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hellocqcqのメモ帳

アマチュア無線に関連した記事など

以前バランなしの430MHz用4エレ八木アンテナを試作しましたが、その記事の最後の方でバランをどうするかということを検討しました。

移動用 430MHz 4エレ八木 の試作

その時、まずシュペルトップバランを検討したのですが、製作が難しそうに思えました。しかも使える帯域幅があまり広くないという情報もありました。
そして、それよりもUバランの方が動作も確実そうだし、作りやすいのではないかということになりました。
Uバランを使って給電するためには、インピーダンス200Ωのアンテナが欲しいわけで、それをシミュレーションしました。
 
◎ シミレーション結果による試作は、この記事の最後にあります。




  形状


  定義


  パターン(SWRは200Ω基準

ラジエータはフォールデッド・ダイポール型です。これで200Ωになります。
ラジエータ以外のエレメントの位置と長さは、以前試作した50Ω給電タイプの八木アンテナと同じです。シミュレーションの時には、いくらか数値を変えて試したのですが、変えてもあまり良い結果は得られませんでした。

製作することを考えると、形状の図のRaとD1の間隔bは3cmと短いので、作ってみて動作が不安定であれば、位置を決めるためのスペーサーのようなものが欲しくなるかもしれません。

◎ 給電点は、リフレクタ側です。なお、これをディレクタ側にしても、ラジエータの長さを少し変えると同じような結果が得られました。

◎ ラジエータを90度回転させたタイプもシミュレーションしましたが、これもラジエータの長さを少し変えるだけで、似たような結果が得られました。

◎ 形状の図のラジエータのaの幅は2cmですが、これを1cmにしてもラジエータの長さを少し長くすると同じような結果になりました。この場合エレメントの位置関係は変えないので、aを1cmにするとbは3.5cmになります。



《 試作 》

前回製作した50Ω直接給電タイプのアンテナをUバラン給電タイプに作り変えてみました。



寸法はシミュレーションのデータと同じです。



  Uバランと給電部

Uバランに使用した同軸ケーブルはRG-58A/Uです。長さは1/2λ(短縮率0.67)です。

3本の同軸ケーブルの網線の接続は、0.55mm径の銅線を巻きつけてから、ハンダ付けしました。
給電する芯線には圧着端子を付けてハンダ付けしました。
それからエポキシ接着剤で固めておきました。

なお、今回給電に使った同軸ケーブルの長さは、433MHzでほぼ4λです。


 SWRとスミスチャート  NanoVNAの画面 ( SWRの目盛りは0.1 )

シミュレーション通りの寸法で433MHzあたりで共振しています。
微調整であれば、ループになっているラジエータの形状を少し変えることにより可能です。

ラジエータの長さ自体を変えたい時は、ラジエータをそっくり作り直すのがいちばん簡単な方法で、時間もかからないと思います。


少しだけ長くしたいのであれば、エレメントそのものはそのままにして、エレメントの外側に銅線をハンダ付けすれば、エレメントが太くなった分だけ長くなるはずです。

ほんの少しの形状の変化で放射抵抗も変わるようです。いろいろ試してみると面白そうです。
たとえば、ラジエータの両端の2cmの銅線に小さく切ったアルミホイルを巻き付けたら、SWRが1.1以下に下がりました。これの理由はわかりませんし、アンテナの性能がそれでよくなったわけでもないように思います。
また、フォールデッドダイポールの前後のエレメントの太さの比を変えることで放射抵抗を調整することもできるらしいです。


SWRは1.2から1.4程度で収まるようなので、実用では問題ありません。
ちなみに、SWRが1.5の時の反射波電力がいくらなのか確認したところ、出力の4%くらいでした。ですからSWR1.5以下であれば、一般には良好な状態といえるわけです。

SWRの周波数特性を見て思うのですが、Uバラン使用タイプの場合はUバラン自体の周波数特性の影響も当然あるはずです。50Ω直接給電タイプであればその影響はないわけですが、それでもやはりバランはあった方が良いものなのでしょうね。よくわかりませんが。


《 少しいじってみました 》



試しにラジエータの両端に銅線をハンダ付けして足してみました。


  銅線をハンダ付けした後のSWRとスミスチャート ( SWRの目盛りは0.1 )

SWRは少し良くなりましたが、実用上は変わらない程度です。
作業でラジエータを外したり付けたりしているので、それで少し位置がずれたり形状が変わったりして、それもデータに影響しているはずです。

せっかく作ったものなので、しばらくこの状態で使ってみたいと思います。

その後近くの展望台で交信に使ってみましたが、結果は良好でした。



 

現状、ダイヤモンドのW735に21MHz用のエレメントを追加で付けているのですが、今は21MHzは他のアンテナで出られるので、このエレメントにワイヤーを継ぎ足して14MHzに出ることを考えました。
そのMMANAによるシミュレーション結果です。


  定義



  形状
上のエレメントが7MHz用のエレメント、下のエレメントが14MHz用のエレメント。


  パターン(14.150MHz)

14MHzのエレメントは逆V型ダイポールアンテナですから、形状の図の角度θによって抵抗成分が変わります。給電点の地上高の影響も大きそうです。
設置する現場の制約もあるわけで、現場で現物合わせすることになります。

21MHzの場合のように7MHz用のエレメントにたくさん電流が載ることはありませんが、角度θが狭くなったので垂直偏波の成分が増え、そのためかGaはあまり大きくなりません。
しかし、実用的にはこれで使えそうな気もします。



 


前回シミュレーションしたアンテナを作りました。

50MHz 1λループアンテナのシミュレーション

◎◎◎ テスト運用で、オーディオのアクティブサブウーファーへのインターフェアが発生しました。
その対策については、この記事の最後に書いておきました。


以下は製作記事です。


  製作した 50MHz 1λループアンテナ
ロープで吊って使います。給電点は地上高5.5mくらいです。
吊っただけでは回転してしまうので、横方向からもロープで引いておく必要があります。
左側のエレメントは色が黒いので写真ではわかりづらいですが、右側と同じようにエレメントが張ってあります。


  給電部
Qマッチ用の75Ωの5C-2Vの長さはほぼ1mです。短縮率の規格は67%です。ただ、コネクターのどの部分から測るか、アンテナとの接続点の位置をどことみるかによって10mmくらいは簡単に変わってしまいます。
縦棒にはダンポール(8mm径 2.7m)を使いました。給電部付近は塩ビパイプを付けて作業しやすくしてあります。

ダンポールの使い方などについては以前の製作記事を見てもらえばと思います。
ダンポールを使った製作記事 (モクソン風 21MHz 2エレ八木アンテナの試作)



  縦棒の上部
エレメントは2芯のVVFケーブル(2mm径)を裂いて使いました。
エレメントは上部で左右の銅線を接続していますが、写真のように両方の銅線を重ねて、それを細い銅線でぐるぐる巻きにしただけです。これだと長さを調整するのは簡単です。


  横棒の端部
横棒はダンポール(5.5mm径 2.4m)2本を使いました。2本にしたのは剛性を高めるためです。

 測定結果(NanoVNAの画面)
給電点の地上高は5.5mくらいです。
測定はフロートバランを付けた状態で行いました。フロートバランの写真はこの記事の最後の方にあります。
インターフェア対策のところに書いてありますが、このアンテナにフロートバランが必要かどうかは不明です。
前回のシミュレーションの記事で書いたように、同軸ケーブルでの給電にバランは必要ないというのはその通りでしょうが、インターフェアについて全く問題がないかどうかはわかりません。
今回はせっかく付けたので、このままフロートバランを付けて使用するつもりです。
付けたフロートバランの経年変化を見るだけでも、付けた価値はあります。



  50Ω同軸ケーブルと75Ω同軸ケーブルの接続点での特性
横軸はひと目盛1MHz、縦軸のSWRはひと目盛0.2です。
このSWRのグラフを見る限りでは、使えそうな感じです。
SWRが1.05ですから、Qマッチも正常に機能しているように見えます。

1/4λの75Ω同軸ケーブルの後なので、スミスチャートのグラフの形は、アンテナ自体のグラフを180度回転したのと似た形になっています。形は似ていますが、数値の絶対値は0.44倍くらいになっているはずです。


  50Ω同軸ケーブルとリグの接続点での特性
共振点でのSWRは前のグラフとほとんど同じですが、帯域は広くなったように見えます。これは5D-2V(長さ15m)の損失の影響でしょうか。

スミスチャートの形が測定した位置で大きく変わるのは、長さ(15+α)mのケーブルの影響です。ざっと計算しても49MHzで3.657λ、53MHzで3.955λなので、グラフの初めと終わりでは0.3λくらいグラフの位置の回転が違ってきます。ということは200度以上違ってくるということです。


  50Ω同軸ケーブルとリグの接続点での特性( マーカーはSWR=1.5 )
共振周波数は50.2MHzといくぶん低めですが、SWR=1.5以下で51.4MHzあたりまでカバーできています。
実際に使うのは、SSBで使う範囲だけのように思います。


《 インターフェア対策 》
初めてのテスト運用で送信したら、自分の声に反応してアクティブサブウファーからモゴモゴと音がしたのでびっくりしてしまいました。
それで、ひととおり影響を調べたのですが、インターフェアが出ているのはアクティブサブウーファーだけでした。


 用意した部品
左のパッチンコアは[220Ω@100MHz]というものです。amazonで1個当たり100円くらいで手に入ります。
amazonで検索すると似たようなパッチンコアがたくさん出てきますが、私が使ったのは[Laird-Signal Integrity Products]で検索すると出てくる内径9.00mmのヒンジ式です。

右は定番のFT240-43です。これはヤフオクで1000円くらいでした。

ということで、できればインターフェアの原因を元から断ちたいと思って、まずは5D-2Vのアンテナ側にパッチンコアを20個付けてみましたが、効果はありませんでした。
次に、同じ位置に普通の巻き方で8回巻いたトロイダルコアを付けました(次の写真)。しかし効果はありませんでした。


  フロートバラン(のつもり)

(追記1)ケーブルをコアにもっと密着するように巻くべきなのかもしれません。磁束がコアを通過しなければ意味ないですから。
それから、フロートバランには発熱の問題もあるようなので、これを参考にする場合は自己責任でお願いします。当方素人なもので理論的なことはよく分かりませんです。

なお、興味のある方には、大進無線のフロートバランの自作セットの記事が参考になるかもしれません。

(追記2)『トロイダル・コア活用百科』を見ると50MHzの場合、#43材で普通の巻き方での8回巻きでは、インピーダンスは必ずしも充分ではなさそうです。

また同軸ケーブルを巻く場合、50MHzになると、これ以上巻き数を増やしてもそれほど効果はないかもしれません。
では#61材ならよいかというと、50MHzではそうともいえないようです。難しいですね。
また、巻き方はW1JR巻きが効果的なようです。


(追記3)私が作ったようなコイルは、自己共振周波数が50MHzよりも低い所にある可能性があり、自己共振周波数より上の周波数の場合、インダクタとしては機能しないらしいです。
(機能しないと言ってもそれは全体としてのリアクタンスの話であって、それぞれインダクタはインダクタとして機能し浮遊容量は浮遊容量として機能している並列回路のイメージです。
それから、同軸ケーブルの芯線とシールド線でインダクタと浮遊容量の効き方が同じなのか違うのか、私にはそのあたりが分かりません。)
また、巻き数が増えるほど線間容量が増えて自己共振周波数が下がるようです。

その点パッチンコアは、同軸ケーブルを巻かずに付けるだけですから、自己共振周波数の心配はほとんどなさそうです。そう考えると50MHzのような周波数では、パッチンコアを大量に付ける方法がフロートバランとして有効かも(かも?)しれません。50MHzの場合、上記のパッチンコアを40個付ければ3KΩ以上にはなりそうな(そうな?)気がします。気がする程度ですが・・・


なお、これらの情報は聞きかじり読みかじりのもので正確な情報とはいえませんので、ご注意ください。
それと基本的なことですが、「1λループアンテナには自己平衡作用があるので、その給電点に同軸ケーブルを直接接続してもあまり問題はありません」というようなことがいくつかの本に書いてありました。


(追記4)私が今気になっているのは、自己共振周波数より高い周波数ではフロートバランとして機能していないのではないか??ということです。
下に示すような方法で測れば自己共振周波数より高い周波数でもそれなりに減衰はしそうですが、フロートバランとしてはさすがに機能しなさそうになんとなく思います。

この図はRFワールド№52の54ページにあったものです。同軸ケーブルをトロイダルコアに巻いて作ったコモンモードフィルタの減衰特性を測定する方法です。

仮定の話ばかり多くなってしまいましたが、写真のフロートバランを付ける前と後でリグから見たアンテナの特性が大きく変わったわけではないので、今回私が付けたフロートバランがアンテナの性能にはっきりした悪影響を与えているということはなさそうです。
この記事の上の方に載せてあるVNAのグラフはフロートバランを付けた状態でのものですが、次の写真はフロートバランを付ける前のグラフです。



  50Ω同軸ケーブルとリグの接続点での特性(フロートバランなし)
共振周波数が少しずれましたが、ほぼ同じグラフです。
 ・・・追記終わり・・・



フロートバランはせっかく付けたのでそのままにしておいて、次にパッチンコアでアクティブサブウーファー自体に対策しました。アクティブサブウファーは同じものを2台使っているので、1台当たり10個のパッチンコアを使いました。
ACラインとRCAケーブルに適当に付けたところ、うまい具合にインターフェアが完全になくなりました。
同軸ケーブルをアクティブサブウファーのすぐそばに寄せておいて50Wで送信してもOKでしたので、これでしばらく運用してみることにしました。

◎◎ サブウファー2台をA・Bとすると、AのRCA出力端子とBのRCA入力端子を繋いでいるので、ACラインを介してAとBがループを構成しています。このループがアンテナになって50MHzに共振してしまっている可能性も考えられます。ほかにもいろいろなループや、アンテナとして動作しそうな配線が考えられるので、コネクタを付けたり外したりして調べれば、ある程度問題の箇所が絞り込めるかもしれません。ACラインのコンセントを逆に差し込むだけでもインターフェアの出方は変わるかもしれません。


当局は群馬県ですが、出力20W・SSBで鹿児島県の局と交信して、コンディションがあまり良くないにもかかわらず57のレポートをいただきましたので、アンテナとしてはいちおう正常に動作しているように思います。

その後、北海道との交信もできてSSBで59のレポートをいただきました。
50MHzのコンディションが良くなるのはこれからのようなので楽しみです。


《 追記 2023.12.24 》
AMコンテストがあって50Mで出ている局がありましたので、何局かと交信させていただきました。冬ですからEスポはでていませんので、直接波のみの交信だったと思います。
設置高さが低いので、直接波での交信は厳しかったです。Eスポの時には九州や北海道と交信できたのに、直接波だと70km先との交信も厳しい感じでした。無線は難しいですね。

それから、1λループとは言っても指向性はちゃんとあるわけで、直接波の場合アンテナの向きで受信強度はかなり変動するようでした。なお、私のアンテナは吊り下げ式なので、向きの変更そのものは簡単です。
ふだん50Mはほとんど聞こえないのですが、直接波で交信するためには設置高さが重要だという当たり前のことが、今回よくわかりました。そういえばAMコンテストに出ている人も移動局が多かったようです。移動局の電波でないと当局には聞こえなかったということかもしれませんが・・・そういうことか。