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第三章 幸福在処 焼き肉大戦争 発 -小説

さぁ、お肉を食べましょう。
その決戦の火ぶたは突如として切られました!
敷き詰められていく、野菜勢、じゅう~と肉汁がしたたるお肉勢!
現在、流さんの参入で鉄板の上は四分割!
各地の領土は、手早く並べたお母さんが一番!
お肉が一番多いのは、流さんの所です・・・・。
流さん・・お気持ちはよくわかるです。しかし、そのチョイスは完全にカモです!
ううううう、すでにお父さんの目がぎらついています!
お肉美味しいですもんね。確かに、食べたくなるし、自分のお肉は自分で焼くべきですが・・・。
「そろそろどれも焼けてきたようだ―!?」
その言葉を聞いた瞬間、私を含め三人が襲い掛かります!
「ぬぁ!?主ら!酷過ぎるぞ、それは俺が大事に育てた肉―」
あわてて、お肉を回収しようとする流さん!
しかし、あなたはお肉の陣地を広げ過ぎたのです!
そんなに国土を広げたら、さすがに守りきれません!ローマ帝国と同じです!
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、流さん!
いただきます!
「あ、小羽!?主!」
「まいう~です~」
「お!知恵殿!」
「どりゃ!?」
「誠一殿!ちょっと待て!一気に三枚もかっさらうなど野蛮だ!野蛮すぎるぞ!」
結局回収しきれず、流さんのお肉は四分の一にまで縮小、減退!
あいた、お肉があったスペースに、すぐさまお父さんの進軍が進みます!
領地すらも縮小!
「な、何だと!?お主!血とか涙とか流れておるのか!?」
さすがに愕然とする流さん!
しかし、お父さんはポーズを決めて一喝!
「言っただろう!これは戦い!『うまいものは早い者勝ち!』と」
はぐはぐ・・・お父さん、流さんのお肉を食べてる私が言うのもなんですが、大人げないです。
その一言で、ガク―とうなだれる流さん。
「ふふふ、お譲ちゃんの敗因は、早く火が通る肉で領地を拡大したところだ。そんなに広げちゃ肉を守りきれんし、なにより、肉は早く焼けるからな、領地がすぐ空いて直ぐに無法地帯と化した空間に進軍されかねん。勉強になったろ?」
がっくりして、はぁ~吐息を吐く、流さん―これが世に言う『完全に沈黙』と言うやつですね?櫃代さんが言ってました。
「あの・・・流さん、お肉なら私のもわけっこしませんか?」
「・・・よい」
その時、ごわっとものすごい闘気が!

愛食家な彼女 17

この世に迷惑極まりないという言葉を人名に翻訳せよという問題があるとすれば

即効、即決、即断し―一片の迷いもなく『藤本沙世』の名をその回答欄に書きこむだろう。

殴り書きだ。

それでも飽き足らず、回答欄一面に呪いのように、同じ名前を書き続けようj。


頭痛を伴い、いまも頭にガンガンと借金取りのノックのように響く不快な脈音。

昨晩、不時着するようにたどり着いたベッド・・・・ああ、もう、意識がもうろうとしている。

本当に最悪だ。

あんなに酒という存在を恨めしいと感じたことはない。

今何時だ、今何曜日だ、そしてここは・・・どこだ?


見慣れない空間―円形のベッド。

用途のわからないでッパリのある椅子とか・・・・・-駄目だ、悪い予感しかよぎらない。

いっそのこと、このまま現実逃避して寝てしまおうか、いやもう逃げだしたい。


頭はぐるぐると回っている。吐き気は酷い、全身倦怠感は過剰なまでに高まり、酷いものだ、いや、惨いものだ。


公務員、警察官、刑事、どれをとっても自分には公明正大なイメージのある言葉で以前から荷が重いとは思っていたが、この部屋に入った時点でもうそれは俺には似つかわしくない言葉にランクアップしたことだろう。

実に認めたくない。

自分の父親は何も身につけず裸で寝る男だったが、自分はそれを嫌悪していた。家においても、ある程度の分別がなければ変態だという観念あってのことだ。だが、どうやら、今の自分も何もつけていないようだ。パンツ?なにそれ―俺ってば今生まれたまんまの格好っすけどなにか?

実に認めたくない。

散乱したティッシュ・・・・丸めてある。

実に認めたくない。

横に、裸体で胸を上下させ寝ている、艶めかしいほどの藤本刑事。

喰われちゃった・・・やぁん?


実に!実に!認めたくない!


「悪夢だ、覚める方法はただ一つ―死のう。」

「ちょっと待ちたまえ、それはどういう意味?」


風呂場に向かおうとした俺の肩をガシリと藤本刑事が掴んだ。

なんだ・・・・起きてたのか。

不満そうに口をとがらせる藤本刑事。

なんか、そのあまりに子供っぽい表情を見て昨晩の記憶が徐々に戻ってきた。


ああ・・・うわぁ、うわぁ、うわあああああ・・・・え、嘘だろ?


最悪だ。

人生、生まれてこのかた女に泣かされたのは幼少時、近所でも腕っ節の強いで有名なふきちゃんと、この女、藤本沙世の二人だけだ。


「あんなに気持ちよく泣かせてあげたのに・・・・」

「いうな!記憶から消してくれ!」


というか、これはレイプだろ!襲われたのは俺!男の方だけど!

くそ!酒乱だけじゃなかったのか!このド淫乱!

まさか掲載2回目の朝帰りイベントがこの伏線だったなんて思いもよらなかったよ!

なんなんだよ、きっと署内でも俺だけが被害者であるはずがない!

この女、明らかに手馴れてる!被害者友の会を結成して訴えてやる。


「そんなに嫌だったか?」

「まさか、嫌なはずがない―むしろ光栄です・・・・。」


ええ、彼女に会う前は間違いなく片思いしてましたから―正直今は幻滅してますがね。


「て・・・今何時だ?出所しなくちゃ」

「朝の6時。もう一回くらいは泣けるね」

「なきません、しません、もう金輪際こういうことはありません。」

「ははは、無理はいけない。」

「無理してません」


俺は服を着て、持物を確認する。

「あ?ちょっと待って、口紅首筋についてる。取ってあげる。」

そう言って、ティッシュでぐいぐいと首筋をいてくれる藤本刑事。

たしかに・・・これは最も危ないネタだよな。



・・・・そういえば、俺コンドームもってたっけ?



・・・・・・


記憶がない、昨晩どうしたのかも覚えてない



一気に顔が青ざめる。き・・・・・・聞くべきなのか?

聞いてよろしいでしょうか?


「あの、藤本刑事。質問していいでしょうか?」

「ん?いいけど。みずくさいね。もう他人じゃないのに」

「え?いや、どういう・・・・」

「家族になるかもしれないってことで―」

そういってお腹のあたりを縁を書くようになでる藤本刑事。


俺はその瞬間、本当に真っ白になって逃げ出した!




そんな、高柳の様子を見て、一人LHの一室に取り残された藤本刑事はにんまりと笑った。

「馬鹿だなぁ、高柳―あんなにべろんべろんになってついに意識もなくなった君にそこまで出来た筈ないじゃないか。まぁ、前戯くらいならばしたし、さしてあげたけど・・・・ふふふ、あいかわらず『かわゆいなぁ』高柳。

ところで、この電話番号・・・・誰のかねぇ?本当に星だったら、優秀だよ高柳・・・・今度は本番までしてあげなきゃ」

そういって、彼女が天上の白熱灯に照らしたのは、高柳の財布に入っていた。あの電話番号だった。


「薄野・・・凛ねぇ、おかしいな。確か寝言で言っていた女の名前は薄野紗江だったのに。」


第三章 幸福在処 3-10 焼き肉大戦争 序 ―小説

すごいです!

お肉です!

焼き肉です!


肉汁ですです!




「こぅら、小羽。あんまり涎を垂らすなよぉ~」



ダメです、お父さん、すでに垂らしています!
もちろんお母さんも一緒です!
「おい、小羽?これはどういう―」
すると、お父さんがメガホンをとりだしました!



阪神タイガ~スメガほ~ん!です!


黄色いボディに、黒いライン、横の虎さんはりりしいです!


「あ、あ、あ~、テステス。え~それでは、焼き肉大会をはじめます!」


「「はじめま~す!」」


ハミングBYお母さん&私です!

そんなとき、ぐいっと、腕をつかまれました。


「おい、小羽?これはどういった料理なのだ?

黒い鉄板に、生の野菜と肉だけとはいささか手抜きがすぎるぞ?」


「流さん!これは焼き肉と言うお料理で、自分でこの鉄板の上に食材を乗せて、焼き、焼きたてのおいしい所を頂こうと言うぜいたくな逸品なのです!」


「おお、確かに、焼きたてのものはおいしいな。

俺とて、焼き芋くらいならば知っているぞ。」


「しかし、それだけではありません。焼き肉は戦いなのです!」

むんと、ガッツポーズ、いえ、ファイティングポーズ!

闘志漲ります!
その言葉に、流さんに戦慄が走ります!
はい、それでこそ、戦士の顔です!焼き肉戦士です!


「戦い・・そんな、食事中に戦闘行為を行うのか?野蛮・・野蛮すぎるぞ」


神妙な顔をする流さんをお母さんが抱き寄せて言います。


「安心してください、流さん。

戦いと言っても、焼き肉に必要なのは知恵と戦略と食い気です。

と~てもインテリジェンスなんですよ~」


「いんてりじぇんす?」


「知的と言うことです。」

う~ん、と流さんは考え込みます。

「そうか、囲碁や将棋のようなものなのだな。

そうか、それであればなかなか合理的ではあるな。

食事のときにさえ頭を動かすとは・・・やはり世界は広いな。奥が深い。

母様の言っていた通りであった。

うむ、やろう!誠一殿!ルールを説明してくれ!」


すると、その声に反応し、お父さんのメガホンがメガッサ唸って天を突きます!

じゃきーん!


「よぅく言った譲ちゃん!

ではルールを説明しよう!

基本!自分で食べる肉は自分で焼く!

しかし、『おいしいものは早い者勝ち』、

自分の調理した肉と野菜が取られた場合、悪いのは自分だ!

すなわち、手際よく、この鉄板上で自分の食材を焼き、領地を広げ、尚且つ、うまく焼けたものを相手から死守しつつも自分の胃袋に収めるのだ!

わかったか?」


「うむ、なんとなくわかった!ではお手柔らかに頼むぞ」


「うし!はじめ!」




こうして、壮絶なる焼き肉大会が始まったのです!