設置までにだいぶん時間がかかりましたが、とうとう調整の段階を迎えました。
当初想定していたより給電点の高さが低くなってしまったので、3.5MHzのSWRは下がらないんじゃないかと心配していたのですが、問題なく下がりました。
SWRが思いのほか低く収まったので、給電点を高く引き上げる必要がなくなり、アンテナを無理に引っ張らずに済みました。よかったです。

3.555MHzのSWR
SWRメータがひと目盛点灯しています。1.5よりは充分に低いということです。
FT-450DM内臓のSWRメータですから、精度はあまり高くないのかもしれません。しかしFT-450DMはATUを内蔵した機種ですから、SWRメータがそれほどいい加減なはずはないです。
それからもちろんこのSWRはATUをパスした状態でのSWRです。
操作方法は、FT-450DMの<C.Sボタン>にSWR測定の機能を割り付けて測定します。
なぜ給電点の高さがこんなに低い(高さ7m)にもかかわらず3.5MHz帯のSWRが下がるのかが今回の最大の疑問です。
《 追記 》
給電点が低いのにSWRが下がる理由がだいたいわかりました。
給電点が低いとSWRが悪くなるという私の思い込みはMMANAを使ったシミュレーションの結果から来ているのですが、そもそもこの思い込みが間違っていたのでした。
MMANAのマニュアルをもう一度確認したところ以下の記述がありました。

3.5MHzの場合の地上高10mは「地上高が波長と比較してかなり低い場合」に相当するようです。
したがってシミューレション結果のZとSWRの値は正しくなかったということになります。
これを裏付ける資料として、次のグラフがあります。

『ワイヤーアンテナ(CQ出版社)』 18ページ
このグラフの点線が「乾燥大地の場合」ということで、乾いた地面の場合にはこれに似たインピーダンス特性になるのだと思います。
SWRはインピーダンスによって決まってくるので、地上高が低くてもSWRはそれほど悪くならないということになります。
ただし地上高が低いと打ち上げ角が大きくなって、そのため電波があまり遠くに飛ばないようです。
探すとこんな資料もありました。

『特選 ハムのアンテナ製作集 (CQ出版社)』 19ページ
7MHz水平ダイポールアンテナをシミュレーションしたデータですが、Rの計算にNEC2という計算エンジンを使っているようです。
このシミュレーションでは、Rは地上高が波長の1/10でも50Ωくらいに留まっています。
打ち上げ角や共振周波数のグラフも参考になります。
なお、今回の地上高では、雨が降って地面が濡れると、3.5MHzのSWRは急激に悪化します。理由は地面が「乾燥大地」ではなくなるからです。
雪の影響については、当局の住む所は雪がめったに降らないのでわかりませんが、雪があればたぶんその影響を受けるだろうと思います。
雨が降ると3.5MHzでの送信はできなくなりますが、7MHzの方はほとんど雨の影響を受けないので、雨が降っても使えます。
W735はなかなかおもしろいアンテナで、使ってみると勉強になります。こんなシンプルなアンテナでも使ってみないとわからないことが多いです。
《 W735の今回の設置データ 》
( 設置方法は、第一電波工業のW735の取扱説明書を参照してください )
◎ 設置方式 : 両端を支柱(約10.5m)で支持した2点支持タイプ(取説のBの方式)
◎ 給電点の高さ :約7m

◎ 調整エレメント(7MHz) : 30cmのエレメントを折り返して15cmにしたもの。(写真参照)
◎ 調整エレメント(3.5MHz) : 50cmのエレメントを折り返して25cmにしたもの。(写真参照)
《 SWRの測定結果 》

図AはFT-450DMのSWRの表示のイメージ図。上の写真のSWRメータの部分を図にしたものです。
図のようにSWRメータの目盛はかなり簡略なものです。グラフを描くためにその目盛をあえて数字に置き換えました。したがって数字はかなりアバウトです。
図Bは3.5MHz帯の最終的なグラフ。調整するときはもっと真ん中だったのですが、最後にしっかり絶縁テープを巻いたりしたらずれました。しかしこれで実用的にはOKだと思います。
図Cは7MHz帯の最終的なグラフ。こちらも少しずれましたが、問題ありません。
交信はまだあまりしていませんが、SSBの7MHzで韓国安城市、SSBの3.5MHzで姫路市と問題なくQSOできました。当局のQTHは群馬県、送信出力は20Wでした。
《 設置したアンテナの写真など 》

中央のバランから南側の支柱まで

北側の支柱
北側の支柱は住居のすぐ横なので、GPアンテナのX200が載っています。写真では傾いて見えますがまっすぐ立っています。両側の支柱に滑車を付けました。動きはスムーズです。

バラン
同軸ケーブルのコネクターに荷重がかからないように、同軸ケーブルの途中をロープで吊ってみました。おまじないのパッチンコアも5個付けてあります。

無線機
安定化電源がいくぶんオーバースペックですが、安心感はあります。
とりあえずこれで、使えるようになりました。
九州・韓国までSSB・20Wでつながることも確認できました。めでたしめでたし。