〔日本〕消費者物価指数(CPI) 結果考察&円相場の行方 | ファンダメンタルなアウトローのFX

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FXトレードの勝ち筋は「勝率を追うのでなく、優位性を
確保する」ことです。個人投資家にはファンダメンタル
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個人がFXで勝てる時代が到来です!

発表されたファンダメンタル情報に基づいて、結果(事後)考察をしてきます。

為替相場に関しても、見通しを書いていますので、参考にどうぞ。

 

投資判断は、ご自身の責任で行ってください。

Fundalia(ファンダリア)

 

 

 

 

  結果

 

 

 

 

結果は、予想より強いデータであったため目先はポジティブと言えるでしょう。ただ、インフレのダウントレンドは止まっていませんので、円安の流れを押し戻すほど強くはないでしょう。発表後にドル/円はやや円高に値動きましたが、妥当な動きと言えます。

 

ただし、日本のインフレ率が鈍化しているのは、バレルあたり70ドル台まで下落した原油価格が主要因です。中東の地政学的な理由でインフレ鈍化しているため、このインフレ鈍化は日本のファンダメンタル(=景気)にとってプラスが大きいと言えるでしょう

理由は、原油高騰になっても価格転嫁できずにいた商品にとって、粗利益の増加が見込めるためです。

一方、景気鈍化によるインフレ鈍化はほとんど見られず、日本経済は粘り強いことがインフレの側面からは確認できます。

 

 

インフレ鈍化は、日銀の出口戦略にはマイナスでしょう。しかし、日本経済にとっては必ずしも悪くはありません。円高になりますが、株価にもプラス作用します。

 

 

 

CPIコアコア&CPI総合値の時系列データ

 

 

 

  出口戦略への影響(日銀の考え)

 

 

日銀は「2%のインフレトレンドが確実になるまで、出口戦略は発動しない」と度々アナウンスしています。そのうえで「十分なインフレになったと確信できていない」と示唆しています。つまり、まだ日銀が動くことはないでしょう。

 

FRBが高金利を維持する方針なので、相対的にドル高円安が続きやすい相場観となります。

 

出口戦略にとって次の注目点は、3月中旬に予定されている春闘の集中回答です。日銀は「賃上げ状況を確認してから判断する」と述べており、非常に強い春闘であるなら前向きに方向転換する可能性が上がるでしょう。賃上げが、最も強いインフレ要因であり、日銀は賃上げを伴ったインフレの実現を目指しています。

 

出口戦略の視点から考える限り、今回の消費者物価指数(CPI)のデータはパワー不足と言えるでしょう。

 

 

ただ、中東の戦乱を受けて対欧州との海運コストは上昇、パナマ運河の水不足によりアメリカ東海岸との海運コストも上昇しています。米国とイランの対立は原油価格高騰のリスクがありますし、日本で始まっている賃上げの流れも経済に織り込まれれば、インフレ要因に化けます。

 

ダウントレンドの日本CPIにも変数が存在している点には留意が必要でしょう

 

 

 

  円相場への影響

 

CPIの結果は決して悪くありません。ただ、半年前まで4%あったコアコア指数が1%近く減衰したのは円相場にとってマイナス要因(円安要因)となります。その意味で、150円を超えたドル/円相場を容認するデータだったと分析できます。

 

当面、円安が続くと言えるため「高額スワップを回収する、スワップ投資戦略」が当面有効となるでしょう。もちろん、長期間の戦略維持は必ずしも期待できませんが…

 

日銀が晩春か初夏にマイナス金利を解除する(あるいは、解除を示唆する)可能性があります。そうなると、相場観は変わるでしょう。そうした変化に注意が必要ですが、今のところ円安が肯定される円相場であると、私たちFundalia(ファンダリア)は評価しています。

 

 


個人投資家には、ファンダメンタル分析が必要だ!

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