FOMC結果&今後のドル相場について考察 | ファンダメンタルなアウトローのFX

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FOMCの背景&結果

 

 

1/31FOMCの論点は2つありました。

1つは「利下げはいつ頃になるのか?」、もう1つは「QTテーパリングはいつからか?」。この論点を基に、FRBがタカ派姿勢をとるか、ハト派姿勢をとるかに注目が集まっていました。

 

 

※こちらもご参考に

 

 

FOMC結果

結果は、12/13FOMC(前回)と打って変わり、極めてタカ派のメッセージを発信しました。

事前予測にも書きましたが、確かに直近の経済データは強くファンダメンタルは良好でした。またスエズ運河など地政学リスクを踏まえると、インフレリスクも存在しています。

 

しかし、それでも低水準まで下がったPCEコアデフレータ(インフレ率)を踏まえると、目先の利下げはともかく、利下げ示唆をもう少し強くしても良かったとも感じます。FRBのインフレ恐怖症が再燃したという事でしょう。

 

ただ、「3月の利下げ可能性は低い」と述べた一方で、「利下げの必要性」には触れています。中期的な利下げを肯定もしていますから、必ずしもドル買い要因にはなりませんでした。ファンダメンタル分析では重要なポイントです。

 

 

 

FRB経済予測&金利ドットプロット

2023/12/13FOMCで発表されたデータです。

次回3/20でこれらは更新されます。

 

FRB経済予測 ()は前回9月の予測値

 

金利ドットプロット

 

 

FRB経済予測は、経済成長、失業率、インフレ率(=PCEデフレータ、PCEコアデフレータ)はどれも急激な減速をすると見込まれます。もしかすると、本格的なリセッション(景気後退)を感じさせるほどの予測になりました。

 

金利ドットプロットは、FRB要人達が2024年の利下げを予想していることが読み取れます。おそらく2-4回の利下げ(中央値は3回)があると、彼らは考えているようです。この結果を受けてドルは売られていました。

この意見は、1/31FOMCでも変わっていないようです。

 

 

ドル/円チャート

 

FOMC前後のドル/円(1時間足)

 

 

タカ派っぽい会見になりましたが、FOMC後にドルは思ったほど勢いがありません。この理由は4つ考えられます。「FRBの利下げ見通しを投資家が信じていない」「声明から利上げの必要性の文言が削除」「FOMC前後に悪い経済データが続いた」「米地銀のリスク要因が発生した」。このへんがドル高になるのを阻止していた感じです。

 

そもそも、利下げ時期が少々遅れるが、利下げは条件が整えばやるとも述べていて、利上げの必要性について文言が削除されたこともドル売り要因となっています。今がピーク(山頂)と分かった訳で、あとはどの方向を向いても下向き(利下げ)です。ならドル売りで仕込んでおけば、確実に儲かるというロジックが成立するでしょう。

 

 

 

パウエルFRB議長

 

 

FRB声明文&パウエルFRB議長の会見内容を整理しましょう。

発言要旨を、さらに要約します。

 

 

 

やはり衝撃だったの「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」の文言でしょう。これを受け、長期金利とドルは急騰し、株価は急落しています。

 

 

 

ドル相場見通し&論点

 

 

ドル/円見通し

 

Fundalia(ファンダリア)が考える、一般的なドル見通し(ドル/円基準)は『中期的にドル安になる確率が上がった』となります。先ほども書きましたが、現在が山頂ですからあとは下り坂しかありません。つまり利下げを前提としたポジションが組みやすい相場観になったと言えます。

 

それゆえ、短期的なターミナルレート長期化を理由にしたドル買いと、長期的なドル売りが交錯する形になるでしょう。それゆえ、FOMC後(下記チャート146.017のタイミングが発表)のドル/円は不明瞭な値動きとなっています。

 

 

 

 

さらに、スエズ運河のインフレ要因、米地銀リスク、米決算、弱い経済指標などが影響して、上向きになりにくい相場観となりました。

 

 

 

リスク要因

基本的な相場予測から外れるリスク要因を考えてみましょう。1つは、強い経済指標がこの先も続いて、インフレ高騰&利上げ期待が復活するケースです。現在、インフレ要因は確かに増えていますから、あとは原油が急騰するなど条件が加われば実現可能です。

 

次に米地方銀の経営破綻(デフォルト)リスクです。これも問題になる可能性があり、場合によってドル相場をかく乱するでしょう。商業不動産リスクに波及する恐れもあり、大銀行の経営不安などへ点火すると金融危機まであるかも知れません。

 

他にも多くのリスク要因がありますが、比較的現実味が高いものはこれでしょう。FOMC後の要人発言(FRB要人)にも注意が必要です。なぜならハト派総裁もいるため、突然のハト派発言で乱高下するケースも想定されますので。

 

 

 

記事は以上となります。

Fundalia(ファンダリア) 

2024/2/2

 

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