緊急速報  セシウム降下物とこれまでの状態と今日(2012年1月8日) | お手伝いさんたちのブログ

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中部大学 武田邦彦先生のブログの中で、音声収録のみのものをテキスト化して掲載しています。
テキスト化及び掲載にあたっては先生から許可を頂いています。

(文字起こしをお手伝いして下さった方からの投稿です。danielle(ダニエル)様、ありがとうございました)


緊急速報  セシウム降下物とこれまでの状態と今日(2012年1月8日)

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(音声を追加しました)

福島を中心にして急激に増えた放射性セシウムの降下量は少し落ち着いてきましたが、まだ安心できる状態ではありません。そこで、今後のこともあるので、過去のデータとの比較を行って、よく考えてみました。




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まず、12月から新年までの平均値を調べてみると、11月は1日で12メガベクレル(1平方キロメートルあたり)、12月は メガベクレル、そして1月5日までの平均が メガベクレルと1日あたりの平均は11月から急激に上がっています。7月まで減少してきたセシウム降下量は8月から11月まではほとんど1日10メガベクレル程度でしたが、12月の後半から上がり始めています。

原発が安定し、3月と4月に福島に降ったセシウムが、道路にへばりつき、土の中に潜ったとされています。「除染しても効果が少ない。その理由はセシウムが少し潜り込んだからだ」と言われています。それなのに、このように急激に上昇しているので、警戒が必要です。


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それでは12月の状態をグラフで見てみます。縦軸の単位が上手く入らず、単位は1日あたりのセシウム134と137の合計値(1平方キロメートルあたりのメガベクレル)です。また横軸は12月の日にちですが、32日目は1月1日、33日とは1月2日を示しています。上手くグラフの横軸が触れなかったのですが、情報開示が急がれるので、そのまま出しました。


このグラフを見れば、増えてきた12月といえども、暮れから正月にかけてのセシウム降下物は異常な状態であることが判ります。でも、昨日までは少しずつ減っていたので、このまま減っていって欲しいと思っていましたが、それほどは甘くありませんでした。いったん17まで下がったのに、また40ぐらいまであがったのです。



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これは本日、発表されたセシウム降下量で、また少し上がっています。福島県が発表してくれているので良いのですが、文科省は1ヶ月後になりますから、被曝してからの発表となります。


ところで、一番多かった1月2日の約500メガベクレルですが、これは5億ベクレルになります。一方、1平方キロメートルは100万平方メートルですから、一日で1平方メートルあたり500ベクレルのセシウムが蓄積していきます。



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この程度なら一日で危険ということはありませんが、80日過ぎると、電離放射線障害防止規則第28条で決められているとおり、「危険だから東電が除染しなければならない」というレベルに達します。(法律の適応範囲は別にして、「実質的に危険な領域に達する」と言うことになります。

私が警戒を呼びかけているのは、第一に放射性セシウムが空から降ってきているのですから、内部被曝をする可能性があるということ、第二に徐々に増えているので、このまま2月になってさらに増えたら危険になるので何らかの準備が必要だということ、そして第三にこの時期にセシウム降下量が増える原因が見あたらない(人為的なことは別にして)ということです。発表が2日遅れで「被曝してから知る」という時間的なことにも注意が必要で、そのために少し警戒しています。


判らないときには弱く警戒するというのがリスクを防ぐ王道ですから、慌てることなく、それでいて慎重に構えて1日10メガぐらいに下がるまで、暫く様子を見ましょう。なにしろ空気中をセシウムがうろうろしているのですから、子供さんの被曝に注意が必要です。


また、ものすごい量の放射性物質が原発の近くで出ているというデータ(下の地図で見にくいと思います)もあるので、心配されている方も多いのですが、少しデータがおかしいので、今、問い合わせています。あまりこのようなデータをそのまま受け取って心配する必要はありません。


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(平成24年1月8日)


--------ここから音声内容--------




ええと、福島を中心とした降下物が少し安定してきたので、安心しておりまして。そうでもないんですが、実は。月ごとのものをずっとデータを拾って、今日は整理してみました。ええと、8月から11月ごろまであまり変わらないので、11月・12月・1月を示しましたけど、11月はですね、平均して1日のセシウム量は12メガベクレルですけど、それから12月がその3倍、更に1月はその4倍というようにですね、非常にあの、11月に比べたら1月の5日間だけですが、ちょうど10倍になりましたね。やっぱりこれはあの、ほんとは政府もですね、警戒を呼び掛けるとか、理由を説明するとか、やっぱりみんなの安心するように、言うべきですよね。




グラフもちょっと12月のグラフを書いてみました。ちょっと、あのグラフはですね、最近あんまり書かないもんですから、うまくいかないでですね、1月の日付がどうも上手く出なかったんですが。
縦軸が1平方キロメートルあたりのセシウムのメガベクレルを取りまして、横軸に12月1日から31日までギザギザしてますが、ま、だいたい100ベクレル以内。ちょっとね、後半が高いのが多いのが気になるんですけどね。で、これが(音声が飛んでいて聞き取り不能でした)ですけど。





ま、やっぱり1月のはすごいですよね。また今日40になりましたからね。これは明らかにやっぱり異常ですから。やっぱりこれは、警戒したり検討しなきゃいけないってことですね。で、ええと、昨日はですね、実はあの、ずっと1月2日から減ってきましてね。252、72、17と減ってきましたので、今日ぐらい・・・今日って言うか、1月6日は落ち着くかなぁと思ってたら40.5になりましたですね、残念ですが。ちょっと、だから警戒を続けなきゃいけません。というのはですね、減ったり増えたりしてるんですけども、その増え方がだんだん多くなってるってことなんですね。もちろんこれで気をつけなきゃいけないんですが。



ちょっと私が気になるのはですね、ええと、まぁ放射性物質はもう土に染みてるって言ってんですよ。で、除染してもあまり効果が無いって言ってますからね、風でそんなに飛ぶわけじゃないんですよ。ま、8月の方が結構風吹いたんじゃと思いますね。まだ花粉とか雪はちょっと早い、と。それからまぁ、福島原発の窒素を入れてるのがちょっと気になるんですけどね。しかし、周辺のモニターを見ながら入れてるんじゃないかと思ってたんですよ。東京電力もそこまで、あの、あくどくはないんじゃないかと今まで思ってたんですね。つまり放射線が出ること、放射性物質が出ることを分かっていながら、どんどん窒素を吹き込む、と。しかし、それは国民に黙ってるということはないんじゃないかと思いますけども、もしかしてあるかもしれません。



今日も記者会見聞いてましたらね、窒素を投入するってことを言ってましたけども。私がそこにいたらですね、「窒素を投入するってことは、放射性物質が外に出るってことですけど、どのくらい出るんですか?」と、いうふうに聞いたと思うんですね。ま、私、後でちょっと非常にこう腹立つんです、いつも、記者会見。っていうのはですね、東電はいわば犯罪者ですからね。


普通もう、これ雪印事件のときもそうですけど、他のいろんな事件、最近では焼肉なんかもありましたけど、ええと、昔は可哀相に、非常にちゃんとした会社なんですが、赤福なんかありましたけどね。そういう小さな事件があっても、もう記者の人はね、居丈高に「馬鹿!」とか「何やってるんだ!」とかね、「そんなことで責任取れるのか!」なんて言ってましたよ。


それなのに、東電に対してはね、「すいません、質問させて下さい」とこうくるんですよ。で、東電のほうが威張っててですね、答えるとですね「ありがとうございました」って言うんですよ。「教えて下さい」って言うんですよ、第一。 「教えて下さい」 「教えていただいて、ありがとうございました」 一体何なんですかね、あれ。ま、記者会見の話はあまり、入り込んではいけませんが。



ええと、今漏れてる量はですね、それほど危険ではないんです。ちょうどですね、これが3ヶ月ぐらい続けば、まぁ土壌が人が住めなくなるということですね。ですから3ヶ月間ぐらい様子を見ることが大切で、少なくなってくれることを望むわけですね。読者の人の中には、「空間線量、増えてないんじゃないか」って。すぐには増えません。私が「警戒警報」を出したのは、2つ意味がありますね。



1つは、これが積み重なっていくと、続いていくとですね、土壌が汚れてくるので、そいから野菜なんかも汚れてくるので、それに対して警戒するってことですね。今までとにかく汚れてから騒ぐってことでしたけど、そうじゃなくて、汚れそうなときになったら、つまり、あれほど増えてるんですからね、1月に入って。やっぱり警戒した方がいいってことですね。「100日続いても大丈夫なんだから」って、今までの政府の言い方だったら、「いや、30分の1なんだから」とか「100分の1なんだから」って言うでしょうね。だけど、毎日続いてんですからね。それはやっぱり警戒しておく必要がある。



それから「降下物」っていうのは、空気中にあるってことなので、内部被曝になっちゃうんですね。吸い込むと3ヶ月ですから。やっぱりこれも警戒しておいた方がいいんですよ。それで、何もね、「危険を煽る」とかそういうことじゃないんですよね。警戒をするってことは良いことなんですよ。




だってですね、花粉情報すら出してんですから。いや、花粉も辛いったら辛いですけども。ま、花粉情報を出すぐらいなら、「セシウム情報」出してくれ!っていうのが、僕の考えなんですよ。ええとね、花粉も花粉症になるかもしれませんが、セシウムもガンだとか知能障害だとか、免疫不全とか色々なことになる可能性を含んでるわけですね。ですからやっぱり、「セシウム情報」をもう少し真面目にね、出してほしいですし、セシウム情報を出さないなら、花粉情報を絶対出さないでほしいですよ。「花粉情報」とか「台風情報」とか、そういうものを出さないでほしいですね。




だって、この前「SPEEDI」を出さなかった理由は、「ただ予想だから」って言うんですよ。だったら、台風の進路予想とか、出しちゃいけないじゃないですか。だけど、出すわけですからね。よほど怖いんでしょうね。あの、「大丈夫だ!」って言ってる人たちは心ん中、ほんとに怖いんでしょうね。ま、そういうことで、ちょっと今、落ち着くか落ち着かないかのギリギリです。


それから多くの著者からですね、一番下に貼り付けた図について、非常に危ないんじゃないかと言っておられる人いるんですよ。ほんとにすごいデータが書いてあるんですけども。ちょっとこれ今、問い合わせてます。というのはですね、今までの他のデータとの整合性が無いんですよ。データを無視するわけじゃないんですけどね。このデータだけが特別なんですね。




ですから、まぁ、何かの理由があると思います。例えば、書き方がまずいとか、多分そういうことだと思うんですが。それでこれはおそらく月曜日になったら、この測定してる機関、これはあの福島県の原子力センターですから、公の機関なんですけども。そこからのご返事があると思いますので。それを見て、皆さんにまたお知らせしたいと思います。




当面はですね、一応、今日増えまして40・・・あ、これね、今日増えましてというか、残念ながら2日遅れなんですよ。2日遅れなので、わたしはちょっと、警戒した方がいいということもあります