FT-450DMについては、今のところ不満はありません。
アンテナチューナーが内蔵されていた機種を購入したのは正解でした。
あれば便利な機能のようです。
安定化電源のGSV3000は、トランスタイプのオーソドックスな電源です。ファンの音が少ししますが、無線をするときしか電源を入れませんから、全く問題ありません。
アンテナのW735は、3.5MHzと7MHzに出られるので、便利です。
今回の設置では給電点が7mHくらいで両端が10mHくらいですが、SWRは3.5MHzと7MHzの両方で、リグのSWRメータの最低レベルに調整できました。しかも3回程度の調整で終了しました。調整エレメントを切ってしまわずに折り返したので、わりと大胆に調整できたということもあるだろうとは思います。
なお、給電点が7mHなので、3.5MHzでは雨が降るとSWRが急激に悪化します。たぶん地面が乾燥しているか濡れているかで放射抵抗が大きく変わるためだろうと思います。7MHzの方はそれほど影響を受けないので雨が降っても使えます。
コンディションや時間帯によって7MHz帯が静かになってしまうことがあるのですが、そんなときは3.5MHz帯がにぎやかです。
3.5MHz用の短縮ダイポールアンテナを自作するのは大変なことですから、お手頃な価格でこのアンテナが手に入ることはすばらしいことだと思いました。
3.5MHzと7MHzに出られれば、今のところそれで充分な感じです。
ハンディー機のV/U帯では、交信範囲がほぼ関東地方に限定されていましたから、HFにしたことで全国津々浦々とつながるようになって、一気に世界が広がった感じです。
それから、我家のご近所の家々には、「今度アンテナを立てたので、何かあったら連絡くださいね」とお願いしておきました。50Wで平衡型アンテナですからまず大丈夫だと思いますが、オーディオからアマチュア無線が聞こえたりするかもしれません。
雷については、怖いですけれどよくわかりません。今回設置したダイポールアンテナは支柱と2m離れているので、アンテナへの直撃がなければ大丈夫かもしれません。
GPアンテナのX200の方が怖そうですけれど、どちらにしても、雷の来そうな時にはコネクターを外しておきます。
コネクターをいじっているときに落雷したら無事では済まないので、早めに外しておきましょう。
《 スミスチャートについてのまとめ 》
今後たとえばアンテナアナライザーを購入したりすれば別ですが、でなければスミスチャートを使う機会はないだろうと思いますので、現状でわかっていることを整理しておきます。
まず「なぜSWRメータだけでアンテナの調整が可能なのか」という素朴な疑問がありました。この疑問についてはスミスチャートを見ると納得できると思います。

このスミスチャートにはいろいろなことが書きこまれているので、ごちゃごちゃしています。
このごちゃごちゃしたところが、スミスチャートのすごいところです。一枚のチャートでいろいろな情報が読み取れるということです。
SWRの値が一定の円は、Y点を中心にしてコンパスで書き込んだ円です。
たとえば、書き込んだ円のうちでいちばん小さい円がSWR1.5の円です。
SWRが1.5以内のとき、インピーダンスはこの円の内側の値に収まっています。
SWRが1に近づけば近づくほど円は小さくなって、測定点のインピーダンスは給電線の特性インピーダンスに近づきます。
測定インピーダンスは給電線の長さで変わりますが、SWRは給電線の長さでは変わりません。
給電線の長さではSWRが変わらないというのは、アンテナの調整作業がしやすいということで、大きなメリットです。ただし、これは給電線にロスがないと仮定した場合の話です。給電線にロスがあると見かけのSWRが良い値になってしまうので注意が必要です。
それから、このスミスチャートに、給電線の長さで入力インピーダンスがどう変わるかの例を書き込んでおきました。
給電線の特性インピーダンス 50Ω
負荷インピーダンスを Z=25 + j25 とする。
正規化すると Zn=0.5 + j0.5 《スミスチャート上の α点 )
α点のSWRは2.6
** 給電線の長さ 0.3λ の場合の入力インピーダンスを求める
スミスチャートは給電線の長さ0.5λで1周する。
給電線の長さによってSWRは変わらないから、SWR2.6の円上を 0.3λ 電源方向に回ると β点で、 0.59 - j0.65
入力インピーダンスZinは Zin=50×(0.59 - j0.65) =29.5 - j32.5
この例は本に載っていたデータをそのまま使ったのでたぶん正確ですが、実際にスミスチャートの上にコンパスで円を描いて、その交点の数値を読み取るのは、面倒な細かい作業だと思います。
それにしてもケーブルの長さによって測定点でのインピーダンスがころころ変わるというのは、確かにそうなんでしょうけれど、理論的にはまだ理解できていません。
設置までにだいぶん時間がかかりましたが、とうとう調整の段階を迎えました。
当初想定していたより給電点の高さが低くなってしまったので、3.5MHzのSWRは下がらないんじゃないかと心配していたのですが、問題なく下がりました。
SWRが思いのほか低く収まったので、給電点を高く引き上げる必要がなくなり、アンテナを無理に引っ張らずに済みました。よかったです。

3.555MHzのSWR
SWRメータがひと目盛点灯しています。1.5よりは充分に低いということです。
FT-450DM内臓のSWRメータですから、精度はあまり高くないのかもしれません。しかしFT-450DMはATUを内蔵した機種ですから、SWRメータがそれほどいい加減なはずはないです。
それからもちろんこのSWRはATUをパスした状態でのSWRです。
操作方法は、FT-450DMの<C.Sボタン>にSWR測定の機能を割り付けて測定します。
なぜ給電点の高さがこんなに低い(高さ7m)にもかかわらず3.5MHz帯のSWRが下がるのかが今回の最大の疑問です。
《 追記 》
給電点が低いのにSWRが下がる理由がだいたいわかりました。
給電点が低いとSWRが悪くなるという私の思い込みはMMANAを使ったシミュレーションの結果から来ているのですが、そもそもこの思い込みが間違っていたのでした。
MMANAのマニュアルをもう一度確認したところ以下の記述がありました。

3.5MHzの場合の地上高10mは「地上高が波長と比較してかなり低い場合」に相当するようです。
したがってシミューレション結果のZとSWRの値は正しくなかったということになります。
これを裏付ける資料として、次のグラフがあります。

『ワイヤーアンテナ(CQ出版社)』 18ページ
このグラフの点線が「乾燥大地の場合」ということで、乾いた地面の場合にはこれに似たインピーダンス特性になるのだと思います。
SWRはインピーダンスによって決まってくるので、地上高が低くてもSWRはそれほど悪くならないということになります。
ただし地上高が低いと打ち上げ角が大きくなって、そのため電波があまり遠くに飛ばないようです。
探すとこんな資料もありました。

『特選 ハムのアンテナ製作集 (CQ出版社)』 19ページ
7MHz水平ダイポールアンテナをシミュレーションしたデータですが、Rの計算にNEC2という計算エンジンを使っているようです。
このシミュレーションでは、Rは地上高が波長の1/10でも50Ωくらいに留まっています。
打ち上げ角や共振周波数のグラフも参考になります。
なお、今回の地上高では、雨が降って地面が濡れると、3.5MHzのSWRは急激に悪化します。理由は地面が「乾燥大地」ではなくなるからです。
雪の影響については、当局の住む所は雪がめったに降らないのでわかりませんが、雪があればたぶんその影響を受けるだろうと思います。
雨が降ると3.5MHzでの送信はできなくなりますが、7MHzの方はほとんど雨の影響を受けないので、雨が降っても使えます。
W735はなかなかおもしろいアンテナで、使ってみると勉強になります。こんなシンプルなアンテナでも使ってみないとわからないことが多いです。
《 W735の今回の設置データ 》
( 設置方法は、第一電波工業のW735の取扱説明書を参照してください )
◎ 設置方式 : 両端を支柱(約10.5m)で支持した2点支持タイプ(取説のBの方式)
◎ 給電点の高さ :約7m

◎ 調整エレメント(7MHz) : 30cmのエレメントを折り返して15cmにしたもの。(写真参照)
◎ 調整エレメント(3.5MHz) : 50cmのエレメントを折り返して25cmにしたもの。(写真参照)
《 SWRの測定結果 》

図AはFT-450DMのSWRの表示のイメージ図。上の写真のSWRメータの部分を図にしたものです。
図のようにSWRメータの目盛はかなり簡略なものです。グラフを描くためにその目盛をあえて数字に置き換えました。したがって数字はかなりアバウトです。
図Bは3.5MHz帯の最終的なグラフ。調整するときはもっと真ん中だったのですが、最後にしっかり絶縁テープを巻いたりしたらずれました。しかしこれで実用的にはOKだと思います。
図Cは7MHz帯の最終的なグラフ。こちらも少しずれましたが、問題ありません。
交信はまだあまりしていませんが、SSBの7MHzで韓国安城市、SSBの3.5MHzで姫路市と問題なくQSOできました。当局のQTHは群馬県、送信出力は20Wでした。
《 設置したアンテナの写真など 》

中央のバランから南側の支柱まで

北側の支柱
北側の支柱は住居のすぐ横なので、GPアンテナのX200が載っています。写真では傾いて見えますがまっすぐ立っています。両側の支柱に滑車を付けました。動きはスムーズです。

バラン
同軸ケーブルのコネクターに荷重がかからないように、同軸ケーブルの途中をロープで吊ってみました。おまじないのパッチンコアも5個付けてあります。

無線機
安定化電源がいくぶんオーバースペックですが、安心感はあります。
とりあえずこれで、使えるようになりました。
九州・韓国までSSB・20Wでつながることも確認できました。めでたしめでたし。
同軸ケーブルが偶然半波長だったということで、『ディップメータで共振周波数が測れる』と思っていたのですが、落とし穴がありました。
まず、このブログの12月27日の記事『ケーブルの波長短縮率』の記事にある「 1/2λの同軸ケーブルを使った共振周波数の測定」の図をよく見ると、左の図はアンテナと同軸ケーブルが直結されており、右の図では「ソータ・バラン」を介して接続されています。
ところが私の設置したW735のバランは「強制バラン」です。
結論から言えば「強制バランを使って同軸ケーブルに接続したダイポールアンテナの場合、ディップメータのディップがはっきりせず、正確な測定はむずかしいらしい」ということです。
理論的なことはよくわかりませんが、強制バランはソータ・バラン(フロート・バラン)に比べると、共振点がぼやける傾向があるようです。

参考資料 強制バランは共振の中心周波数が確認しづらい
この図はSWR計を使った中心周波数の測定のイメージ図です。この図はあくまでもイメージ図でして、実際には強制バランでもゆるやかにカーブを描くので、中心周波数はだいたいわかるはずです。ただある程度の幅を持ちます。
SWR計で確認しづらいくらいですから、ディップメータではもっと確認しづらいということだと思います。
もちろんディップメータで測定する方法はあります。共振点の測定用に同軸ケーブルとエレメントのワイヤーを直結する治具を作って、それを強制バランの位置に仮置きして共振点を測定すればよいのです。治具を作るのはそれほどの手間ではありません。
しかし、残念ながらこのことに私が気づいたのは、同軸ケーブルと強制バランを自己融着テープでしっかり防水した後でした。
それに、別にディップメータを使わなくてもSWR計で共振点の調整はできます。その方が正確に調整できますし、SWR計を使った調整方法が現在の一般的な方法です。
ちなみに、この『落とし穴』にはまったこと気づくまでには多少の時間がかかりまして、それまでに下の写真のような測定用のクリップを作りました。

ワンターン用は前回のものを少し大きく作り直しました。
ツーターン用に使った銅線は絶縁被覆してある銅線です。
写真のツーターン用を使うと7MHz帯ではディップが確認できましたが、3.5MHzでは結局無理でした。
その後、アンテナをリグにつなぐところまで進みました。
実際に使ってみると、FT-450DM内臓のSWR計は使いやすくて、アンテナのだいたいの傾向はすぐにつかめるようです。
今日はあいにく雨が降っているのでアンテナの調整はしません。アンテナや地面が乾いてから調整するつもりです。
無調整の現状でも、7MHz帯は使用可能なSWR(1.1~1.5)になっています。しかし今日はお空のコンディションが良くないようです。
3.5MHz帯は話し声がにぎやかに聞こえています。しかしこちらはSWRが高いので、送信することはできません。無理すると送信機を壊します。
ちなみに、念のため送信出力は10Wに設定しておきました。様子を見て徐々に上げることになると思います。