背景
日銀(日本銀行)は、日本経済の景気上昇&インフレ率上昇を背景に、20年ぶりとなる利上げが近づきつつあります。インフレ率は既に3%を大きく超えており、インフレターゲットを2022年10月から上回った状態が継続しています。
この状況下でマイナス金利政策を続けるのは、理屈的に無理があるだろうとなっており、利上げ期待が強まりつつあります。今回も据え置きが濃厚で、今まで通りの結果になりそうですが、利上げについて今まで以上に強い示唆をする可能性もあり得ます。
〈FX投資の基礎知識〉金利が経済や相場に与える影響について解説
今回は、植田BOJ総裁の会見が最も注目点になるでしょう。
ファンダメンタル考察
もう少し掘り下げて考えていきます。
まず日本インフレ率についてですが、最近発表された日本CPIは強含みでした。さらにロイター等で日本企業が大幅な賃上げをするという報道もあります。さらに株高によって、投資家や国民は心理的浮揚感から財布のひもが緩みがちになります。
次にフーシ派による紅海やスエズ運河をコンテナ船やタンカーが通過できない事態は、船舶運賃、入荷遅延によりインフレ要因となるでしょう。コスト増はPPIの上昇からCPI上昇へ転化される可能性があります。
これらインフレ上昇要因は、日銀の利上げを後押しするでしょう。
意外と、インフレ要因が多いため日銀が今まで以上にタカ派に踏み込む可能性があるという事です。
逆にハト派据え置きになる場合、次のようなロジックが働きます。
3月の春闘(速報)を確認するまで金融政策を動かすことはない。ゆえにデータに接した後の4月に利上げという意見が出つつあります。したがってハト派的な発言に終始てハト派の印象になる可能性があります。
日銀は、早すぎる利上げによる景気の腰折れ、デフレ回帰、リスク回避による円高を極度に恐れています。ゆえに「日銀が不安に思っている内は、YCC解除やマイナス金利解除はしない」が日銀の基本姿勢です。
この姿勢が全面に出ればハト派とマーケットは観るでしょう。確率的にこのシナリオが強く、もし思った以上にタカ派ならサプライズと映るはずです。
ドル/円相場の動き
今回、BOJ政策金利ごのドル/円相場を考えるにあたり、2つの前提条件があります。
1. 既にドル/円は極度の買われ過ぎ相場になっている点
2. 来週にFOMCがある点
つまり、BOJ政策金利の結果だけで為替相場が動くことはないでしょう。しかし、それでも値動きを起こすとすれば、日銀がタカ派へ踏み込んだ姿勢を見せたケースです。投資家達は、どうせ日銀は弱腰のままだろうと思ってトレードしています。ゆえに安心してドル買いを進めてきました。投資家は、もう何度も日銀に裏切られたのです。
もし、日銀が踏み込んできたら情勢は一変するでしょう。ほとんど織り込まれていませんから、サプライズの猛烈円高になるでしょう。今の相場観は、このシナリオになるか、そうはならないかの2択になのです。
もし無風通過なら、マーケットはすぐさまテーマをFOMCに切り替えてしまいます。このケースでは円安が進むと想定されます。
ただし、円安になる場合でも一定の利益確定はあるでしょう。
激しい相場になるケースもあり得ます。
参考になさってください。
Fundalia(ファンダリア)