昨日は衆議院国土交通委員会の最終日。
この委員会に属する東北の衆議院議員は、
委員 菅家 一郎 議員(自由民主党=東北比例区・福島4区落)
委員 土井 亨 議員(自由民主党・宮城1区)
委員 高橋千鶴子 議員(日本共産党=東北比例区単独)
の三名である。
●請願
今国会での請願は6種481件。各請願について理事会で協議したところ委員会での採否の決定は保留とした。請願名は報告されなかった。
【陳情】
陳情は「持続可能な公共交通実現に向けた地方鉄道に係わる財政措置等に関する陳情」他10件。
【意見書】
地方自治法第99条に基づく意見書は「安全・安心を無視した無秩序なライドシェアの導入に反対し、地域公共交通を守る施策の推進を求める意見書」他49件。
●閉会中審査に関する件
・208衆06 新型コロナウイルス感染症等の影響を受けている観光関連事業者に対する緊急の支援に関する法律案
は立憲民主党の提案。
・208衆18 特定土砂等の管理に関する法律案
・208衆19 土砂等の置場の確保に関する法律案
は日本維新の会の提案。
国土交通行政の基本施策に関する件
国土計画、土地及び水資源に関する件
都市計画、建築及び地域整備に関する件
河川、道路、港湾及び住宅に関する件
陸運、海運、航空及び観光に関する件
北海道開発に関する件
について閉会中審査とすることを全会一致で決定。
まず請願について、
【てんかんのある人を支える交通】
3001 「てんかんのある人とその家族の生活を支える交通に関する請願」というのがあるが、厚生労働委員会では、
2923「てんかんのある人とその家族の生活を支える啓発に関する請願」18件
2929「てんかんのある人とその家族の生活を支える労働に関する請願」78件
3177「てんかんのある人とその家族の生活を支える医療、福祉に関する請願」4件
の三件について採択しているので、交通に関しても採択してもよかったのではないかと思う。
啓発は行政機関が情報として普及させるだけであるし、労働・医療・福祉についてはそもそも厚生労働省の職務であるから問題ないだろう。
交通に関する請願では、
一 障害のある人を対象とする交通運賃減額事業について、精神障害者保健福祉手帳への対象拡大の基本姿勢を政府として改めて示すこと。
二 鉄道施設や自動車運転などでの交通安全に有効な技術やシステムをより多く活用し、てんかんのある人も安全に社会生活が送れる環境整備を推進すること。
となっており、交通政策といえども厚生労働省としての所管にすれば採択されやすいのではないかと思われる。
【ライドシェア解禁問題】
次に、95 「危険なライドシェアを許さず安全な公共交通を守ることに関する請願」であるが、各自治体からも意見書として提出されてきている。
岩手県議会からは、
安全・安心を無視した無秩序なライドシェアの導入に反対し ...
宮城県議会からは、
「安全・安心を無視した無秩序なライドシェアの導入に反対し地域公共交通を守る施策の推進を求めることについて」で一般社団法人宮城県タクシー協会会長からも請願が出ており、県議会で採択されている。
自民 タクシー業界支援の議連 「ライドシェア」反対意見相次ぐ
でわかる通り、タクシー協会は自民党の支持組織なのであるが、政府与党はライドシェアを本年四月に限定しつつも解禁した。
自民党は業界団体の言いなりであるとよく批判されることだが、タクシー協会については90年代後半からタクシーの規制緩和などをして反発を受けたり、あるいは郵便局長会が反対した郵政民営化も行うこともしたり、地元商店会での組織票を裏切るような大規模小売店の促進や経団連が反対することも細かい部分では数多くやってきている。したがって、必ずしも業界団体に縛られているものでもない。
話は逸れるが、「自民党は利益団体から支配を受けているからダメ」というのは、まず事実に反することもあるし、資本主義である以上そうならざるを得なくなることをまず認め、そのためにそれを根本的に改めることに着目すべきだ。
ライドシェアはおそらく結果的に良いものを生み出さないと思う。それはやってみてから国民が感じることなのかもしれない。民主党政権ならば自民党よりもよくなると期待して裏切られた時のように。