福島2号機と4号機、それにセシウム(速報) (2/15)
【結論】原発に危険はありません。セシウムは問題です。
【簡単な説明】2号機の燃料は、もともとの場所、炉の下、格納容器の下の3つに分散しているが、水に浸っていて水にはホウ素が含まれている。このことから、核爆発、水素爆発、水蒸気爆発のいずれもが起こらない。
水は中性子を減速して臨界に達する働きをするが、ホウ素が溶解している時には中性子の吸収が大きくなり臨界にならない。このことは東電も計算ができ、大きな核爆発は東電の社員を著しい危険に陥れることになること、ホウ素は準備されていることからも問題は無い。もし水蒸気爆発をするようなら2号機からもうもうと蒸気がでているはずだが、蒸気は見られない。さらに2号機はすでに孔だらけなので、水素が滞留して爆発限界に達する可能性はない。
4号機は燃料プールの崩壊があり得る。このときに、少しの放射性物質が飛散する。その理由は落下する途中で、燃料棒から若干の放射性物質が飛散するからである。さらに燃料棒同士が落下途中で特別な立体配置になり、小規模核爆発が起こる可能性がある。東電が燃料プールに十分な量のホウ素を入れているかどうか不明だが、入れていると推定できる。
4号機の燃料プールが崩壊したら、燃料は原子炉建屋下部に落ちるが、そこで再び水で覆われるので、放射性物質が飛散するのは少量にとどまる。
また、10月頃からの福島原発付近の線量率からみると、4号機や2号機から新しい放射性物質が出た形跡はない。
定時降下物のセシウムは2月に入っても多く、危険な状態が続いています。下に表を出しましたが、1平方メートルで100ベクレルぐらいは危険です。1平方メートルにたとえばキャベツが4ヶ植わっていると、4日で規制値を超えるからです。
何とか早く原因を突き止め、減らさないと被曝が増えて心配です。
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【見解の差異について】私は専門家なので、自分で事実を確認して、政府、東電、他の専門家、外国人などのコメントに左右されずに、自らが事実と思うことを、自分の力で判断しています。その点で、日本の専門家、外国の専門家のコメントは一応目を通したり、動画は見たりしましたが、上記の結論で、それらと違う場合もあります。
専門家以外の人はやむを得ないのですが、「誰がこういっている」ということでご判断されている方が多いのですが、私は科学的に見て自分で事実を判断しています。その点をご理解ください。データが不十分なので、間違いもあるとおもいますが、私の家族が福島、あるいはその付近にいても原発が危険だからという理由で移動することはしません。しかし、セシウムと空間線量が高いところで生活するのはお勧めできません。
(平成24年2月15日(水))
--------ここから音声内容--------
ええとあの、福島の2号機と4号機の問題は、これはまぁ非常に皆さん心配しておりまして。セシウムの降下の問題もありまして、これについて少しここで書いてみたいと思います。結論は原発に危険はありません。セシウムの方は非常に問題であります。
で、簡単に説明をしますけども、少し専門的な内容も入ってきます。えー、2号機の燃料はもともとですね、元の場所、それからこれはあの原子炉の中ですね、それから炉の下に落ちてるもの、それからそれを突き抜けて炉の外の格納容器の下に溜まってるもの3つだと、まぁ考えられます。炉の中にあるのは破壊された状態での燃料棒という形だと思いますし、炉の下および格納容器のところにあるのは直径数センチの溶解した玉、もしくはそれが固まったものだと思います。そういうものが水に浸っている、水にはホウ素が含まれているというふうに考えられます。えー、この場合はですね、核爆発、水素爆発、水蒸気爆発のいずれも起こりません。
一応、それについて説明しますと、水は中性子を減速して臨界に達する働きをしますが、ホウ素が溶解してるときにはですね、中性子の吸収が非常に大きいので、臨界になりません。これがあの、制御棒を入れた場合の問題で、水溶液中にですね、ウランが分散してるときに、どのぐらいで臨界に達するかってことは計算もできます。
従って、東電はですね、えー、大きな核爆発が起こると、そこに作業してる東電の社員が著しく危険に陥ります。ホウ素は一応、準備されております。ま、こういった状態で水も注入しています。従って、水の中にホウ素を入れることは全く問題ありません。従って、核爆発はありません。それからもし、水蒸気爆発をするような状態であればですね、燃料が相当高い温度になってなきゃいけませんから、2号機からはもうもうと蒸気が出ているはずですが、蒸気はここずっと一ヶ月ぐらいの映像を見ても出てません。
それから2号機はすでに孔がずいぶん空いておりましてですね、水素が爆発範囲の濃度になる可能性はありません。従って、2号機は核爆発もせず、水蒸気爆発もせず、水素爆発もしません。ただ、不安定な状態なんですね。この不安定な状態ってのは何が不安定な状態かったら、まず燃料がどこにあるかよく判らない、とかですね。それから、それがどういう状態になってるかもよく判らない。つまり、判らないものを相手にやってるという点で、不安定なんですね。
それからあの、温度計が結構壊れてますが、これ当然で、爆発はありませんでしたけどね、これだけ強い放射線の中で機器が壊れないっていうことはありません。例えば、絶縁はほとんど有機物、つまり高分子材料を使ってますが、放射線に強いわけじゃないので1年も経てばボロボロになります。そこに水が激しく流れれば、全部皮膚(皮膜?…音声不明瞭でわからず)が取れてショートしたりすることはあります。
それから4号機のプールですけども、これは1500本の燃料棒が詰まってますが、これがですね、崩壊して落ちる可能性はあります。このときに少しの放射性物質が飛散しますが、それは落下する途中でですね、放射性物質が飛散するんであって、爆発しないですから、ガラガラーッと落ちながら漏れていく放射線と、3月のようにドーン!と爆発した場合とはかなり違います。
で、もう一つは燃料棒同士が落下してる間にですね、特別な状態になって水と水の間が挟まったような形になると、小規模な核爆発が起こりますが、これはそこで爆発が起こった瞬間に燃料棒同士が離れますので、爆発が拡散することは…大きくなるようなことはありません。それから、東電が燃料プールにホウ素を入れてるかどうか不明ですけど、私は入れてると推定してます。
それから4号機の燃料プールが崩壊したらですね、燃料がまず第一に原子炉建屋の下部に落ちるんですが、そこは地下ですので再び水で覆うことができる、もしくは覆われると思います。従って、落ちる途中だけですから、飛散するのが少量に留まると考えます。4号機はですね、実は休んでいなかった。つまり、一昨年の11月に止めたと言われたけども、実は止めてなかったって言う話もあります。それも全部目を通しましたが、それであっても同じです。
つまり、それはもう完全な法律違反だし、まぁ逮捕されるでしょうけども、それとは関係なく、私たちは東電の社員を罰するんじゃなくて、我々の子どもを守るわけですから。その意味ではですね、4号機は問題じゃないだろうとまぁいうふうに思います。また、付近の線量率もずっと当たりました。付近の線量率の情報を頂いた私に送ってくれた読者の方もおられますが、そういうのを参考にして全部見ましたけども、問題はありません。
で、ちょっとだけ、私の見解が他の人と違うことについてのコメントしときますが、私は専門家ですので、自分で事実を確認して、政府とか東電とか他の専門家とか、外国人がどういうことを言ったかってことには、ほとんど左右されません。政府がこう言ったからとか、外国人の何とかっていう人がこう言ったから、とかっていうことは私には一応関係ありません。一応、目を通して見ておりますけども、それによって私の結論が変わるってことないですね。
あくまでも事実を特定するために、そういうコメントを見るということですね。まぁ、専門家以外の人はやむを得ないんですけど、「この人がこう言ってるとか、東電がこう言った」とか、いうことがどうしても問題になるんですけども、私は東電がどう言ってるとか、外国人がどう言ってる、全然関係ありません。それはあの、事実を特定する上で必要なだけであってですね、結論は自分自身で考えておりますので、他の人と違う見解もあるんですが、それはお許しいただきたい。それから、データが不十分ですからね、もちろん燃料がどういう状態にあるかもよく判ってませんので、間違いも起こると思いますけど。それはですね、仕方がないと思います。
私の家族が福島、もしくはその付近にいてもですね、原発が危険だという理由では移動することをお勧めしません。ただ、セシウムは相変わらず高いんですよ。ええと、もう一旦整理をしましたけど、相当高いんですね。10月までに低いデータになってたものが、12月には結構高くなって、そして1月には、例の1月2日の432ベクレルってのがあって、2月に入っても相変わらず高いんですね。ここに、11月、12月、1月、(2月)の平均のベクレルと最高のベクレルを書きました。大体見当としては、100ベクレルを超えると危ないんですね。ですから、やや危険な状態が続いてます。
こういった状態をですね、新聞とかテレビがほとんど報道しないってのは、全く不見識ですね。ていうのは、判断するのは国民が判断するんであって、テレビとか新聞が判断するわけじゃないんですから。やっぱりここまでセシウムが増えるとですね、これはあの一旦、6月、7月と、どんどん下がってきたもので、8月、9月、10月、11月と非常に低いレベルだったのが、12月から上がり始めたんですから。ですからやっぱりこれはね、どういう考えを持ってても、やっぱり報道はすべきなんですよ。で、報道すべきなのはこっち(2号機、4号機のことではなくセシウム増加のこと)なんですね。
ですからその意味ではですね、おそらく私が言ってるように、どうもこの2号機4号機のことを大きく言うのはですね、セシウムの問題を隠すためじゃないか。こういうのが、瓦礫だとかゴミを燃やしてるっていうことをとにかく認めたくない、そういう方向に持っていきたくないって事じゃないか、と。相変わらず国民を被曝させたがってるな…というですね、そういう感じがして残念です。
(文字起こし by danielle)