日本の子供は大変(2)・・・地理を考えて大人は行動しよう  | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

日本の子供は大変(2)・・・地理を考えて大人は行動しよう (3/26)




私は時々お母さんたちに言うことがあります。それは、「そんなにもったいないとか、節電とかを子供に教えたり、社会によびかけたりすると、お子さんかお孫さんの時代には、日本はダメになってしまいます。人生や家庭は争いがないので、節約は大切なことですが、競争社会で節約したら滅びてしまいます.人生は節約しないと幸福には慣れないのですが、社会はドンドン行かないと負けてしまうからです。」

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日本の子供は大変だ。かつて命を捨てて日本を守ってくれた大人はいなくなり、我が身の保身と「良い子になりたい」ということで、子供の将来を危うくしている。



19世紀に吹き荒れたヨーロッパ・アメリカの「有色人種圧迫」で、アジア、アフリカ、南アメリカ、オーストラリアに住んでいた有色人種のうち、実質的には日本だけが独立していた(エチオピアは風土病で、シャム(タイ)は緩衝地帯として、中国は形式だけ国だった)。



良く日本が有色人種でただ一つ、独立したものだ。これは日本人が優れていたこと、明治天皇のもとで一丸になれたこと、教育に力を入れて当時の世界一だった英国を文盲率の少なさで上回ったこと、殖産興業政策が成功したこと、明治政府や明治の人たちが立派だったこと、軍国教育が成功したこと、そして私たちのおじいさんが戦場で死んでくれたことだった。



異論があるだろう。「軍国教育が成功した」?!・・・なんということを言うのか!というお叱りが聞こえるが、もし軍国教育をしなかったら、日本はヨーロッパかアメリカの植民地となり、現在の繁栄はほど遠い。どんなに人格が立派でも「力」の前には奴隷となる。

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世界地図をみると日本に一つの宿命があることがわかる。かつて汽車や船が発達していなかった頃、ロシアは陸地が大きくシベリアをへだてた太平洋は遠すぎたし、アメリカも太平洋を自由に行き来ができなかったので、日本にとっての強敵は中国だけだった。でも、20世紀に入り、「海は無いも同じ」というイギリスの宣言通り、日本は世界でも唯一、「アメリカ、ロシア、中国」という3大強国に囲まれた国となった。



その結果、日清戦争(対中国)、日露戦争(対ロシア)、そして太平洋戦争(対アメリカ)と3大強国と戦ってきた。2勝1敗であった。しかし、そこで私たちのおじいさんが身を挺して死んでくれたので、こうして私たちは有色人種の中で唯一、白人に抗して豊かな生活を送っている。



イギリスに長く支配されたインドは、優れた人が出るとイギリス軍がやってきて両手首を切り落とした。同じくイギリスに占領されたオーストラリアではアボリジニが「ゲーム」で崖から突き落とされ死んだ。支配というのはそういうものだった。

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今、日本の大人は油断している。まだ1万年ある石油や石炭を節約したり、電力会社に気前よくお金をあげて節電したり、ゴミを減らそうとしたり、世界で唯一CO2を削減して「排出権」なるものにダマされて毎年1兆円近いお金を貢いでいる。



それだけではない。若い人に「将来の日本はダメだ。過去の日本も恥ずかしい」と言い続けて気力を奪っている。



3大強国に囲まれた日本は政治でも、ビジネスでも、技術でも、魂でも、絶対に大国に負けてはいけない。ひとたび負ければ日本の周辺の島国は隣国に占領され、海上輸送は制限され、少しずつ真綿で首を締め上げられるごとくにいじめられて没落する。すでに原発が事故を起こし、千島列島と竹島などに影響が出ている.



国際関係とはそういうものである。今の大人はお金、補助金、赤字国債、子供の被曝、核廃棄物の付けなどをすべて子供にかぶせ、大学では教授の出世のために学生が働かせられている。このまま行くと、日本の将来は危険である。



東北大震災と福島原発を契機に、「子供や孫のために強い日本」を目指す社会に変えよう! そのためには質実剛健で誠実で正直な指導者を選んでいかなければならないし、東京が創り出した「空気的事実」をすべて捨て去り、地方が感じている「科学的事実」にもとづいて社会をやり直す必要があると私は思う.



「これからの日本」を少し考えたいと思う.福島2号機の水位が報道されていますが、これは予想されたとおりで別に今のところなにも驚くことはなく、危険も無いと思います.

(平成24年3月26日)



--------ここから音声内容--------



ええと、日本の子供は大変だということを、ま、先回書きました。ま、先回は直接的なもんですね。ま、1年20ミリに代表される、もしくは今度ですと、廃棄物はやらないけど、原発の電気は欲しいっていう、ま、こういう論調ですね。




もう一つはですね、ま、お母さんに言うのは可哀想なんですが、「もったいない」とかですね、「節電しなさい」っていうようなことを子供に教えてるわけですが。で、社会に呼び掛けたりしてますね。えー、ご婦人の議員の方なんかも中心に言ってますし、男性もそれに乗っかっとりますが。





しかし、ほんとにそれで良いのかな? それではお子さんとかお孫さんの時代にダメになっちゃうんじゃないかな?と思うわけですね。家庭っていうのは争いがありませんから、節約は大切ですが。ま、競争社会で節約しますと、その国は滅びてしまうわけですね。ま、人生っていうのは節約しないと幸福になれない、とまぁ私が「愛用品の5原則」なんかで書いてるわけですが。えー、社会はどんどん行かないと負けてしまうわけですね。





えー、まぁ日本の子供は大変です。えー、大人は「良い子になりたい」、もしくは「お金が欲しい」ということで、子供のことを考えていません。えー今から、まぁ150年ぐらい前、明治維新があったわけですが、その当時、ヨーロッパ・アメリカの白人はですね、「有色人種を圧迫」しました。




アジア、アフリカ、南アメリカ、オーストラリアに住んでいた有色人種のうちですね、人間として取り扱われたのは日本だけであります。えー、エチオピアとかタイとか中国、若干のその、カッコがつきますが、いずれにしてもまともな大人として遇(ぐう)されたわけじゃないんですね。日本が唯一、有色人種で独立したわけです。





私がその理由を考えますとね、一つは国が一つだった、明治天皇の下で一つだった。教育に力を入れましてですね、当時の世界一だった英国をも文盲率で抜くということになりました。えー、殖産興業政策が成功しまして、どんどん工業を盛んにしていきます。これは工業、…私の言う工業は…えー、工業ってのは何て言いますかね、物を作る方であります。





それから、明治政府や明治の人たちが非常に立派であったってことです。で、軍国教育が成功した。それからおじいちゃんたちがその軍国教育の中で、戦場で死んでいってくれた、とまぁこういうことですね。ま、ただ、「軍国教育が成功した」なんて言うとですね、「もう、なんちゅうこと言うのか!」と言われるのはもう目に見えておりますが。しかし、もし日本が軍国教育をしなかったらですね、日本は必ずヨーロッパかアメリカの植民地になっていて、現在の繁栄はほど遠いでしょうね。えー、どんなに人格が立派でも、「力」がなければ奴隷になります。





えー、世界地図を見ると、日本に一つの宿命があることが判ります。えー、かつて汽車とか船があまり無かった頃は、ロシアはシベリアに阻まれて太平洋には遠いし、アメリカも太平洋を自由に行き来しませんから、ま、中国くらいが相手だったんですが。ま、20世紀に入って、ま、イギリスが言うように「海は無いと同じ」と、「陸も無いと同じ」とこうなりまして…シベリア鉄道できましてね。結局日本は、アメリカとロシア、中国という3大強国に囲まれた、ま、世界で唯一の国と言っても良いぐらいなんですね。





その結果、当然のことながら日清戦争・日露戦争・太平洋戦争と、この3大強国と戦ってきて、まぁ成績が2勝1敗であります。しかし、そこで負けたりなんかしましたけども、おじいさんが身を挺して死んでくれたので、我々はこうして有色人種の中で唯一、白人に対抗する力を持ってると、ま、いうことですね。




ま、インド、ほんと可哀想で、イギリス軍に長く支配されて酷い目に遭いました。アボリジニも崖から突き落とされて死ぬ「ゲーム」をされた、と。えー、まぁ支配というのはそういうもんであります、残酷なもんであります。




今の大人は、そういう点で、ま、油断しておりますね。えー、石油・石炭を日本は節約して他の国にあげてます。ほんとにそれで良いのか?っていう感じがしますね。それから電気会社に気前よくお金をあげて、更に節電をしたり。ゴミを減らそうとしてとか、CO2を減らそうとして、官僚だとか他の国にお金を貢いでるっていう状態ですね。




これだけだったら、まだお金ですからまだいいんですが、若い人にですね、「日本の将来ダメだ」、「過去の日本も恥ずかしい」というふうに言い続けてですね、ま、気力を奪っているわけであります。この一つに南京事件があり、ま、色々な環境問題のウソがあるわけですね。




えー、3大強国に囲まれた日本は、ま、政治でも、ビジネスでも、技術でも、その魂でも、絶対大国に負けることはできないんですね。ひとたび負ければ日本の周辺の島国は、おそらく隣の国に占領されて、海上輸送は世界の15%日本が担っておりますがそれも制限され、少しずつ真綿で首を締め上げられるごとく没落します。





えー、今、中東からの石油は、シンガポールのマラッカ海峡を通り、中国沖を通って来てますけども、おそらく中国が力を得れば、それは大きくですね、フィリピンから太平洋に一回出なきゃいけないということになるでしょう。そのようにですね、えー、力というのはそういうものであります。もちろん、千島列島は絶対返ってこない、もう千島列島は全部日本のもんなんですけどね、簡単に言えば。えー、竹島も取られるということになるでしょう。





えー大人がですね、お金だとか補助金だとか、なんかやってるといけないし、大学でも私、ほんとにいろんなものを見てきましたが、教授の出世のために学生が働かされるっていうことはいくらでもありました。えー、私たちは東北大震災と福島原発を契機にですね、「子孫や孫のために強い日本を作りたい、そうしなきゃいけないだろう!」と思いますね。





質実剛健で誠実で正直な指導者を選んでいかなきゃいけない。えー、今はウソをつく指導者が公然といるという状態ですから。毎回毎回、「今度はウソつきません、今度はウソつきません!」って言ってますけど、もうこれだけウソつきましたからね。この際、ま、どうしたら良いかっていうの分からないぐらいですけどね。





それから、東京が今支配しておりまして、この「空気的事実」、ま、空気を作って、ま、科学的事実には基づかないっていう点では、地方の、足が地に付いた「科学的事実」、ま、事実というものに基づかなきゃいけない。これから少し私も、これからの日本というのを考えて、このブログも書いていきたいと思います。





えー、ちょっと2号機についてはですね、まぁ当然の事が行われているだけなので、それはまた別途書きますが、あまりご心配ならなくていいんじゃないかと思います。


(文字起こし by danielle)