前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
29日の米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。表面利率4.500%の10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は高い)4.25%で終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面の終了や来年以降の利下げの可能性が意識される中、この日も買いが続いた。
【終値】
米2年債利回り:4.6434(-0.0908)
米10年債利回り:4.2629(-0.0578)
米30年債利回り:4.4398(-0.0655)
アメリカ国債利回り
〔米株式〕
29日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら続伸。終値は前営業日比13.44ドル高の35430.42ドルとなった。米国の利上げ局面が終了するとの観測が一段と強まる中、米長期金利が低下すると、株式の相対的な割高感が和らいだ。市場では「米利上げ局面の終了や来年以降の利下げの可能性が意識された」との声も聞かれ、一時160ドル超上昇した。ただ、バーキン米リッチモンド連銀総裁が「追加利上げの可能性を排除するつもりはない」「利下げについて議論するのは時期尚早」などと述べたと伝わると、伸び悩んだ。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、同23.27ポイント安の14258.49で取引を終えた。高く始まったものの、7月に付けた年初来高値に接近すると利食い売りなどが優勢となり下げに転じた。
〔米原油先物(オイル市況)〕
29日のニューヨーク原油先物相場は続伸。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)1月限の終値は前日比1.45ドル高の1バレル=77.86ドルとなった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫の発表を前に売りが強まった。しかし原油在庫の積み増し継続確認後は次第に戻した。30日開催予定の石油輸出国機構(OPEC)ほか主要産油国で構成される枠組みOPECプラスの会合を控えるなか思惑を背景とした買いが入りやすかった。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
29日のニューヨーク金先物相場は4日続伸。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる2月限の終値は前営業日比6.9ドル高の1トロイオンス=2067.1ドルとなった。昨日のウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事による「インフレ率がさらに数カ月間低下し続ければ、政策金利を引き下げる根拠は十分にある」などの発言を受けた米金利低下が引き続き支援材料。金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味の高まりが底堅さにつながった。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
29日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。5時31分時点では13.07と前営業日の清算値12.69から0.38ポイント高い水準で推移している。
〔米為替市場〕
29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続落。終値は147.24円と前営業日NY終値(147.48円)と比べて24銭程度のドル安水準となった。アジア時間に一時146.67円と9月12日以来の安値まで売り込まれた反動で買い戻しが先行した。米商務省が発表した7-9月期米国内総生産(GDP)改定値が年率換算で前期比5.2%増と速報値の4.9%増から上方修正され、予想の5.0%増を上回ったことが伝わるとドル買いが加速。23時過ぎに一時147.90円と日通し高値を付けた。
ただ、節目の148.00円には届かなかった。米経済活動の3分の2超を占める個人消費が3.6%増と予想の4.0%増を下回ったほか、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数が2.3%上昇と予想の2.4%上昇を下回ったことが相場の重しとなった。米国で利上げ局面が終了したとの見方が広がる中、戻りを売りたい向きも多く、4時過ぎには147.08円付近まで下押しした。
なお、FRBがこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では「米経済活動は前回の報告書以降減速した」との認識が示されたほか、物価上昇については「地区全体でほぼ緩やかになったが、依然として高止まりしている」、労働需要については「引き続き緩和した」と伝わった。
ユーロドルは5営業日ぶりに反落。終値は1.0969ドルと前営業日NY終値(1.0993ドル)と比べて0.0024ドル程度のユーロ安水準だった。アジア時間に一時1.1017ドルと8月10日以来の高値を更新したあとだけに、欧米市場では利食い売りなどが出た。11月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を下回ったことで、欧州のインフレ鈍化を意識したユーロ売りも出た。米GDP改定値の上振れを受けてドル買いが強まると、一時1.0960ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、米国での早期利下げを見込むユーロ買い・ドル売りが入ると、1.0995ドル付近まで下げ渋った。
なお、バーキン米リッチモンド連銀総裁は「追加利上げの可能性を排除するつもりはない」「利下げについて議論するのは時期尚早」などと述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「今後のデータ評価する上で政策は良い位置にある」「さらなる利上げが必要かどうかは経済状況次第」などと語った。
ユーロ円は3日続落。終値は161.52円と前営業日NY終値(162.12円)と比べて60銭程度のユーロ安水準。21時30分過ぎに一時本日高値となる162.25円まで値を上げたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。取引終了間際には161.49円と本日安値を更新した。
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