もっぱら外交問題は、北朝鮮の危機情勢、シリア空爆などに注目がいっています。
このため、租税条約そのものについての審査は薄くなります。
4月19日の衆議院外務委員会は、
租税に関する欧州との4条約【スロベニア、ベルギー、ラトビア、オーストリア】
租税情報交換に関する条約【バハマ】
について質疑・討論・採決。
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とスロベニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とベルギー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とラトビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバハマ国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
●租税条約全体に関する質問
・我が国の租税条約締結国数及び現在未締結の国で、経済界から特に締結推進を要望されている国について伺いたい
・スロベニア及びベルギーとの租税条約ではＯＥＣＤ承認アプローチ（ＡＯＡ）が導入されている一方、ラトビア及びオーストリアとの租税条約ではＡＯＡが導入されていないが、両者の内容の差異について伺いたい。
・租税条約締結のメリットを国内で広報する必要があるのではないか。
・租税条約締結の意義及びその効果を伺いたい。
・ＢＥＰＳ(税源浸食と利益移転)プロジェクト全体に対する政府の評価とＢＥＰＳ対抗措置を効率的に実現するための多国間協定への署 名に向けた取組状況及び協定を含めたＢＥＰＳ対策への我が国の取組状況について伺いたい。
・外国関係会社の判定基準の見直しに際して、企業の課税リスクと手続コストを増大させないように配慮する必要 があるのではないか。
・我が国が二国間で租税情報交換協定を結んでいる11か国中、自動的情報交換を行っていない９か国に対して自動的情報交換の導入に向けた働き掛けを行っていく必要性 があるのではないか。
・バハマも加盟するカリブ共同体（ＣＡＲＩＣＯＭ）諸国との間で、一体的な経済交流を更に進めていくべきではないか。
・ベルギーのように地方議会が外交分野に一定の関与をする国に対しては、中央政府のみならず、地方議会にも丁寧にアプローチをする必要があるのではないか。
・バハマとの間で租税に関する情報の自動的な交換が導入されることにより、どのような変化があるのか。
・租税に関する情報の自動的な交換によりバハマとの間で交わされる情報が他者に開示されることはあるのか。
・ＯＥＣＤモデルに準拠した租税条約が、課税権について居住地国には広範に認める一方、源泉地国には限定的に認めるものとなっているのはなぜか。
・租税条約にＡＯＡを導入するメリットについて御説明願いたい。
●採決
賛成＝自民、民進、公明、維新、自由
反対＝共産
賛成＝自民、民進、公明、維新、自由
反対＝共産
賛成＝自民、民進、公明、維新、自由
反対＝共産
賛成＝自民、民進、公明、維新、自由
反対＝共産
賛成＝自民、民進、公明、共産、維新、自由
共産党が租税条約に反対する理由は、大企業から金を絞りとらないといけないのになんで優遇するんだとの批判からです。バハマとの租税情報交換協定の改正については全会一致。