FOMC結果&今後のドル相場について考察 | ファンダメンタルなアウトローのFX

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FOMCは、物凄い結果になりました。長文になりますが、ぜひお読みになってください。

為替相場は金利に影響されて値動きします。その金利を司るのが金融政策で、とくにアメリカのものが重要となります。

 

FOMCの背景&結果

 

 

FOMCの背景

 

2020年のコロナショック後に始まった急激な金融緩和によって猛烈インフレが発生しました。これへ対処する為、2021年秋から金融引締めが始まり、2022年3月より利上げが行われています。この過程で100円前後だったドル/円は、150円を超える水準まで上昇しました。

 

インフレ退治に目途が立ったため、FRBが利上げ路線からいつ転換するのか?」が論点になりつつありました。一方、未だに高いインフレ率を踏まえ「高いインフレのため、高金利を継続する」というアナウンスがされると予想されても居ました。

 

事前の一般的意見としては、後者の可能性が高くドルが買い支えられる要因になる。そういう雰囲気があった中でFOMCを迎えています。

 

※こちらもご参考に

 

 

FOMC結果

 

 

蓋を開けてみれば衝撃でした。まず声明文に「アメリカ経済は減速する」との文言が盛り込まれ、これまでの「緩やかな成長」から修正されました。

 

 

 

 

FRB経済予測&金利ドットプロット

 

 

FRB経済予測 ()は前回9月の予測値

 

金利ドットプロット

 

 

FRB経済予測は、経済成長、失業率、インフレ率(=PCEデフレータ、PCEコアデフレータ)はどれも急激な減速をすると見込まれます。もしかすると、本格的なリセッション(景気後退)を感じさせるほどの予測になりました。

 

金利ドットプロットは、FRB要人達が2024年の利下げを予想していることが読み取れます。おそらく2-4回の利下げ(中央値は3回)があると、彼らは考えているようです。この結果を受けてドルは売られていました。

 

 

ドル/円チャート

 

FOMC(4:00)前後のドル/円(10分足)

 

 

FOMC後、数時間でドル/円は5円強の暴落を演じています。

FRBがゲームチェンジ(金融政策の転換)をおこなったと、マーケットも考えているようです。

 

 

 

パウエルFRB議長

 

 

パウエルFRB議長の会見内容を整理しましょう。

発言要旨を、さらに要約します。

 

 

やはり衝撃だったの「今日の会合で、利下げのタイミングを協議」の文言でしょう。会見で、こんな明言をするFRB議長は過去に居ません。もっとオブラードに包み、曖昧で回りくどい言い回しをします。これだけ明瞭に述べると、ドルは直角的に下落します。

 

 

2023/11/1FOMCの結果考察

 

 

前回FOMCでも、ハト派になる予兆はありましたが、今回との温度差は大きいものです。見比べてみると分かっていただけるでしょう。FRBの中で経済状況が、この6週間でかなり悪化したという認識があるようです。

 

利下げに踏み切る条件が整い始めたからこそ、このようなハト派発言になったと言えます。

 

 

 

翌日以降の修正発言

 

 

ただ、物凄いハト派発言の翌日、FRBは強過ぎるハト派強調を修正する動きに出てきました。ウィリアムズ・NY連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁などが、前日のパウエル発言を打ち消す(弱める)発言を連発。

5円も急落したことへの措置とは言え、あまりに衝撃だった内容をマイルドに転換する動きがありました。

 

とはいえ、これは衝撃を弱めることが目的と言えるでしょう。パウエル発言を否定して、タカ派に再転向する趣旨ではありません。

 

 

 

ドル相場見通し&論点

 

 

一般的な見通し

 

Fundalia(ファンダリア)が考える、一般的なドル見通し(ドル/円基準)は『中期的に、上下動をしつつ130円を目指す』となります。130円に向かうとなれば、大きな値動きと感じつかも知れませんが、実はこれでも控えめな表現です。120円を割れる展開も想定されます。2024年夏くらいまでかかるでしょうが…

 

FRBの金利ドットプロットでは、3回程度の利下げが見込まれます。これを織り込む過程で、強いドル売りがあるでしょう。当然「本当に3回の利下げがあるのか?」「あるとすれば、いつか?」という課題をこれから解いていかねばなりません。

 

 

2021年の頭から金融引締めは意識され始めました。この頃は利上げでなく「量的緩和(QE)の解除」でしたが。2021年秋にテーパリングが始まり、2022年から利上げとなっています。価格差は50円あります。

 

この半値程度を織り込む可能性があります。FRBによる利下げは、今後11-13回程度あると推定されます。

 

 

 

一般的でない見通し

 

当然一般的でない見通しもあります。とくに思った方向と逆に進むケースで、何らかの事象が割り込みシナリオが大きく狂うリスクです。金融危機の発生、地政学リスク等によりインフレ再燃、アメリカ景気の粘り腰など多くのリスクシナリオが潜みます。

 

2024年のFOMCで、利下げ回数が2回になる(4回になる)、利下げ開始が遅れる(早まる)なども為替相場に影響するでしょう。実際に1回も行われないケースもあり得ます。

 

こうした想定外のシナリオが存在することも忘れてはなりません。

 

 

 

 

記事は以上となります。

Fundalia(ファンダリア) 

2023/12/16

 

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