情報短信  3月:山火事と花粉、瓦礫それに雪解けに対する注意 | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

情報短信  3月:山火事と花粉、瓦礫それに雪解けに対する注意 (2/27)


福島におけるセシウムの再飛散は、原発事故による影響が新しい局面に入ったことを意味しています。つまり、私たちの身の回りにある放射性物質が再飛散して、繰り返し人体の中を通る可能性が出てきたからです。

背の低い子供、活発にあそぶ子供に注意してあげましょう。



雨の日は再飛散が少ないようで、風がなかったり雨が降ったときにはたまにはマスクを外して自由な生活を楽しんでください。また日本海側のサカナは安全ですから、それが手に入ったり、旅行に行ったりしたときにはたっぷりと食べて日頃のうさをはらしてください。



これを防ぐためには、(原因が土壌からの再飛散なら)除染、(原因が焼却なら)瓦礫などの焼却の禁止、(原因が樹木等なら)薪ストーブの禁止などをしなければなりません。



このほか、3月になると新たな注意を必要とすることがあります。その一つが「花粉」で花粉には放射性物質がついていますから、むやみに花粉に触れるのは望ましくありません(被曝はできるだけ少ない方が良いという原則は、医学的にも法律的にもはっきりと認められています)。



しかし、具体的に計算をしてみますと、花粉の量、花粉についている最大放射性物質量、人の呼吸量などから(計算はかなり複雑でしたが、何回もやって確認しました)、花粉からの放射線量は他の被曝に加算しても(加算することが大切です)、問題にならない量です。



この理由は「花粉症」というアレルギーの疾患がかなり感度が高く、私たちが問題にしている花粉の量がかなり少ないということです。でも注意する場合は、花粉の粒径(粒の大きさ)が比較的大きいので、花粉用のマスクが苦痛無くできるならこしたことはないでしょう。


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雪解けはかなり注意を要します。というのは放射性物質は樹木の葉に着きやすいので、雪解けの水が汚染されている可能性が高いからです。今年はことのほか雪が多かったので、雪解け前後に土壌の線量率が上がるとか、地下水が汚染されるかどうか、特に山形、宮城、茨城、栃木の人たちは注意をしておいた方が良いでしょう。



雪解けで判るように「樹木の葉」で遊ぶ、たき火、落ち葉プールなどはしばらく控えておいた方が良いと思います。


山火事も同じで、樹木の葉が燃えますから、山火事があったらマスクをすることが必要と思います。また、焼却炉をご担当の人は、これまで「何%除去」というのを一つのメヤスにしていたと思いますが、放射性物質はごく少量でも汚染が厳しい場合があるので、ベクレルで煙の管理をしてもらいたいと思います。



私たちの日常生活は、キログラム、グラムというかなり重たい「重さ」の世界で、化学や廃棄物ですと、ミリグラム、マイクログラムなどを問題にしますが、放射線のベクレルという単位は一ヶ一ヶの元素を問題にします。これはアボガドロ数、つまり「ベクレルに対して、普段は1兆倍の1兆倍ぐらいの数を問題にしている」といことを焼却炉の管理をする人は判って貰いたいのです。

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相変わらず地方自治体は東京からのお金が欲しくて「瓦礫処理」をしようとしていますが、これについてはまたまとめて書きます。東北の瓦礫量は、阪神大震災の時とそれほど変わりませんし、また東北自体が瓦礫処理施設を求めていて、「瓦礫の引き受けは被災地を苦しめる」ということだけまず書いておきます。



また「瓦礫の放射線量を量っても安全だった」といいますが、瓦礫の汚染を測定する方法はまだ確定していません。なにしろ固体でさまざまなものが入っていますから、平均的にどのぐらい汚染されているかを測定する方法はないのです。



(平成24年2月27日)




--------ここから音声内容--------



えー、これから3月に入ります。あのまぁ12月の中旬からですね、あのセシウムの再飛散が非常に大きくなったのが、やっぱり冬という要因があると思います。ま、こういうふうに季節によって放射線の飛散の仕方が変わりますから、ま、上手にですね、ええと、かわしていけば、あの…相当放射線の量が、被曝の量が2分の1とか3分の1とかになると思うんで。ま、細かくやっていくっていうのは、非常に良いことだと思います。







で、福島のセシウムの飛散は、あのここに書きましたように新しい局面に入りまして、我々の身体の中を、放射性物質が何回か通過するという可能性があるということで。特にあの地面に近い、背の低い子供ですね。そいからまぁ、あちこちで活発に遊ぶ子供。まぁこの子供たちはほんとに可哀想で、遊ばなければストレスが溜まるし、遊べば被曝するっていうようなところにおられる方もおられる。ま、親御さんの方で注意してあげる、ということになると思います。










しかし、全体として見れば雨の日はですね、やはりあの飛散が少ないようですね。風も関係ありますが、雨がまぁ一番大きいようで、雨が降ったときなどではですね、たまにはマスクを外して、自由な生活を楽しんでもらえればと思います。今はもう、空気中にある放射性物質っていうのは、福島原発から出てくるもんじゃなくて、えー、地面に落ちてるものが吹き上がったりですね、そいからまぁゴミの中に放射性物質あるの気が付かずに焼いたりですね、そういうもんですから。えー、そういうことでやっていただく、と。







それからまぁ、たまには日本海側に行けたときにはですね、日本海側の魚ってまったく汚染されてないので自由に食べるとか、まぁそれが手に入るとか、旅行に行くとかいうときに、ま、ストレスを解消するっていうのも非常に重要かと思います。







えー、まぁ基本的にはあの、再飛散はですね、ええと除染してまぁ土壌をこうきれいにする、もしくはまぁ瓦礫とかそういうものをとにかく焼かない、と。それから樹木の灰に付いてますからね、樹木の灰に気をつける。それから薪ストーブなんかもやっぱり、樹木のこの幹ですけども結構やっぱり汚れてますので。ええと、まぁそういったものを気をつけるっていうことですね。







ま、個人にはどうも放射線の強いところで煙があったら、やっぱりちょっと注意するってことでしょうね、このところ注意するって以外ないと思います。ただ、煙っていうのは一般的に、それほど細かくありませんから、まぁ花粉用のマスク、割合としてても気にならないようなマスクを用意しといて、で、まぁちょっと「なんか、あそこの煙出てるな」つったらする、っていうぐらいですかね。ま、そんなふうに思います。







それから、花粉についてはずいぶんご質問も受けて、ちょっとお答えが遅れちゃって申し訳なかったんですが。えー、慎重に計算しました。一坪当たりの花粉の重さから、量からですね、最大の放射性物質の付着量、そこら辺を全部計算しまして、何度も計算しました。公的に発表してるやつは、やっぱりちょっと怪しいんですね。私の数字と違います。だけども、私の計算でもですね、ええと大丈夫ですね。えー、それはあの花粉症という病気がですね、相当こう数の少ない花粉で影響を受けるんですよ。普通はあの放射線の方が厳しいことあるんですけど、量がですね。だけど、この花粉の場合はやっぱり花粉症の方が厳しいようですね。ですから、ま、安全だと。








まぁあの慎重に構えるなら、花粉のひどいときにマスクをする、花粉用のマスクをするっていうぐらいですけど。花粉って結構大きいんですよ、ですからマスクも多分少し楽だと思いますので、私としてはですね、まぁ花粉のひどいときに花粉用マスクをすればいいと言うか、それをしなくても被曝という点ではいいかな、というふうに思ったりもしますが。ま、慎重にものすごく花粉の多いときは、まぁマスクするか、と。まぁあの、風の強い日もありますから、地面から巻き上がるという点も含めて、という感じですね。








それから雪解けとかですね、樹木は相変わらずちょっと危ない感じがしますね。ですから雪解けの水、そいからあの山火事、それからたき火、落ち葉プールみたいにですね、どうも葉っぱでやるやつはですね、まぁもちろん福島はそうなんですが、山形、宮城、茨城、栃木のようにですね、ちょうどあの中間的に汚れてるところですね、ま、千葉でもホットスポットんところ。ま、そういうところはですね、そこ少し避けた方がいいんじゃないかというふうに思います。








で、焼却炉から煙出てるときにも、ちょっと気をつけた方がいいのはどうしてかって言うとですね、何か自治体の人ってなんか勉強されないんですよ。何でかよく判らないんですけど。やっぱりまぁ仕事したくないって思ってんのか、やっぱり割合、真面目な人もおられるんですけどね。色々上司から怒られるとか、あんまり危険を煽るっていじめられるとかあるんでしょうけど。ええとね、パーセントなんかで言ってんですよ。このフィルターは99.99%除ける、と。







ダメなんですよね、つまり、我々の日常生活っていうのは100グラムの肉を買うとかってグラム単位、もしくはキログラムなんですが。化学物質とか廃棄物ですと、ミリグラムとかマイクログラムつって、少し少ない量を問題にするんですが。放射線っていうのはベクレルなんですよね、ベクレルっていうのはですね、もう全然違う数なんですよ。まぁ、よくあのアボガドロ数つうの習うんですが、まぁ「一兆倍の一兆倍ぐらいの数のところ」なんですね。








ですから私はあの、焼却炉を管理する人はですね、今までは毒物を扱ってましたから、ミリグラムとかそういうのでいいんですけど、ppmとかですね。今度は放射線ですから、やっぱりベクレルでですね、ちゃんと管理をしてもらいたい、と。私たちは、不安の中で生活したくないんですよ。これもぜひ自治体の人たちに分かって欲しいんですが、不安の中で生活したい、じゃないんですよ。それが特殊な人だって言うけど、そんな特殊な人じゃありません。私はですね、半分ぐらいの人はやっぱり内心、気にしてるんですよ、少なくとも。







それはだって、「放射線危ない、放射線危ない」って今まで自治体も言ってきたんですからね。自分たちが2年前に言ってたことを、思い出してもらいたいと思いますね。それを思い出して、住民が気楽に楽しい生活をするためには、放射線は危なくないんだよ、と言い換えるんじゃなくて、測定するということだと思います。ぜひ、やって欲しい、と。








それから「瓦礫処理」については、もう一回きちっと書きます。ポイントはですね、まず福島とか宮城の人たちは、よそで瓦礫処理をすることを望んでいないってことです、まず第一に。やっぱり、福島、宮城に瓦礫処理設備を早く造らないとですね、きれいにしようと思ってもきれいになりませんよ。一々自分の庭を片付けようっていうときに、他人にお願いしなきゃなんないつうんじゃ、やっぱダメなんで。








自治体はですね今、変なこと言ってるんですね。ええと、人の心に訴えようと思って、「被災地の人たちを助けなきゃいけない」つってますけど、これ逆です。その、助けなきゃなんないって言ってくること自体が、ウソなんですよ。お金が欲しいんですよ。お金が欲しいんだったら、「お金欲しい」と、「この町は瓦礫を引き受けるのにこのくらい儲かるから、少しは環境は汚れるかもしれないけども、皆さんも心配するかもしれないけど、心配よりか被曝よりか、お金だ」とやっぱ言わなきゃダメですね、ええ。








そいから、よくあの「瓦礫の放射線量が少ないから」って、こんなの測る方法ないんですよ。だって瓦礫を見りゃ判りますよ、表面は木だったり、中は鉄だったり、もうグワーッとあるわけですから、どこを測るんですかね?あの、少なそうなとこ、ちょこっと測ったらもう勝ちですよ。勝ちって言うか、少なく出ますから。葉っぱが入ってたら、葉っぱ測ったらガーッと高いですよ。だから、まだそれは判んないんですね。焼いたあとの灰を見れば判る、もしくは煙突から出てくる煙見たら判る、そこ測ってませんから。結局、安全な瓦礫なんか無いんですね。








ですから、まぁ僕ら自衛するためにはですね、瓦礫が燃やされてるときはもう、マスクをするってことですよ。もうこれしかないですね。ええと比較的、粒径が大きいから沈むのも早いんで、まぁ「2、3日瓦礫を燃やすってことは必ず市役所言って下さいね」つっといて、ほいで燃やす日は必ずマスクをする、と…これがやっぱり自衛方法でしょう。ま、3月に色々起こっております。私も、ま、それに応じて、色々ここに書いていきたいと思っています。


(文字起こし by danielle)