瓦礫と農業・・・静岡のお茶に学ぶ (3/28)
私の価値観のベスト3は、「日本の子供、日本の土地、日本のコメ」です。コメというのは農作物・サカナなどのことですが、この3つを守らないで何を言っても意味が無いと私は思います。
・・・・・・・・・
福島原発事故の直後、人間にはまったく問題にならないぐらいの放射性物質しか流れていかなかった静岡でお茶がまったく出荷できなくなりました。まだはっきりした原因はわかっていませんが、時期や濃度から、おそらくお茶の葉にセシウムが選択的に付着したのでしょう。
わかりやすく言えば、「生物濃縮」です。まさかということが起こったのですから、静岡の農業の人はびっくりし、哀しみ、そして対策に追われました。
私がもっとも可哀想だと思ったのは、1年ぐらい前、静岡に行ったら地元の人がお茶を出さないのです。「セシウムの入ったお茶を出すと失礼だ」というのです。地元にとってなにが一番、自慢かというとその地元の名産です。そのお茶をお客さんに出せないというのですから、経済を通り越して哀しいことと思いました。
この静岡のお茶の教訓は「人間が大丈夫なレベルでも、農作物はダメになることがある」ということです。その後、牛肉、牛乳、キノコなどで「人間が住んでいるところから、高濃度に汚染された農作物がでる」というのを何回も経験したのです。
・・・・・・・・・
今、政府は「8000ベクレル(灰)なら人間が大丈夫だから、瓦礫を出してもよい」ということを言っていますが、農作物はどうなのか、どの農作物は汚染される危険性があるのか?についてまったく触れていません。
食糧自給率1%の東京が考えたことらしく、日本の農業、日本のコメが目に入っていないものと思います。その点で、政府は「農作物ごとの生物濃縮係数を発表し、そのもっとも低いものに合わせた基準を明らかにしてから」、瓦礫の搬出を行うべきです。
いつも同じことですが、政府が国民を家族の一人として本当の愛情をもって何かをしたことはここ数年、ほとんどないように思います。本当に血の通った政治を期待します。
(平成24年3月28日)
--------ここから音声内容--------
えー、瓦礫の搬出で、まぁ政府が必死になってるわけですが。えー、ここで静岡のお茶に学ぶということで、少し人間以外のことも考えてみたいと思います。私のあの価値観のベスト3はですね、「1.日本の子供、2.日本の土地、3.日本のコメ」なんですね。ですから、ま、子供に被曝させる、日本の土地をダメにする、もしくはコメがですね…汚染されたコメが出回るというのは、とうてい私はですね、ま、我慢ができないつったらなんなんですけども、酷いなぁとこう思うわけですね。お米なんかも神棚に飾りますからね、やはり大切なものの一つだと私は思っとります。
ところで、えー、福島の事故の直後ですね、人間にとってはまったく問題にならないほど低い放射性物質が静岡に流れました。えー、おそらく伊豆半島経由かもしれません。まだハッキリとした原因が判らないんですけども、実にですね、お茶が出荷できなくなったんですね。相当な濃度、汚れました、これにはですね、規定上の問題もあるんです。農作物の汚染の規定上の問題もあって、静岡の人、色々言い分があるんですけども、ま、いずれにしてもお茶が汚れた。もちろんそれを予想していれば、静岡はその対策をとったでしょうから、予想してなかった、ということを言ってるわけですね。
で、まぁお茶の葉っぱに生物的な濃縮、ま、濃縮と言うかですね、付着というか、そういったものが起こったんですね。静岡の農業の人はほんとにビックリして、哀しんで、半年ぐらいその対策に追われたわけですね。もう今、完全に回復してんのかそれとも・・・まぁ完全には回復してないのか分かりませんけどね。
私がこの事でもっとも可哀想だと思ったのはですね、あの…静岡に私一年前ぐらいに行ったときにですね、地元の人がお茶を出さないんですよ。ま、「セシウムの入ったお茶を出すと失礼です」とこういうわけですね。ま、これにはちょっとね、ガクッときました。ていうのは、地元の人にとって何が大切か、自慢かっていうと、それは地元の名産ですよね。それを静岡の人がね、出せないわけですから。
これはもう経済を通り越して、私が言う「日本のコメ」ですね、それを失ったわけですね。ほんとに可哀想でした。しかしこれは、放射線が流れてきたんだからしょうがなくて、東電の責任ですね。ま、法律でかわしましたけど、法律改正っちゅうか規則改正ですね。だけど、やっぱりこれは東電の責任ですね。
つまりこのことはですね、「人間が大丈夫でも、農作物はダメになる」っていうことを初めて証明したわけですね。その後、牛肉が出(てきて)、牛肉ももちろんあれですよ、人が住んでるところから出てるわけですから。牛乳が出(て)、キノコが出て。まぁチェルノブイリの甲状腺ガンも子供の甲状腺ガンもやや似たとこがあるんですね。「人間が住むのは良いんだけど、そっから高濃度に汚染された農作物が出る」。もしくはチェルノブイリの場合、それを食べた子供たちが甲状腺ガンになるというのをですね、我々は何回も経験してきてるんですよ。
ところが今政府が言ってる、ま、8000ベクレルは灰ですけども、「8000ベクレルなら人間が大丈夫だ、瓦礫を出してそれを燃やしてもいい」とこう言ってますけども、農作物はどうなのかと、農作物が汚染される危険性は無いのか?ってことに対して、政府はまったく触れておりません。ま、これはですね、おそらくその、食料自給率が1%の東京が考えたこととしては、ま、適切というかですね、分かんないんでしょうね。
農業というもの、毎日畑から農業(農作物)を採り、それが人間の口に入る。そこに放射性物質が濃縮されたら、やっぱりダメなんですね。だから、それをちゃんと言うってことも非常に大切だと思います。ま、このことはですね、政府はおそらく「大丈夫なのに、何文句言ってんだ!?」というようなことで、まぁそういうことを言ってる識者もいるんですけどね。
だけどその、「瓦礫を引き受けないことは、とんでもないことだ!」と言っている、ま、東京都知事。ま、東京都は良いんですかね、作物が無いからいいのかな?ま、人間だけしか住んでませんから、だけどまぁ人間にもちょっと害がありますけどね。えー、まぁ農業するとこにそれを押し付けるっていうのはですね、ちょっと問題ですね。
あの私、この前、陸前高田市のね、瓦礫のことを言いましたけども。やっぱりキログラム100ベクレルぐらい平均、汚れてるんですよ、陸前高田であっても。このね、1キロ100ベクレルを農作物の方に移ったらですね、ダメになる農作物って結構多いんですよ、これ風評被害じゃないんですよ。要するに、本当に法律に違反するレベルまで行っちゃうっていうことですからね。法律に違反してる食料を風評被害って言ったら、何のために法律できてるか分かりませんからね。ま、風評被害の話はもう十分に多くの人が知ってるわけですが。ま、これは慎重にやってもらわなきゃいけない。えー、人間が大丈夫だからといって、農作物に・・・(ここで音声が切れています)
(文字起こし by danielle)