7月のことだったか、
中2の三女と
高3の長女が話をしていた時のこと。
長女は、その日に
自転車を使いたがっていた。
長女の自転車は、次女が乗って出ていて、
予定のない三女に
「自転車を貸してくれん？」
と、長女は聞いた。
すると、三女は
「え〜…やだ〜」
って答えた。
そしたら、長女が
「なんでなん？！今日、特に予定ないんやろ？」
って三女に言った。
おそらく、長女は、純粋に
「なぜ貸してもらえないのか？」の
理由を知りたかったのだと思う。
でも、三女は、長女の
「なんでなん？！」
を「断ることを責められた」
と感じたのだと思う。
ちょっと間が空いて、
三女はふてくされたように
「もういい！使っていいよ！」
って答えた。
そのやりとりを見聞きしていて、
私は三女に伝えた。
「いやいや、ちょっと待とう」
と、私は切り出した。
「あのさ、お姉ちゃんは責めてるんじゃないと思う。
”なんで”は、責める意味じゃなくて
”なぜ？”の意味だと思う」
と、続けた。
そして、私は自分が三女にして欲しいことを言葉にした。
「何が理由でもいいから、
”貸したくない”って思った、〇〇（三女）の気持ちを知りたい。教えて欲しい」
って。
すると、三女は
「だって、あの自転車は私が大事にしとるものやもん。気に入って乗りよるものやもん」
って答えた。
そこまで聞けて、私は純粋に嬉しかった。
なぜなら、三女が、
自分の想いを口にすることを
諦めなかったことで、
三女の「やだな〜」に隠れていた
本当の気持ちを知れたし、
三女のことをもっと理解できたから。
もし、あのまま
「もういい！使っていいよ！」
って、長女に自転車を貸していたら、
三女の
「自転車が大事でお気に入りなんだ」
って気持ちは、
いつまでも誰にも知られることはなかっただろう。
確かに、あの時、
長女は困っていたけど、
困っている人を助けるために、
「自分の気持ちを抑えて、諦める」
っていうのは、違うと思う。
むしろ、長女が
「困っている」
と感じているのと同じように、
三女だって
「え〜…やだな〜」
と感じていい。
だって、
「やだな〜」の奥には、
「本当に大事にしたい想い」が潜んでいるから。
実際に、三女が気持ちを伝えたことで、
長女も
「そっかー。ならいいや。」
って、あっさり、三女の気持ちを
受け止めていた。
私自身を振り返ると、
「相手の気持ちを害さないように」と、
自分の気持ちを表現する前に諦めて、
「いいよ」
って他者に譲っていた時ほど、
モヤモヤ〜って気持ちになることが
よくあったし、
その理由がよく分からなくて、
イライラしやすかったように思う。
そのせいか、人と関わるのも
「あまり好きではないなー」
って思うことがあった。
でも。
コミュニケーションを学び直して、
この1年ちょっとで
少しずつ自分の気持ちを大事に受け止めて
表現できるようになった。
表現できるようになると、
周りの人からも、
「自分の気持ちを大事にしてもらえる」
って感じられるようになる。
その経験を繰り返していくと、
周りの気持ちを大事にできるようにもなる
と、私は、身をもって学んだ。
だからこそ、子供達には、
「自分の気持ちを言語化して
他者と共有できる力を持って欲しい」
って思っているし、
そのためにも、
「自分の気持ちを大事にしてね」
と、今後も我が子に伝え続けていく。
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