王様戦隊キングオージャー
スーパー戦隊シリーズ 第47作目
2023年3月5日~2024年2月25日 全50話+劇場版1作+スピンオフ3話
ゼンカイジャー→ドンブラザーズの2年続いたイロモノ作の流れや、タイトルから始まる前は王道戦隊?と言われていた本作。
しかし実際に放送された物は、前2作以上に異色作だったと思います。。
以下、引っかかりポイントから書いていくので、苦手な方はそっ閉じを。。。
1.戦隊感は薄め
異なる国の王様たち(当然それぞれの文化も守るべきものもある)が力を合わせるというコンセプト上、仕方ない部分もありますが「6人揃って戦う」戦隊感は今年も弱かったかなと。。
宇蟲王編になってからは敵の策に引っかかるシーンが何度もあり、すっきりして終わる回も少なかったし。。
まともに名乗ったり、全員のロボ搭乗があったのは歴代で最小回数だったかも?
(下手するとドンブラ以下か。。)
ただ、プライドの高い王様たちがここぞというときに団結するという見せ場の裏返しではあるので、難しいところではありますね。。
2.昆虫要素も薄め
ゴウライジャーやゴーバスターズでサブ的に使われてきた「虫」テーマを本格導入した今作でしたが、割合としてはヒューマンドラマ重視で「昆虫パワーで戦ってる」という感じはあまりしなかったですね。。
・ギラやラクレス(序盤)がその気になれば各国のシュゴッドを支配下に置ける。
・各王様たちとそれぞれのシュゴッドが絡むエピソードは原則なし。
・初期機体のブラックバージョン「キングオージャーZERO」(構成機体は各国のシュゴッドのコピー)がいる。
・ダグデドやグローディもゾンビ化したシュゴッドを敵として使役してくる。
・後半はロボパートがほぼなし。(10周年コラボしたキョウリュウジャーのメカも使われたのは数回)
序盤はストーリーに合わせてガーディアンウェポンや3大守護神、ゴッドタランチュラが加わったり、ギラとシュゴッドが会話するシーンもありましたが、中盤からはオミットされてしまいましたね。。
宇蟲王編でもロボ戦はやって欲しかったですね。。
3.ギラ
ラクレスの統治に対する「邪悪の王」を名乗っていましたが、(他の王様のキャラが濃いのもあって)スーパー戦隊のレッドとしては若干キャラが空回り気味だったのかなと。。
途中で死亡扱いになる期間もあったし。。
ラクレスが善人であることが分かるにつれ、好青年(本来の人格)で周りと接するようになっていっても良かったかもしれませんね。。
(カオスな状況にはツッコミもするし。。良い子モードの時の方が好感度は高かったかな。。)
出生は「ダグデドに破壊兵器として作られた」「義父もダグデドへの対抗策として使おうとしていた」と悲惨ですが、もっと主人公らしく活躍する場面があれば、よりインパクトのある種明かしになったかと。。
4.バグナラク
宇蟲王からチキューに追い立てられ人類と争わされ、それでも6つ目の国として共存するという珍しい組織でしたが、中盤以降の扱いが「サナギム兵や怪ジーム達がゾンビとして操られる」
「五道化の策によって何度も敵対させられる」と悪かったですね。。
ダグデドの部下の怪ジーム、戦闘兵を専用で出して、その連中と戦ってほしかったですね。。
ただ最終盤でフォロー(避難所、人類と共闘)が入ったのは救いでしたね。。
ここからは良かったと思うポイントを。。
1.演出
最新のLED技術を使ったCGで、「どの国の人がどんな暮らしをしているのか」等が一目で分かるようにしていました。。
(役者さんの演技にほとんど違和感がなかったのもある)
ブンブンジャー以降も生かしてほしいですね。
2.ラクレス
第1話の悪辣な王様から、スピンオフを経て一時退場する頃には「実は善人では」と匂わせ始め、復活後~終盤には真の目的を明かして共闘するという、かなり美味しい人物になりました。。
(途中のギャグ落ちが無ければもっと完璧だった。。)
最後は下手に殉死させず、スズメさんと幸せになったのも良かったですね。。
3.盛り上がり
ここぞというエピソードの盛り上がりは、ここ最近の作品でも上位だったように感じます。。
・レジェンドキングオージャー登場(10話)
・キングコーカサスカブト起動~ゴッドキングオージャー20人乗り(22~25話)
・キョウリュウジャー共闘回(32、33話)
・ラクレス王の秘密(41~43話)
・最終決戦(49話)
辺りが特にそうかな?
今のスーパー戦隊シリーズでも、盛り上がる画を作ることはできるんだなと。。
総合すると、第1部は「普通~やや異色」、第2部になってから「中間より下」という評価になってしまったかな。。
決して強くお勧めするわけではないし、人を選ぶけど、今後に繋がる作品だったのかなと。。
1年間、お疲れさまでした。。