本日の衆議院は、「地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会」のみが開会。
この開会前にすでに超党派の「子どもの貧困対策推進議員連盟」が積極的に議員立法として活動していた。
5月7日に議連総会を開き、議員立法の子どもの貧困対策推進法の改正案を了承している。法律の名称に「貧困の解消」を加え、目的や基本理念を充実させるほか、子どもの貧困問題に取り組む民間団体の活動への財政的な支援などを盛り込んだ。各党の了承を得て、今回の起草となった。
●子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案起草の件
子どもの貧困対策の推進に関する法律は、平成25年に議員立法として成立し、令和元年に改正され、今年は前回改正の五年目にあたる。令和4年のこども基本法の成立、昨年9月のこども家庭庁発足を踏まえ、子どもの貧困対策を推進しようとするもので、その主な内容は次の通り。
1. 法律の題名を「子どもの貧困対策の推進に関する法律」から「子どもの貧困の解消に向けた法律」に改める。
2. 第一条の目的に、こどもがその権利利益を害され、社会から孤立することのないようにするため、日本国憲法第25条等の精神にのっとり、こどもの貧困の解消に向けた対策を総合的に推進することとする。
3. 第二条の基本理念に、こどもの貧困の解消に向けた対策は、こどもの現在の貧困を解消するとともに、こどもの将来の貧困も防ぐことを旨として推進されなければならないこと。並びに貧困の状況にあるものの、妊娠から出産まで及びそのこどもが大人になるまでの各段階の支援が、切れ目なく行われるよう推進されねばならないことを追加する。
で定める「第３ 子供の貧困に関する指標」に、ひとり親世帯の養育費受領率を追加するとともに、この大綱を定めるにあたり、貧困の状況にある子ども及びその家族その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとする規定を設ける。
5. 民間の団体が行う貧困の状況にある子ども及びその家族に対する支援に関する活動を支援するために、必要な施策を講ずる規定を設ける。
6. 調査研究の事項を充実させるとともに、子供の貧困の解消に向けた対策を適正に作成し、
実施するための必要な施策に「子供の貧困の解消に向けた対策の実施状況の検証及び調査研究等の成果の活用の推進」を追加する。
この法律は、公布の日から起算して三カ月を超えない範囲において政令で定める日から施行する。施行後五年を目途とした検討規定を設ける。
これを委員会の起草とすることにたいして全会一致で可決。
●こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する件
岡本あきこ議員より、自民・立憲・維新・公明・共産・国民の六会派共同提案により決議案が出され全会一致で決議した。
福島県では、学校や家庭以外で子どもに食事や居場所を提供する子ども食堂をはじめとする「子ども・若者の居場所」の県内設置数が昨年１年間で４５カ所増加し、計１７４カ所（１月１日時点）となったとのこと。
昨年から45カ所増、子どもの居場所拡大 町村部の担い手不足が課題
県によると、子ども食堂や、子どもが勉強や遊びなどで交流する場の設置状況は【表】の通り。県内では子どもの貧困対策などを背景に、民間中心で子どもたちの成長を支える居場所の整備が続いてきた。
しかし、新型コロナ感染拡大の影響で設置数の伸びは一時停滞した。昨年５月の５類移行により、活動に制限がなくなったことなどから、新設の動きが再び活発化し、昨年は１年間で約１．３倍の増加となった。
ただ、設置数拡大に伴い地域差がより鮮明になっている。県内１７４カ所のうち、８割を超える１４７カ所が１３市に集中し、町村への設置数は２７カ所にとどまる。地域による偏りも大きく、中通りに１３１カ所が集中している一方、浜通りは２６カ所、会津は１７カ所と差があるのが現状だ。
子どもの居場所の県内運営団体でつくる「ふくしまこども食堂ネットワーク」の江川和弥代表（５９）は地域差について「都市部は支援が行き届いており増加傾向にあるが、郡部には担い手が少ない問題がある」と指摘する。江川代表によると、人口の少ない町村部では担い手となる人材が既に別の活動に取り組んでいる場合が多く、子ども食堂などの運営にまで手が回らない状況にあるという。
【県中】
郡山市 36
須賀川市 3
田村市 5
鏡石町 1
石川町 3
玉川村 1
三春町 1
古殿町 1
小野町 1
