蒸れないブログ -9ページ目

DADA ~KuRU/kurU RE; SS~ Episode1  #17

トニーは電話を受け取る。

「どうした?ニガー」

「てめぇのフィギュア全部ぶっ壊されたくなけりゃ黙って聞け,仕事だ」

OK、ボンバヘッド。残念だが、今俺は馬鹿なクソメイドに囲まれて爆散する所だ。マフィアのお土産ってヤツデな。」

「おまえなら、解体出来んだろ」

「電子式のタイマー型なんだが、事故で間違った配線切っちまってな。お冷や(液体窒素)のおかわりが付き次第花火が撃ち上がる。とりあえず、今日から秋葉原(この街)でメキシカンの浅黒兄弟がいたら脳天ぶち抜く事にするわ。」

「タイミングいいじゃねぇか。ベイカー」

「あん?」

「それだよ、そのメキシカンだ。そいつらが、女を一人拉致ろうとしてる。」

「ジャパニーズ?」

「まぁ、日本人だな」

「20代半ばくらいの?」

「いやに冴えてるな。」

「その女だったらそろそろ拉致られてるとこじゃねぇか?」

「…はぁ?」

「いや、さっきまで一緒だったんだが、ちょっと前にメキシカンを上手く出し抜いて逃げ出した所だ」

「いいじゃねぇか」

「いや、キモデブだのなんだの言ってきたから、逃げ出す前にタイマー付きの暴漢用アラームをバッグの奥にセメダイン付きで入れといた。爆弾を運んできた下っ端にも見られてるし、余裕で積んでるだろ。」

それを聞いて、電話越しのボブはおろか、その場にいたメイドまでもが啞然とした。

「てめぇは毎回なんでそうなんだ!?沸点低すぎるだろ?あれだけ金になる奴は殺すなつってんだろうが!?」

ボブのその反応もどうかと思うが、この場にはゲスとクズしかいないせいか、誰も疑問には思わない。

そもそも、どん引きしている理由も、おそらく一般人が考えるそれとは違う。

『うわぁ、こいつゲスいわぁ』→×

『うわぁ、こいつとことん金運の間が悪いなぁ』→●

である。

「とりあえず、その女を確保しろ。そいつを確保すんのが俺たちの仕事なんだよ」

「いや、でも爆弾がなぁ?」

「わかった。電子式とか言ってたな。そっちいってなんとかしてやるから待ってろ。

「3Fいつもの所だって」

「まさか、俺の真上でんなことが起こってたのか?」

 

そうなのである。ボブとトニーが共同生活を送っているのはこのビルの地下。

 

目と鼻の先などというレベルではないのである。

「いや、何か起こってる事ぐらい気づけよ。さっきも爆発音あったろ」

「狂人(イカレ)メイド喫茶で爆発が起こるのなんて日常茶飯事すぎるんだよ」

「必死過ぎないか?ボンバヘッド。そんなに今回の報酬はいいのか?」

「ああ、聞いておどろけ。金額もそうだが、お前にも朗報なんだぜ?今回のその女が持っている荷も報酬の一つなんだが、それがなー」

 

その報酬を聞いてトニーの目の色が変わった瞬間。

メイド達は、この件には一切関わらない事を決めた。

報復もクソも無い、とばっちりはごめんなのである。

 

    ◆ ◆

 

Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!

 

 

「なんでよおおおおおおおおおおおおお!」

トニーの予測とは裏腹に古沢美加子は未だ捕まっていなかった。

DADA ~KuRU/kurU RE; SS~ Episode1  #16

「そういえば、似非ビッチはともかくとして本物の天然系糞ビッチ姉妹はどうしたの?」

と、のあが疑問を口にした。

その姉妹と言うのは、ピンクのカーテンの向こうでそれぞれペドロと白デブに奉仕をしていた二人である。ベトナム出身の姉妹でペドロを攻めてた方が『いの』。白ブタの酌をしていたのが『らぶ』。他のメイドとは違って戦闘力は皆無であるが、もともと辺境の村で8歳やそこらで日本人を含めた海外のロリコン相手に『客取り』をしていたせいか、二人ともここでは比較的マトモな言動をするのだが、19歳になった今でも『売り』をする習性が残っている。まちがいなく世界の性ビジネスの被害者なのだが、本人達が楽しんでいる事と、彼女達により旦那、彼氏を寝取られた女性がたくさんいる事からだれもその境遇に哀れみを持たない。

総じてこの場にいる人間はすべて人間の『クズ』なのである。

「あの二人ならてめぇらが拳銃(チャカ)で、にらみ合いをしている時に逃げ出そうとして派手にブッ転げて気絶してるぅ」

と、眼帯メイドは横で伸びてる二人を指差す。

そしてその上で、彼女達は病的なまでに天然のボケなのである。

「そういえばさ、まだ頼んだシチュー来てないんだけど?」

「あ…」と、みーしゃが洩らしたその瞬間。

奥でボンッ!と爆発音が鳴った。

と同時に焦げ臭い臭気いが漂ってくる。

「旦那のシチュー、圧力鍋にかけっぱなしだった。たはは」

「『たはは』じゃないよ!みーしゃ!責任もって片付けな!たく、あんたが爆発させてどうすんのさ」

「―すまんな」

「え?」

気がつけば白ブタから、滝の様に汗が出ている。

元からデブは汗をかきやすい者だが、何故こうも急に。

「おいおい旦那、まさか」

「さっきの爆発で手元狂って間違ったコード切っちゃった。」

さすがの眼帯メイドもキセルを落とす。

fucking lardass(くそでぶ)・・・」

「このままだったら起電力が戻った後タイマー通りに爆発だな、多分、一分くらいじゃないか?それじゃ」

「まてまてまて!旦那!どうにかしていけ!プロだろ!?」

「報酬前払いした訳でもないのに気取ってんじゃねぇよミランダ。どうにもならねぇから逃げるんだろうが。ブルース・ウイルス並みにダイハード(死なない訳)じゃねえんだよ」

「似た様なもんだろ、このデブ。めんどくさがってんじゃねぇぞ。てめぇ、2001年のアフガニスタンで味方のクラスターの誤爆でもかすり傷おってなかったじゃねぇかッ。あと、本名で呼ぶんじゃないよ、ここでは源氏名でよびなぁ?」

「なんで、そんな事まで知ってんだ?諜報上がりは兵士一人一人のケツの毛でも数える程ひまなのかぁ?あれ、マジでヤバかったからな。死にかけたからな。半分死んだからな!だいたい、てめぇんとこの調理室くらいちゃんと管理しとけ!」

「トニぃぃ??てめぇが注文したシチューだろうが?あん?そもそもてめぇが大食いな上喰うスピードが速すぎるから圧力鍋でもつかわねぇと間に合わないだろう!?そんなにくいたりねぇなら、てめぇの胃袋を鉛玉でいっぱいにして小遣い袋みてぇにちゃらちゃら言わしてやろうか?あん?」

完全に外面の皮がはがれたのか、二人の眼光はいつでも殺せるほどの暗さをおび、間の空間が歪む程の殺気が放たれる。

どうでもいいことだが、眼帯メイドはミランダ、白ブタはトニーというらしい。

「や、やめてくれ。姉さんに旦那。ヤバいから、そんな事より爆発しちまうから」

と、あわあわと爆弾を再び液体窒素につけながらのあが懇願する。

「旦那ぁ!もう助からないならやっぱりエッチしよ?最後に女にしてよ!」

と、いつの間にか厨房から駆け込んだみーしゃがトニーに抱きついた。

「俺は逃げりゃ助かるんだよ!」

と、振り払おうとするトニーに、ミランダがこめかみに銃をあてがう。

「よくやった、みーしゃ。どうせだから一緒に死んどけ糞デブ」

「一緒に死ぬ程の中でもないだろうがよ、残った片目ほじくりだしてやろうか?」

「みらの姉御やめてって!旦那もおちついて!」

とのあの必死の生死の声にかぶさる様にして、淫乱姉妹が目を覚ます。

「あれぇ、皆さん。乱交ですか?楽しそう?」

「姉さん、私も混ざっていい?」

「・・・ああ、これが爆発堕ちパターン?あ…」

と、C(シーネ)だけが、この収集出来ない惨状で興味無さげに落ち着いていた。

そのおかげか彼女がいち早く気がついた。

「旦那、電話鳴ってる?多分ボブから」

「「「「「ん?」」」」」

混乱の最中全員が静止した。

DADA ~KuRU/kurU RE; SS~ Episode1  #15

 

    ◆ ◆

 

バケツのふたを開けると絶縁シートの上に白濁した冷気がふわりと降りた。

金属製のバケツの中には液体が充満しその中に例の爆弾がドボンと浸かっていた。

先ほどの会話からこの液体が液体窒素であるとわかる。爆弾は時限爆弾であり、複雑に絡み合ったコードとタイマー。配線の先には電極が差し込まれた粘度の様な物体ーC4がつながれていた。

タイマーの電飾は光を失い活動を停止している事がわかる。

覗き込んだ4人のメイドのうちC(シーネ)以外がはぁ、と安堵のため息をついた。

とりあえずは時限爆弾がすぐに爆発する事はなくなったのである。

 

古沢美加子が退出した後、すべては迅速に行われた。

のあが絶縁シートをしくとC(シーネ)がバケツをおいて液体窒素を注いだ。後は、うずくまっていたみーしゃが爆弾の包装を身長に素早く剥いて中身を確認。ばくだん種別は時限爆弾。タイマーは3分を切っていた。

彼女はそのままバケツに爆弾を丸ごと投入。すかさずバケツの蓋を閉める。デブ以外の全員がテーブルを横倒しにしてそのもの影に身を隠す。

そして3分経過してもなお爆発しなかったため、こうして出てきたのである。

しかし、この処置も一時的な者だ。

彼女達が何をしたかと言うと、まず絶縁シートで静電気対策をした上で、液体窒素を使い爆弾の発火装置である電池の起電力を奪い、なおかつトランジスタやICなどに使われているシリコンの通電性を0にしたのである。これらは液体窒素(-196℃)を用い冷却するとおこる当たり前の事象なのであるが、もちろん温度が戻ればそれらはすぐに元に戻るし、液体窒素は特別な容器にでも入れない限り揮発性の高い物質ゆえ、常温環境下ではすぐになくなる。いずれにしろ爆弾処理は必要なのだ。

 

「たく、あんのタコス野郎!あたしらごと吹っ飛ばそうとしやがって。許せねぇ!この街であたしらを敵に回す事の恐ろしさを教えてやる。」

「タカヤナギに目を付けられてもいいとなると、あの紙袋の中身はそうとうみたいねぇ」

「―そもそも、タコス達、タカヤナギを警戒していなかった。」

「タカヤナギを知らない田舎ものって分けでもなさそうだが」

のあも眼帯メイドもみーしゃもこの疑念は取り除けない。そもそも彼女達を敵に回してこの街で生きていける訳が無い。

彼らのやっている事はまさしく自殺行為だ。

そんな時に白デブがスパゲッティを食べ終わり口元を吹きながら呟いた。

その声音は先ほどまでの無害な純朴なものではない。

とても卑屈でとても自嘲気味でぜんぶわかりきっているドスグロイ音。

「単純な話だ。要はやつらはAll or nothingのゲームをしているのさ。失敗すれば殺される。成功すればどうとにでもなる0-100レートの大博打。吉っちが死んだ事も考えるとかなり大きな山なんだろう。」

だが、そのくらい声音もそこで終わりだった。

また、いつもの様におどけて

「そんな事よりーそれどうするつもりだ?」

と、デブは時限爆弾を指差しながら言う。

「そうだ!旦那、お願いだ!あんたならコレ解体出来んだろ?」

と、みーしゃは、期待に瞳をキラキラさせて言うが

「僕はアニオタであって、軍事マニアじゃないからね」

と、しっしと手を振り一蹴する。

「アニオタってオタクの中でもマジで役に立たない部類だもんなぁ。創造性(クリエイティビティ)皆無の完全なる消費豚。出来る事と言ったら掲示板で評論家ぶるくらいしか能がない感じだもん。ま、昔はそれでも考察したり、解説したりして作品に奥行きを与えてもいたんだけれど、最近じゃ増産したアニメ消費するのに必死で、少しでも理解出来なかったら糞扱いの愚痴だけ言うゴミだからなぁ。今時昔みたいな考察しているのは海外のオタクくらいだろうさ」

「旦那、グレるのもいつもはかわいいと思えるけど、今回はちょっと笑えないぜ」

「そもそも、なんで凍結処理なんてしたのさ。さっさと逃げればいいだろ?」

「だから、大きな爆発や火事でタカヤナギの介入に口実与えたくねぇんだよ。姉御はともかく、あたしらはココ以外に居場所は無いんだ。」

「そういうもんかな」

「なぁ、旦那機嫌治してくれよ。あんな女の言った事なんてどうでもいいじゃん」

「三次元の言う事など気にしてないね」

「じゃあさ」

と、みーしゃは胸元のリボンを外しはだけさした。

しろくて柔らかそうなものがちらりとのぞき、少しかがんで蠱惑に微笑う。

「じゃあさ、あたしが一発抜いてあげるからそれで機嫌よくしてよ」

そのままからみつく様にシロ豚にすがりつく。

「生でも中でも旦那の好き放題だぜ?ねぇ、旦那ぁ、いっぱいしよ?」

潤んだ瞳も少し震えた唇も全て男を誘っている。全身で求めて入るのだが。

 

「え?やだ。変な病気うつったら嫌じゃん」

 

の素の反応にみーしゃのこめかみの血管がブチリと切れと音がした。

「誰が病気持ちだ!コラッ!?あたしゃは処女(ビルへン)だ!ふざけんな!」

さすがに殴り掛かろうとするみーしゃをのあが「どーどー」といってなんとか羽交い締めにして止める。

「みーしゃは似非(ファッション)ビッチなんだから。無理し過ぎだよ」

「放せ!のあ!だいたい、旦那は何が不満なんだ!17歳の美少女だぞ!乳だってそこそこあるんだよ!」

「3次元な所かな」

「ざっけんな!2次元なんか孕む事も出来ねぇだろ!あたしは旦那のなら孕める!」

と、そこへパンパンと、眼帯メイドが手を叩いて静止した。

「はいはい、発情すんじゃないよぉ。たく、旦那もうちの初(ウブ)をからかわないでおくれ。あいつ、マジ泣きするからさぁ」

「泣いてねぇよ!」

とのあの胸元に顔を埋めながらみーしゃは叫ぶ。多分泣いてる。

「マジな話。解体してくれないかい?報酬はちゃんと払うよ。」

「くどいね」

「あの子達をかくまえる所なんて、そうそうないのさ。ここはあの子達にとっちゃもう実家(ホーム)なんだよ。理屈以上に思い入れがあんのさ。オタクならわかるだろ?」

「…そうだな、6月の秋葉原とらのあな前のイベントチケットで手を打とうか」

「まいど、ありがとよ。旦那」

「あたしイベチケにまけたぁあああああ!」

「うるさいよ!黙りな!クソガキ!」

と、漸く重い腰を上げた豚が爆弾の前に座る。

するとせっせと作業を開始した。その手つきは手慣れていて迷いが無い。

「そういえば、似非ビッチはともかくとして本物の天然系糞ビッチ姉妹はどうしたの?」

と、のあが疑問を口にした。