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hellocqcqのメモ帳

アマチュア無線に関連した記事など

前回の記事でシミュレーションした14MHzインバーテッドVアンテナ(逆Vダイポールアンテナ)を作りました。
給電部はバラン(BU-50A)です。

給電部
給電部はロープで上げ下ろしできるように滑車で吊り下げてあります。
地上高は10.5mくらいです。
エレメントは2mm²の銅線で、長さは片側5.5mの物を用意して、いくらか切ったり折ったりして調整してあります。
前回のシミュレーションでいえば、α=90°、θ=90°、ℓ=5.3mくらいです。

測定データは以下のとおりです。


  SWR=1.2の下限は14.085MHz

 

  14.190MHzでSWR=1.08

 

  SWR=1.2の上限は14.310MHz

当局は群馬県ですが、長崎県と59・59で交信できましたので、問題なく使えそうです。

 

『アンテナ・ハンドブック』に【エレメントを傾斜させた14MHz用インバーテッドVアンテナ】という記事がありまして、「ほかのダイポール系に比べて打ち上げ角も低く、良い」というようなことが書いてありました。それがちょっと気になっていたので、MMANAでシミュレーションしてみました。


  傾斜型14MHz用インバーテッドVアンテナの構造(『アンテナ・ハンドブック』より)

これをMMANAでシミュレーションするためには、エレメントの端点の座標(X,Y,Z)を計算する必要があります。
上の図のθについて、記事には「エレメントが地面に対してなす角」と書かれていますが、次の図のように定義しておきました。この記事で言っていることはこういうことだろうと思います。


  シミュレーションするエレメントの形状



  上の図をさらにわかりやすくした図
左の図はθ=90°の場合で、エレメントはY-Z平面上にあります。ℓはエレメントの長さ。
右の図は傾斜角度θの場合のエレメントを、Y軸側から見た側面図。θが変化すると半径mの円を描きます。


  a,b,cを計算する式
エレメントの長さℓと角度α、角度θが決まるとa,b,cが求められます。エクセルなどで作ればいろいろな形のインバーテッドVアンテナのシミュレーションができます。

ということで、α=90°、θ=70°、ℓ=5.31mでシミュレーションしたのが次のデータです。
なお、角度αをいちばん上の図に書かれた60°でなく90°にしたのは、放射抵抗を50Ωに近づけるためです。


  アンテナの定義



  アンテナのパターン

これはθ=70°のパターンですが、X軸の前と後でパターンに目立つほどの差はありません。
試しに、α=90°、θ=90°、ℓ=5.31mでシミュレーションしてみましたが、データ的にはほとんど同じでした。

シミュレーションして感じたのは、θの変化による影響よりも、給電点の地上高を変化させた場合のデータへの影響が大きいということです。
今回のシミュレーションは地上高λ/2(=10.6m)で計算してあります。これをたとえば9mにするだけで、ずいぶん結果が変わります。
ただし、これはあくまでもMMANAを使ったシミュレーションでの話ですから、本当のところは現物でテストしてみないとわかりません。

このブログの過去の記事に、地上高による影響についてのグラフを載せた記事があるので、そのリンクを貼っておきます。

ダイポールアンテナW735の設置と調整


 

以前バランなしの430MHz用4エレ八木アンテナを試作しましたが、その記事の最後の方でバランをどうするかということを検討しました。

移動用 430MHz 4エレ八木 の試作

その時、まずシュペルトップバランを検討したのですが、製作が難しそうに思えました。しかも使える帯域幅があまり広くないという情報もありました。
そして、それよりもUバランの方が動作も確実そうだし、作りやすいのではないかということになりました。
Uバランを使って給電するためには、インピーダンス200Ωのアンテナが欲しいわけで、それをシミュレーションしました。
 
◎ シミレーション結果による試作は、この記事の最後にあります。




  形状


  定義


  パターン(SWRは200Ω基準

ラジエータはフォールデッド・ダイポール型です。これで200Ωになります。
ラジエータ以外のエレメントの位置と長さは、以前試作した50Ω給電タイプの八木アンテナと同じです。シミュレーションの時には、いくらか数値を変えて試したのですが、変えてもあまり良い結果は得られませんでした。

製作することを考えると、形状の図のRaとD1の間隔bは3cmと短いので、作ってみて動作が不安定であれば、位置を決めるためのスペーサーのようなものが欲しくなるかもしれません。

◎ 給電点は、リフレクタ側です。なお、これをディレクタ側にしても、ラジエータの長さを少し変えると同じような結果が得られました。

◎ ラジエータを90度回転させたタイプもシミュレーションしましたが、これもラジエータの長さを少し変えるだけで、似たような結果が得られました。

◎ 形状の図のラジエータのaの幅は2cmですが、これを1cmにしてもラジエータの長さを少し長くすると同じような結果になりました。この場合エレメントの位置関係は変えないので、aを1cmにするとbは3.5cmになります。



《 試作 》

前回製作した50Ω直接給電タイプのアンテナをUバラン給電タイプに作り変えてみました。



寸法はシミュレーションのデータと同じです。



  Uバランと給電部

Uバランに使用した同軸ケーブルはRG-58A/Uです。長さは1/2λ(短縮率0.67)です。

3本の同軸ケーブルの網線の接続は、0.55mm径の銅線を巻きつけてから、ハンダ付けしました。
給電する芯線には圧着端子を付けてハンダ付けしました。
それからエポキシ接着剤で固めておきました。

なお、今回給電に使った同軸ケーブルの長さは、433MHzでほぼ4λです。


 SWRとスミスチャート  NanoVNAの画面 ( SWRの目盛りは0.1 )

シミュレーション通りの寸法で433MHzあたりで共振しています。
微調整であれば、ループになっているラジエータの形状を少し変えることにより可能です。

ラジエータの長さ自体を変えたい時は、ラジエータをそっくり作り直すのがいちばん簡単な方法で、時間もかからないと思います。


少しだけ長くしたいのであれば、エレメントそのものはそのままにして、エレメントの外側に銅線をハンダ付けすれば、エレメントが太くなった分だけ長くなるはずです。

ほんの少しの形状の変化で放射抵抗も変わるようです。いろいろ試してみると面白そうです。
たとえば、ラジエータの両端の2cmの銅線に小さく切ったアルミホイルを巻き付けたら、SWRが1.1以下に下がりました。これの理由はわかりませんし、アンテナの性能がそれでよくなったわけでもないように思います。
また、フォールデッドダイポールの前後のエレメントの太さの比を変えることで放射抵抗を調整することもできるらしいです。


SWRは1.2から1.4程度で収まるようなので、実用では問題ありません。
ちなみに、SWRが1.5の時の反射波電力がいくらなのか確認したところ、出力の4%くらいでした。ですからSWR1.5以下であれば、一般には良好な状態といえるわけです。

SWRの周波数特性を見て思うのですが、Uバラン使用タイプの場合はUバラン自体の周波数特性の影響も当然あるはずです。50Ω直接給電タイプであればその影響はないわけですが、それでもやはりバランはあった方が良いものなのでしょうね。よくわかりませんが。


《 少しいじってみました 》



試しにラジエータの両端に銅線をハンダ付けして足してみました。


  銅線をハンダ付けした後のSWRとスミスチャート ( SWRの目盛りは0.1 )

SWRは少し良くなりましたが、実用上は変わらない程度です。
作業でラジエータを外したり付けたりしているので、それで少し位置がずれたり形状が変わったりして、それもデータに影響しているはずです。

せっかく作ったものなので、しばらくこの状態で使ってみたいと思います。

その後近くの展望台で交信に使ってみましたが、結果は良好でした。