4号機とセシウム1月まとめ (1/31)
12月の半ばから福島のセシウム降下量が増加してきましたが、1月に入ってさらに急激に増加が見られました。
グラフの横軸が11月1日を起点にした日数、縦軸が1平方メートルあたりのベクレル(セシウム定時降下量)です。7月頃から落ち着いて来た放射性セシウムの降下量は11月まで低い値でした。たとえば、野菜の新しい基準が1キログラム100ベクレルになりそうですし、給食の基準として文科省が一時、1キログラム40ベクレルという数値を出しました。
グラフをザッと見ると11月は1平方メートルあたり10から20ベクレルの日が多かったのですが、この場合、1平方メートルの畑にキャベツが4つ植えて合ったとしますと、一つのキャベツあたり2から5ベクレル程度の放射性セシウムが毎日、降るようになります。値自体はかなり低いのですが、2週間程度も降り続けると基準値に近くなります。
ところが12月になって平均的に見ると1日30ベクレルと言ってもよいぐらいのレベルに達します。こうなると2週間で420ベクレルになりますから、キャベツ1ヶあたり100ベクレルを超えるようになります。1月はさらに高く平均100ベクレル程度になっています。
もし、この状態が春先まで続き、セシウムが降り続くとすると春野菜は収穫ができないでしょう。耕した畑はすでに土の中にセシウムが混じり込んでいますし、上からもセシウムが降ってくるので、きわめて危険な食材が供給されることになります。
・・・・・・・・・
本来は日本人に安全な食材を提供することにプライドを持っていた日本の農家の方、それを監督していた農林水産省や、サービスを提供する農協を信頼したいのですが、残念ながら誠実な日本の方かも怪しくなっています.
というのは、新米がでて福島県知事は一度「安全宣言」をしましたが、その後、汚染米が数多く出て、実質的に安全宣言を撤回しなければならなくなりました。その一方で、福島の高濃度汚染米の約半分が外食産業に流れたとの噂が絶えません.
このような噂が出ること自体、日本の農業のプライドを傷つける物でもありますし、私のように「日本の子供、日本の土地、日本のコメを守れ」などと言ってきた人にとって見ると本当に残念に思います.
お金がすべて、自分の天職に対するプライド無しでは情けないものです。2月もセシウムの量はよく見なければなりませんし、そろそろ文科省から各県の状態が公表されるでしょう. とりあえず11月のレベルに近くなってきましたので、警戒を解いて春の野菜までしばしの休憩といったところです。
・・・・・・・・・
ところで、4号機の方は相変わらず不安定な状態が続いていますが、大きな地震が来て4号機が倒壊しても、3月の爆発よりその影響はかなり低いと考えられます.従って、これも春先まではいったん警戒を緩めて状態を見ていくことになります.
なんといっても原発は運転時がもっとも危険で、2010年11月に止めた4号機はそれほどの力を持っていません.倒壊によって放射性物質は飛散しますが、ご家族も含めて逃げなければならない状態ではないと考えるのが科学的です.
ネットなどでは「大変なことが起こる」という記事が多いので、一通り勉強しましたが、科学的な理由がもう一つハッキリしないのと、2011年(昨年)の4月以来、「また爆発する。大変だ」という警告が続いていますが、一つも現実になっていません。再爆発すると考えた人は何が間違っていたのか、触れていただくと助かります.
私たち専門家の役割は、自分の名誉や主張などでは無く、あくまで子供を中心とした被曝を減らすことですから、これまでの間違いの理由を示していただいた方が、これからの福島原発の予測をつけるのにも役に立ちます.
(平成24年1月31日)
--------ここから音声内容--------
ええと、4号機と福島のセシウムの飛散の問題なんですが、12月半ばからですね、セシウムの降下量が増えてきたわけですね。これは、このグラフですね。縦軸が1平方メートルあたりのベクレル数、横軸が11月1日からの累積日数って言いますかね、大体90日ぐらい経ってきました。
えー、これを見ていただくと判りますように、11月はですね、まぁほぼ10ベクレルから20ベクレルかな、と。13日から17日ぐらいにちょっと高いとこ見られますが、後はまぁ大体10ベクレルくらいという感じだったんですね。ところが12月に入りますとね、ちょこっと高くなりまして。特に後半ではですね、100ベクレル近くが度々出るというような状態になりました。
そして例の、1月2日にですね、400ベクレルを超えて、またしばらく無くなったかなぁと思ってたら15日頃でしたかね、200ベクレルに達する、と。ま、これは明らかにですね、何かの原因を見つけなきゃいけません。
ええと、あの、何か聞くとこによると、原子力安全委員会は「これは測定の間違いだ」なんて言ってるそうですが。ま、もちろん測定には必ず間違いもあるんですけど、相当よく調べてから言わないとですね、やっぱり実験データは実験データで正しいというふうに思って取り掛かるのが、まぁ学問の常道でありまして。それはまぁ、原子力委員会の人に、安全委員会の人に言う必要は無いようなことですがね。一応、そういうことでありますので、それはそれでよく考えてみる必要がある、と。
いずれにしてもこの原因はですね、おそらく瓦礫の焼却、ゴミの焼却、そいからまた再び地面から飛散したもの、あたりが考えられるわけですね。福島の4号機、他の原発、それから大陸からの放射線、そういったものもいろいろ考えはられるんですけど、一応、今のところは瓦礫とゴミの焼却が第一原因、第二原因が地面からの巻き上がり、というふうにまぁ考えるのが妥当でしょう。
でまぁ、しかし原因はですね、ともかくとして。このぐらいになりますとですね、例えば1平方メートルにキャベツを4つ植えてると…こういうふうな状態を考えますね。1平方メートルっつうのは1メートル四方ですから、まぁキャベツが4つかなんか、そんぐらいですよね。そうしますと、こっからですね、12月の時点の1日30ベクレル降ったとしてもですね、結構2週間ぐらいありますとそこに積もっていきますね。
そうすると、今度は春野菜になったときですね、こういう状態が続いてる、と。まぁ例えば1月みたいな状態が続いてたらですね、2週間も畑にあったら1400ベクレルぐらいいきますからね、1日100ベクレルとしまして。ですから、これは相当な量なんですよね。そういうことで、まぁ注意は必要ですが、一応ですね、少し落ち着いてきましたので、警戒をいったん緩めてですね、そして2月、3月と過ごした辺りで、これがどうなるか、それによってですね、春野菜に対する注意をどうするかを決める、と。ま、こんなような感じになってきました。ま、願わくはこのままですね、また11月のように、非常に低い値が続いてくれるといいと思います。
そいから文部科学省がですね、事もあろうにこの高くなった瞬間からって言うか、そのちょっと前なんですが、ええと、「もう落ち着いてるから、一カ月に一遍しか発表しない」っていうことで、福島以外よく判らないんですね。しかしこれでですね、12月増えてきたところで止めるっていうのもなんなんですが、とにかくそういうことになってますので。2月になりますと、福島県以外のデータも次々と出てくると思いますので、それを見てみたいと思っております。
それからですね、非常に残念なことには食品の供給のときにですね、私なんか信頼してたんですけどね日本の農家、そういうの信頼してたんですよ、実は。真面目にちゃんとやっておられる、と。まさか消費者にですね、ばい菌でも、水銀でも、放射性物質でもですね、ま、そういったものが、消費者に嫌がられるようなものを出荷するとは、まぁ思ってもなかったんですけども、思わぬことになりました。
福島県知事は、新米が出てから「安全宣言」してですね、撤回せざるを得なくなったわけですね、実質的に。ま、これは知事としてはものすごく何て言うか、心が痛いでしょうね。だって、安全宣言を知事がした。知事を信じてる人がいるんですから、食べちゃいますからね、ご飯を。そしたら後になって、吐き出してくれって言われてもですね、困るわけですよね。知事っていったら、割合と地位が高い人なもんですからね。前言を翻してはいけません。
それから、まぁ心配になるのが福島の非常に汚染された汚染米がですね、捨て値で約半分ぐらい外食産業に流れたという噂がもう絶えないんですよ。これ私、検事じゃありませんからね、警察じゃありませんから、そんなこと調べることできないんですが。
こういう噂が出るってこと自体、まぁ私なんか今まで日本のね、ま、子供たちはまぁいいにしても、土地だとか米っていうのをこう、信頼して守ってないといけないと思ってきた人にとってみればね、本当に打撃ですね。ま、裏切られたっていう、簡単に言えばそういうことですね。お金が全てだ、と。
農家っていうのはほんとに立派な仕事でね、いつも農家の人言ってましたよ。「農業は立派な仕事だ」つって。いや、立派な仕事の人がね、汚染された新米をね、出すなんてことはありえませんよ、えぇ。ダメですね、そんなのはね。ほんとにそう思います。でまぁ、そういうことで、残念なんですがそういうことになった、と。
それから、4号機の方はですね、相変わらず不安定なんですが。私はですね、3月の爆発よりひどい爆発が起こるってことはないんじゃないかと思うんですね。まぁ、地震が来て倒壊すれば、相当な放射線漏れるにしてもですね、それはあの、3月15日ぐらいの騒ぎはもうない、と。
ただちょっとここで私ですね、ちょっと呼び掛けたいことがあります。つまり、ネットなんか見ますとですね、「大変なことが起こる」って記事が多くて。それで心配して、もう逃げようか、というふうに思った方も多いんですが、もうこれは2011年の4月、つまり福島原発の爆発の次の月からですね、「爆発するから大変だ」という警告は何回も出されてます。それは一個も現実になってません。現実になってないから、もう起こらないっていう意味じゃなくてですね、今まで爆発の予告が間違ってた理由は何か?っていうことですね。
これはやっぱりある程度ですね、言ってほしいんですよ。っていうのはあの、私はですね自分と違う考えの人の考えをよく読むんですね。それで自分の考えを直すっていう、まぁそういうやり方をするんですが、それがちょっとできないんですよね。ええとその、どこを間違えられて、今まで「爆発する、爆発する」と言ってこられたのか?そこの考えの違いですね。
例えば、「地震が来なかったからいいんだ」とかですね。「思いがけなく4号機が倒壊しなかった」、何でもいいんですけどね。なぜそういうことになるのか、起こらなかったのか?ってそっちの方もですね、ある程度説明をしていただけると大変に助かる、とまぁこんな感じですね。
(文字起こし by danielle)