ここまでの経緯・背景
アメリカのインフレ率は着実に下がっていて、それを踏まえて利上げ確率が減り、利下げ確率が高まっています。後述しますが、すでに来年3月に第1回利下げという予測も出ており、一方で追加利上げの可能性も僅かになる。そうした思惑が今回のFOMCでは支配しています。
私たちFundalia(ファンダリア)では、『為替相場は、金利に決定的な影響を受ける』と考えています。従って金利を知らねばFXは出来ないと言えるでしょう。金利については下記linkをお読みください。
〈FX投資の基礎知識〉金利が経済や相場に与える影響について解説
結論から言うと、今回のFOMCは据え置きで確実です。
そのうえで金利ドットプロット、FRB経済予測、パウエルFRB議長会見などの内容が吟味され、相場になっていくでしょう。2024年を占う、極めて重要なFOMCです。
米金融政策を考察する
アメリカの金融政策について考えていきましょう。
下記の2図を中心に論じて参ります。
雇用統計が強かったことが、やや問題になっています。
もし弱いデータなら、アメリカ経済は順調に鈍化していると評価され、いつ利下げかを考察する場になっていたでしょう。しかし、雇用統計と昨日のCPIが強いデータだったことで、もしかすると「二枚腰」で盛り返す可能性も考慮する必要が出てきました。(=実際、その可能性は低いが)
【タカ派に傾くケース】
もしかすると、パウエルFRB議長が「強いデータで示された通り、高い金利が今後も長期間続く」とタカ派強調すること、あるいは金利ドットプロットで思った以上に利下げ支持が伸びない結果なら、ドルが息を吹き返す可能性もあります。
ゆえに、金利ドットプロットを前回のものと比較し、変化を確認するのも有効です。
【ハト派に傾くケース】
逆にハト派へ傾くケースもあります。雇用統計やCPIデータを「単月データで判断しない」と述べたうえで、「アメリカ経済は悪化していて金利が上がる可能性は低い」と述べる可能性もあります。これはベージュブックに沿った内容で、十分に可能性があります。当然ドルはさらに下値を覗くことになるでしょう。
今回厄介なのは、天秤が中立に近いためどちらにもなり得る点です。
最も高い確率のシナリオは「インフレが下がり好ましい」と述べたうえで、「アメリカのインフレ率はなお高く、現在の高金利は長期間続く」と再宣言するものです。
これらを各種データから、どれに近いか読み解いていくと良いでしょう。
機関投資家の金利予測
為替のメーンプレイヤーである機関投資家の意見を推察してみましょう。
CMEデータとIMMデータを見ることで、大雑把に動きを把握できます。
12/13朝 米国時間終了時点 CME金利予測
CME金利予測では、今回は据え置きになります。しかし3/20には利下げ確率が45%まで上がっています。FRBがどういう認識か興味深いところです。
IMM(投機筋)の建て玉
次にIMM(シカゴ通貨先物)データです。機関投資家、ヘッジファンドは現在空前の円売りポジション(建て玉)を積み上げていますが、やや解消されつつあるようです。植田BOJ総裁の「チャレンジング発言」は結構効いたようですね。
今後、円売りポジションが解消される可能性がありますが、FOMCの結果も絡んでくるでしょう。
ドル相場の動き
今回、不透明要因が大きく予断を許しません。
先ほど挙げた、タカ派に傾くケース、ハト派に傾くケース、最も高い確率のケースごとに円買い、円売り、そして円売り?となります。おそらくFOMC後はドル高になりやすいでしょう。中長期では円高ドル安になるでしょうが、今夜に関してその確率が高いと考えます。
とはいえ、FOMCから提供される情報に、どれだけハト派要因が混ぜ込まれるかにかかっていますが?
今夜、Twitter(X)でライブ配信します。
どういう情報がでて、タイムリーにそれがタカ派かハト派か?論じていこうと思います。こちらも良かったら活用してみてください。
参考になさってください。
Fundalia(ファンダリア)