ファンダメンタル分析の側面で事前考察しました。
ドル相場に関しても、見通しを書いていますので、参考にどうぞ。
投資判断は、ご自身の責任で行ってください。
Fundalia(ファンダリア)
背景
FOMCでは年内に追加利上げの可能性が減衰する中、FRB要人の発言も「利上げする」から「利上げの可能性がある」という風にトーンを落としています。パウエルFRB議長も既にターミナルレート近傍にある事は理解しているようで、利上げの可能性を示唆しつつも、利上げ終了も示唆しています。
この様な中でPCEデフレータが発表されます。
インフレ率(特にPCEコアデフレータ)が弱くなれば利上げの可能性は下がり、利下げへ移行する時期も早まるでしょう。そうなれば当然、ドル相場に甚大な影響があります。
今夜は、それを確認できる重要資料となります。
明日に予定されるパウエルFRB議長も併せて確認しましょう。
PCEデフレータは、複数の指標からなりたつため消費統計(雇用統計と似た感じ)と呼んで良いと思います。その中で、最も重視されるのがPCEコアデフレータとなりますが、PCEデフレータやPCE(個人消費支出)も重要度は高くなります。
あまり注目されませんが、個人所得は「賃金・賃上げ」を測定する重要データです。雇用統計における「平均時給」と並び注目すべきでしょう。
FOMCの利上げ動向を見定める
FRBが利上げを決定する時、最も重視する指標がPCEコアデフレータです。パウエルFRB議長などが「インフレ2%の目標」という言葉を良く言いますが、これはPCEコアデフレータ(前年比)を指しています。CPIではありません。
青線がFRBが定める「インフレターゲット」
青線へ収束するほど利上げの可能性は減っていきます。
PCEコアデフレータ(前年比)が最も注目されます。FOMCで利上げ・利下げを決める時、最も直接的な判断材料になるからです。3.0%を下回る水準になると利上げの雰囲気が噴出するでしょう。
2023年11月30日の金利予測
CME金利予測を載せました。現状の政策金利(5.25-5.50%)を2ヵ月ほど続けてから、利下げ工程に入ると機関投資家は予測しているようです。あと1回の利上げを予想している投資家は僅かです。また、FRBが利下げに移る時期も2024/3/20には半分近くあるとしています。
この予測を裏づけするデータになるのか?
注目されます。
ドル相場への影響
基本的にPCEデフレータ(特にPCEコアデフレータ)が弱くなるほど、ドルは売られるでしょう。米インフレ率はダウントレンドにある為、どれほどの勢いで下落しているかが論点になります。
ただ、今夜は前回よりインフレ上昇する予想になっています。ここのは注意が必要になるでしょう。
予想以上に弱い場合、ドルは猛烈に売られるでしょう。前回値を下回るようなら146円台も視野に入ってきます。予想は強めですが、このシナリオは十分に想定されます。
予想通りあたりでも、ドルにとってマイナス要因には違いありません。ただ全体的(他データも見て)にインフレが下げ止まった印象を与えるなら、ドルにとってプラス作用があるかも知れません。PCEデフレータや前月比データにも注目です。昨夜の要人発言を見ると、ここからインフレを下げるのは容易でないというものもあり、それを裏づけるようならドルを買う投資家が出てくるでしょう。
予想以上に強い場合。サプライズと言って良いでしょう。
ここまでインフレや長期金利が下がってドル売りに傾いた流れが、一過性で復活する可能性があります。長期の流れは変わりませんが、インパクトあるデータなら投機筋が喰いつくシナリオが考えられます。感謝祭を終えてから年末までは、投機筋が相場で主導的になります。
長期金利がどれほど戻すかによって、ドル反発の幅も決まってきます。
発表後はドル売りになる可能性が高めと予想しています。
コア指数が最重要ですが、他のデータも見る必要があります。
ご参考になさってください。
個人投資家には、ファンダメンタル分析が必要だ!
Fundalia(ファンダリア)