前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
23日の米国債券相場で長期ゾーンは上昇。表面利率4.000%の10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は高い)4.25%で終えた。足もとで相場下落が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の買いが入った。
【終値】
米2年債利回り:4.6896(-0.022)
米10年債利回り:4.2519(-0.0688)
米30年債利回り:4.3722(-0.0838)
〔米株式〕
23日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、連日で史上最高値を更新した。終値は前営業日比62.42ドル高の39131.53ドル。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。出遅れ感のあった景気敏感株やディフェンシブ株に買いが入り、指数は一時210ドル超上昇した。ただ、前日に急伸したハイテク株に利益確定目的の売りが出たため、上値は限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反落し、同44.80ポイント安の15996.82で取引を終えた。大幅上昇していた米半導体大手エヌビディアが急速に伸び悩むと、他のハイテク株や半導体関連株も利益確定の売りが出た。
〔米原油先物(オイル市況)〕
23日のニューヨーク原油先物相場は3日ぶりに大幅反落した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)4月限の終値は前営業日比2.12ドル安の1バレル=76.49ドルとなった。
暖冬の影響などで大幅安となった天然ガス先物につれ、原油も売り戻しが先行した。石油輸出国機構(OPEC)プラスが4-6月まで原油減産を続けるとの見通しが報じられたが、逆に供給余剰が深刻との思惑を強めて売り圧力が高まった。一時76.30ドル台まで下値を広げ、今週の安値圏で引けた。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
23日のニューヨーク金先物相場は3日ぶりに反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限は前営業日比18.7ドル高の1トロイオンス=2049.4ドルとなった。時間外で上昇していた米10年債利回りが低下に転じ、金利を生じない金の魅力が相対的に高まった。買い戻し優勢のなか米長期金利が低下幅を広げると、上昇力を更に強めて今週高値を更新して引けた。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
23日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は低下。5時36分時点では13.70と前営業日の清算値14.54から0.84ポイント低い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに小反落。終値は150.51円と前営業日NY終値(150.53円)と比べて2銭程度のドル安水準だった。欧州市場では一時150.77円まで値を上げたものの、NY市場では上値が重くなった。14日の高値150.83円や13日に付けた年初来高値150.89円がレジスタンスとして意識されたほか、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで低下したことが相場の重しとなり、2時前に一時150.30円と日通し安値を更新した。ただ、一目均衡表転換線150.08円や前日の安値150.02円がサポートとして意識されたため、下押しも限定的だった。
なお、市場では「これまでの円安局面で見られた円売りの過熱感が見られない。さらに、テクニカルチャート上では円安・ドル高方向へのサインが複数点灯。当面は円安が続く可能性がありそうだ」との声が聞かれた。
ユーロドルは8営業日ぶりに小反落。終値は1.0821ドルと前営業日NY終値(1.0823ドル)と比べて0.0002ドル程度のユーロ安水準となった。1.0828ドル付近に位置する200日移動平均線を睨んだ狭いレンジ取引に終始した。今日1日の値幅は0.0028ドル程度と小さかった。
欧州中央銀行(ECB)が利下げに慎重な姿勢を保っているとの見方からユーロ買い・ドル売りが入ると、一時1.0840ドルと日通し高値を付けた。半面、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測も後退しており、ユーロ売り・ドル買いも出やすかった。1時前には1.0812ドルと日通し安値を更新した。
ユーロ円は6日ぶりに小幅反落。終値は162.86円と前営業日NY終値(162.92円)と比べて6銭程度のユーロ安水準。20時30分前に一時163.21円と日通し高値を付けたものの、前日に付けた約3カ月ぶりの高値163.47円がレジスタンスとして意識されると失速。1時30分前には一時162.69円と日通し安値を更新した。
カナダドル円も失速した。20時30分前に一時111.80円と2008年1月以来の高値を付けたものの、そのあとは週末を控えたポジション調整目的の売りなどが出た。WTI原油先物価格が2.7%超下げたことで、産油国通貨とされるカナダドルに売りが出た面もあり一時111.25円と日通し安値を更新した。
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