【ケア編】都市緑化は人類のためにやっている自己都合 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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昨日の衆議院国土交通委員会は、一般質疑もなしで、斉藤鉄夫国土交通大臣より、

●都市緑地法等の一部を改正する法律案(213国会閣18)

の趣旨説明のみであった。

 

公園に関するものなので環境省からではなくて国土交通省からの法案である。国土交通省の担当部署は、いずれも都市局で都市計画課、まちづくり推進課、公園緑地・景観課である。

 

概要(PDF形式)
要綱(PDF形式)
法律案・理由(PDF形式)
新旧対照条文(PDF形式)
参照条文(PDF形式)

 

東京では、新宿や池袋のちょっと離れたところを行くと大きな公園があるから、埼玉などに比べれば人工的ではあるが緑は多いのが東京だと思っていたのだが、世界的にみるとそうでもないらしい。我が国では緑被率が低くて、減少率も高いという。

 

以下は、世界主要都市の緑地の充実度。

そして横浜市の緑被率。

 

また、

 

まちの緑でウェルビーイングが向上する?グリーンインフラ ...

 

GDPが高い都市、緑地面積が幸福度に影響する KAISTが発表

 

なんてな話もあり、緑地率が幸福度に関係しているとの研究もある。

 

緑地を増やして、質を高めることにより、エネルギーの効率的な利用も図りたいとする、この改正法案。

 

この改正法案では、人工的な緑地を計画・実施することが考えられているが、地球に限った自然万物では森林だらけであった。それが減ってきているので人工緑地を増やしていこうというのだ。

 

それは自然の中で人間がなす行為であるが、地球のためのケアではなくて、あくまでも人間のためのケアだ。自然界は森林があろうとなかろうと自然は自然である。なにしろ、生き物(動物・植物)のある状態だけを自然と呼ぶのではない。社会の中で自然万物と言った場合は、ヒトが考える勝手な言い方である。この地球には生命があるが、それは確かに自然万物だ。

 

一方、空を見上げると月にも火星にも生命はない。しかし、あれも自然界のものだ。太陽系では我が地球以外には生命はいないようである。土星や木星の衛星にそれらしきものが見られるがまだ発見されていない。自然の実態とは、生命のない環境が圧倒的に多いのである。したがって必ずしも生命のあるところが自然なのではないということだ。

 

だから地球環境を守るなどという大それたことを言っているようだが、それはあくまでもヒト、人類のためにやっている自己都合であることをわきまえなければならない。

 

 

以下、改正法案の内容について。

 

背景・必要性

○ 世界と比較して我が国の都市の緑地の充実度は低く、また減少傾向。

○ 気候変動対応、生物多様性確保、幸福度に向けて、緑地が持つ機能に対する期待の高まり。

○ ESG投資など、環境分野への民間投資の機運が拡大。

○ 緑のネットワークを含む質・量両面での都市緑地の確保に取り組む必要があるが、

・地方公共団体において、財政的制約や緑地の整備・管理に係るノウハウ不足が課題。

・民間においても、緑地確保の取組は収益を生み出しづらいという認識が一般的であり、取組が限定的。

○ また、都市における脱炭素化を進めるためには、エネルギーの効率的利用の取組等を進めることも重要。

 

概要

1.国主導による戦略的な都市緑地の確保

広域の緑地配置(イメージ)

 

①国の基本方針・計画の策定【都市緑地法】

・国土交通大臣が都市における緑地の保全等に関する基本方針を策定。

・都道府県が都市における緑地の保全等に関する広域計画(仮称)を策定。

②都市計画における緑地の位置付けの向上【都市計画法】

・都市計画を定める際の基準に「自然的環境の整備又は保全の重要性」を位置付け。

 

2.貴重な都市緑地の積極的な保全・更新

①緑地の機能維持増進について位置付け【都市緑地法】

・緑地の機能の維持増進を図るために行う再生・整備を「機能維持増進事業」(仮称)として位置付け。

・特別緑地保全地区※で行う機能維持増進事業について、その実施に係る手続を簡素化できる特例を創設。<予算関連法案>

※緑地の保全のため、建築行為等が規制される地区

②緑地の買入れを代行する国指定法人制度の創設【都市緑地法・古都保存法・都開資金法】

・都道府県等の要請に基づき特別緑地保全地区等内の緑地の買入れや機能維持増進事業を行う都市緑化支援機構の指定制度を創設。<税制関連法案>

・機構が行う業務について都市開発資金の貸付けにより支援。<予算関連法案>

 

3.緑と調和した都市環境整備への民間投資の呼び込み

①民間事業者等による緑地確保の取組に係る認定制度の創設【都市緑地法・都開資金法】

・緑地確保の取組を行う民間事業者等が講ずべき措置に関する指針を国が策定。

・民間事業者等による緑地確保の取組を国土交通大臣が認定する制度を創設。上記認定の審査に当たっての調査を代行する機関の登録制度を創設。

・上記認定を受けた取組について都市開発資金の貸付けにより支援。<予算関連法案>

②都市の脱炭素化に資する都市開発事業に係る認定制度の創設【都市再生特別措置法】

・緑地の創出や再生可能エネルギーの導入、エネルギーの効率的な利用等を行う都市の脱炭素化に資する都市開発事業を認定する制度を創設。

・上記認定を受けた事業について民間都市開発推進機構が金融支援。<予算関連法案>

 

【目標・効果】

都市において質・量両面での緑地の確保やエネルギーの効率的利用等を進めることで、良好な都市環境を実現

【KPI】

●自治体による特別緑地保全地区の指定面積:2030年度までに1,000ha増加(2021年度:6,671ha)

●民間事業者等による緑地確保の取組の認定件数:2030年度までに300件

 

 

どうやらこれもまた、機構を作って行政の業務を減らす法案のようである。民間に任せることは良いことだが、ここ近年の流れでは、民間に任せたところ、外資が参入して我が国の母屋が取られそうな様相である。