おかしいな?・・・お金と縁の切れた社会を大学から作ろう! (3/25)
福井の原発を審査する福井県原子力安全委員会の専門委員の先生が、関西電力が支配している団体からお金をもらっていることが判った(朝日新聞)。
西本大阪大学教授360万円、三島原子力安全システム(元京大教授)300万円、山本名古屋大学教授100万円、泉福井大学教授30万円。また重工などから飯井福井大学教授700万円である。このうち、半分が委員就任後に全額をもらっている。
これにはビックリした。関西電力の原子力の安全を審査する現役の専門委員が関西電力からお金をもらっているというのは、ありえない。普通、審査に当たるときには「利害関係なし」ということを宣言する。もちろんお金などもらっていて審査ができるはずもない。賄賂になってしまう。
今回、お金をもらっていた先生方は一斉に「研究費としてもらっているのだから、審査に影響を与えない」と言っておられるが、そんなことは常識の範囲外だ。これほど常識のない先生が原子力発電所の難しい安全審査などできるはずもない。
安全審査は単純な技術だけの問題では無い。人の動き、管理のしかたなど多岐にわたるので、常識のない人が審査をできるはずもないのだ。二つのことを至急、しなければならない。
・・・・・・・・・早速、改善・・・・・・・・・
一つは、この際、原発関係で電力、あるいは原発関連の会社から研究費、出張費などを受け取っていた国や県の委員は、「自分からその内容を率先して公開」するべきである。朝日新聞が調べたから判ったというのでは学者としての良心が許さないだろう。そして2005年以後ぐらいからお金をもらっていた先生は一斉に審査を引くべきだ。そうしないと国民の理解を得られるわけもない。
二つ目は、贈賄側、つまり電力、重工側が原子力の審査などに関わる先生などに出したお金の一覧を公開するべきである。特に電力は公共的事業だから、お金の出入りはオープンにするべきである。
長年にわたるつきあいだけでも癒着の原因になるのに、審査期間中にお金をもらいながら審査をして、「研究活動のお金は審査に影響しない」と言う先生はそれ自体がウソである。
つまり、私たちは「審査対象者や関係者からお金をもらったら審査に当たらない」ということをズッとしてきたし、それは大学教授の常識である。この際、お金をもらった先生とそれを管理している大学、それにお金を私が電力は企業は自らネットなどで公表し、金品やなにかの便宜をはかってもらった学者は直ちに職を辞するべきだ。
こんなことが日本で白昼堂々と許されてはいけない。そして電力からのお金は私たちの電気代なのだ。
私はあまりに安全審査がいい加減なので、「原子力関係の立地、設計などに関わることで、不純な噂のある案件は安全審査に入らないという規則が必要」と発言し、原子力安全委員会の部会で顰蹙を買ったことがある。「そんなこと言いなさんな」ということだ。国民の電気代を関係者で分け合っているのことぐらい判るだろうという意味だ。
だから日本の電気代はアメリカの2倍になる。それでも国民は素直に節電をしようとか、高い電気代を払っても良いという。ここまで来ると国民の方にも責任があるようにも感じられる。
日本の大学に企業のお金が入るようになって久しい。それはすっかり学問と教育をダメにしてしまった。でもそれだけではなかった。お金をもらった先生が原発の審査をして、無意識のうちに手心を加え、それが原発事故に繋がった。そして今でも福井原発の安全審査に関西電力のお金をもらっている先生方が審査に当たっていると思うと、早速、爆発に備えて準備をする必要がある。
日本の学者の皆さん! 人間がそれほど強いものではないことも学問的に判っておられるはずです。私たちはある時には社会を教育する立場であるという原点に返り、お金と全く切り離した大学生活を送ろうではないか!
(平成24年3月25日)
--------ここから音声内容--------
えー、福井の原発の再開問題を議論してるときに、今日はほんとにビックリしましたね。福井の原発の安全審査をしている、福井県の原子力安全委員会の専門委員の先生が、こともあろうに関西電力から・・・の関係団体ですね、…から金を貰っていたんですよね。えー、西本(大阪大学)教授が360万円、三島原子力安全システム…まぁ元の京都大学の教授ですが300万円、山本(名古屋大学)教授が100万円、えー、あとちょっと個人的に知りませんが泉(福井大学)教授30万円、飯井(福井大学)教授700万円ていう感じですね。しかも、そのうち半分ぐらいがですね、委員就任後に全額を貰ってんですよ。だから委員に就任したから頂きます、っていうようなもんですね。ビックリしました。
個別の先生にいろんなご事情があるのかもしれませんが、関西電力の原子力の安全審査をする現役の専門委員がですね、関西電力からお金を貰ってるのあり得ないんですよ。というのはですね、普通、審査に当たるときには「利害関係無し」ってことを何かの形で宣言します。もちろん“利害関係無し”ですからね、お金を貰ってるって・・・審査できるはずないんですよ、賄賂になってしまいますからね。
ええと、今回ですね、ええとお金を貰ってた先生方、えー、「研究費として貰ってんだから、審査に影響与えない」と言っておられますが、それはもう全然常識外ですよ。そんなだったら、もう賄賂って成立しませんよ、ええ。「別に賄賂貰ったけど、それは別に関係ないんだ。お金貰ったけど関係ないんだ」なんて言ったってですね、そんなの社会でどこでも通用しないですね。
こんなことを言う先生がですね、安全審査の難しい原子力発電所のことなんかできませんね。良く知ってるように安全審査ったら、単純な技術だけの問題じゃありません。人の動き、管理の仕方など、人間に関することも多岐に渡るんですよ。常識の無い人がですね、審査できるはずがないですね。
えー、前向きにですね、二つのことをすぐしなきゃいけないと思います。一つはですね、この際、原発関係で電力、あるいは原発関係の会社から研究費・出張費などを受け取っていた国とか県の委員はですね、自分から率先して公開するべきですよ。朝日新聞が調べたから判ったっちゅうんじゃあね、恥ずかしいですね。学者の良心が許しません。
大体目安は2000年か2005年ぐらいでしょうね、それから以降、ま、直近5年以内にっていうのが通常はこういうときの常識ですから2005年でしょうかね。お金を貰っていた先生は、えー、一斉に審査から手を引くべきですよ。そうしなきゃですね、いくら安全審査したってですね、国民の利益得られるわけじゃありません。
それから次は贈賄側ですね、お金を渡した方。これは電力とか重工ですが、これはですね、この人たちが原子力の審査に関わる先生に出した場合は、そのお金の一覧表を出すべきですよ。特に電力は公共事業ですからね、我々の電力費ですから。お金の出入りはオープンにしなきゃいけませんですね。
ええと、私なんかも東電なんかと長い付き合いがあるんで、それだけでも癒着の原因になりがちなんですよ。それなのにですね、審査中に金を貰う・・・研究活動のお金は審査に影響しないと言う先生はね、そのこと自体がもうウソです。だから、そんなことでウソ言う先生がですね、安全審査で本当のこと言うことありませんね。
えーとても、ちょっと、だけど不思議な感じがするんですよ。私たちですね、大学の先生は審査をするときに、審査対象者と関係しててお金貰ったら審査に当たらないって、これはもうずっとやってきてんですね。我々結構ね、審査するんですよ。大学教授って言うのは中立だから審査に当たることが多いんですね。そん時、お金貰ってちゃダメですよ、ええ。それは当たり前のことでですね、これが崩れてるのは、もちろん私も多少目にしたことありますけどね、いくらなんでもっていう感じですね、ええ。えー、私がこの日本に、こんなことが白昼堂々許されてはいけません。もうほんとに低開発国っていう感じですね。
えー、私は実はね、一回、こういうことが多かったんで、原子力安全委員会の専門委員のときですね、「原子力の立地とか設計などに関わることに不純な噂のある案件については、安全審査に入らないと言う規則を作ったらどうだ」と、ま、いうことを発言しまして、部会で大いに顰蹙を買いました。みんなが「そんなこと言いなさんな」っていう感じなんですね、顔つきですよ。ま、国民の電気代を関係者で分け合ってることぐらい、あなた、武田先生分かんないんですか?っていうような感じだったですね。相手にもしてくれませんでした。
だけど原子力界にいますとそういうことが多いんですよ。ええもう、「あそこの立地がどうしてあっちになったの?」、「いや、金が動いたから」。裏でそんなこと言ってんですよね。だからもう、そういう噂のあるところはもう、安全審査に入っちゃいけないんじゃないかって、僕は公的に発言しております。ええと、議事録もあります。
だから日本の電気代はアメリカの2倍になるんですよね。それでも国民は素直だから、今まで高い電気代払ってたんですが。ま、ここまで来ますと、もしかしたら国民の方にも責任があんのかもしれませんね、こういうことを認めてるって。今度のも、これ認めるかもしれないですよ、みんなは。「良いじゃないか」と、「先生が金を貰って、関西電力に有利な審査したって良いじゃないか」と日本人がそう思うなら、これはまぁしょうがないですけどね。
ま、だけどそれに加えて日本の大学に企業のお金が入って以来、すっかり学問と教育はダメになりました、ええ。ま、だけど、それだけかなと思ってたら、お金を貰った先生が原発の審査をして無意識のうちに手心を加えてですね、それが原発事故に繋がるってことになりますと、これ社会的な影響も出てきますからね。
ま、これだけど、すぐにはおさまりませんから、みなさん私と共に、えー、福井の原発が爆発すんのがこれ、決まりましたもんですからね。何しろお金貰ってる先生が審査してますから、大甘(おおあま)ですからね、だから被曝に対する準備をした方が良いかもしれませんね。
それから私が所属してる日本の学者のみなさん、人間がそれほど強いもんではない、つまりお金を貰ってればすぐ手心加えちゃう、ということは知ってるわけです。しかも私たちはあるときには社会に対して何か発信し、社会を教育する立場にありますから、そういう原点に返って、お金と全く切り離れた大学生活を送ろうではありませんか!
えー、これを決意する人の数が増えればですね、私はまた大学が大学という立場を回復し、社会に尊敬される立場として、ちゃんとした審査に当たり、「あぁ、あの先生がご審査になったんだったら良いな」というふうに社会が思ってくれるような、大学の先生になれることができると思います。えー、大学の先生側も立ち上がって下さい。
(文字起こし by danielle)