イラスト&ショートストーリー製作工場 -18ページ目

「ヒーローの行き着くところ」

飛馬が、星一徹監督率いる中日戦に
マウンドに立とうとした時も

矢吹ジョーが、世界王者ホセ戦へと
リングに上がろうとした時も

ボクはボクなりに、精一杯、彼らをひき止めたつもりだ。


でも結局、彼らは自分の道を選んだ。

そこに、悲劇が待っているとしてもね・・・

何回見ても最終話は、口惜しい気持ちになるよ



彼らは、最後に、つぶやくようにボクに言ったんだ。
「シリーズもので2、3をやるよりは、ここで終わる方がマシさ」ってね。


「KEY OF LIFE in 1984」

雨が降っていた。

夜間の道路工事の日雇いバイトは、今日もお流れ。



食パンも買えなくて、掻き集めたレコードアルバムを

渋谷のレコード買い取り店に持ち込んだ。



スティービーワンダーの二枚組みアルバムは

半年前まで勤めていた会社で、初めての給料で買ったものだった。




帰り道、僕は手にした千円札を握りしめ、

頬を打つ雨に、夜空を見上げた。

「故郷の風景と共に失ったものと、そうでないもの」

時の流れの中に置き忘れた親友は、

目をつぶれば汚れたユニホームのままだった。





あれからどれほどの時間が経ったのだろう。


通い慣れた細い田んぼ道は舗装道路になり

真新しい校舎で当時の面影はまったくない。


三十年ぶりの同窓会。


僕の目の前にいるひとは、額にシワ、頬が弛み、

髪の毛が薄くなっていた。


しかし笑うと、

明らかに僕の知っている親友なのだった。