラする方もリストラを自由にできるっていう訳でも無いんですよ。
それから年金問題ですね。これは私、昔から言ってますように、働ける老人は働かなきゃいけないんですよ。65才になったから、働かなくて良いっていう事は無いんです。やっぱりこれ年金貰って良いって事でも無いんですよ。やっぱり皆で働き、皆で支えあうと。だけども身体が不満足になれば仕方無いって事ですね。
ですから元々60才とか65才とかいうのはおかしいんですよ。えー、「全員が死ぬまで働くんだけど、それは働けなくなったら生活保護を受けざるを得ませんね」と。「その1つの形が年金です」と。こうならなきゃいけないんですね。
私が反対してるエコポイント、そうなんですよ。エコポイントっていうのは他人が働いたお金貰うんですからね。勿論、その人が身体壮健でなければ(貰っても)良いんですよ。だけども身体満足で働いてる人がエコポイント貰ったりしたらいけないんですよ。太陽光発電の補助金もそうなんですよ。
だから今ですね、政府の方も何かこう、憲法の思想って言いますかね、皆で一生懸命働くんだという事を踏み外して…例えば政策、「太陽光発電を盛んにするためには働いてる人のお金をどんどん使って良い」っていう立場で、これで崩れちゃうんですよね。やっぱりあの、ある程度の政治的な裁量とかありますよ。だけどもそこにはですね、必ず、例えば会議の時に「これは憲法27条に・・・・・大丈夫ですかね?」と。「こんな方法で良いんですか?」と。えー、「片方は働く人だけ、片方は貰う人だけで良いんですか」、という事をですね、もう1回、問いかけなきゃいけないんじゃないかと思いますね。
今は私、これ、教育、私携わってるんですが、学校でもそうなんですよ。「皆さんは働かなくてはいけませんよ」なんて言うとですね、「お前何言うんだ」って言われちゃう事あるんですね。いや、「あなた、私(は)日本国憲法通り言ってるんですけど」・・・・・ええ、平和を守る憲法9条、基本的人権を規定している所、学問の自由、報道の自由、そしてこういった勤労の義務。こういったものはですね、私たち相互の約束なんですよ。
憲法っていうのは誰か偉い人が決めて、皆がそれに従うっていうんじゃないんですね。日本人全員がこれで行こうと決めた事なんですね。ですからやっぱり年金なんかも、それから太陽光発電の補助金なんかも十分に考えなきゃいけないんですよ。そして我々が本当にですね、約束した通りの明るい、皆が喜ぶ日本の方に向かってるのか。それとも今のように何か特定の人が一生懸命働いて、その他の人は今度、貰う事ばっかり考えてる。
私がよく言う『東京のピンハネ構造』ですね。東京は農業の1%しか無い。工業も殆ど無い。物も作らず、食べ物も作らず、ただピンハネだけしてる、と。こういう東京がですね、一生懸命農業やったり、一生懸命工業やったりした人たちを馬鹿にしたり、3K職場とか言ったりしてですね、それで給料は他の県の平均の2倍取るっていうね。これはやっぱり私は憲法27条に、ちょっと怪しいな、抵触するんじゃないかなと思ったりもするんですね。
まあ働き方、色々ありますから、色々議論はありますけども、私たちはこの基本問題にもう1回帰って、初心に戻るっていう事が必要じゃないかと私は思っています。
(文字起こし by まあ)