Upstart Crow第3シリーズは、息子を亡くした悲嘆のあまり言葉もないという、悲しみに満ちた終わり方だった。今回はそんなラストシーンを受けてのクリスマススペシャルということで、一体どんな展開になるのかと思ったら、前回の悲しみを踏まえた上でそれでも前向きに生きていく方法を考えようという、極めて正攻法の続編だった——が、正攻法で話を進めるため、ディケンズとのリミックスいう荒技を繰り出してきた（笑）。
ロンドンからストラトフォード・アポン・エイボンの自宅へと戻る乗合馬車の中で、ウィル・シェイクスピアは夢うつつの中、謎めいた男（演じるのはケネス・ブラナー！）からクリスマスにまつわる素晴らしい幽霊話を聞かされる。やがて到着した自宅は、幼くして亡くなったハムネットの喪中ということでクリスマスを祝うどころの空気ではなかったが、ウィルは馬車の中で聞いた幽霊話に倣って「自分たちが前向きな気持ちを取り戻すためにも、自分たち以外の誰か、魂のないガリガリ亡者を救おうではないか」と提案する。でも、そもそも救わなきゃいけない「魂のないガリガリ亡者」の知り合いなんかいたっけ——そうだ、ウィルの天敵ロバート・グリーンがいた！
ウィルが脚本を書き、ウィルの家族や友達や同僚が一丸となって（？）、ロバート・グリーンに過去と現在と未来の幽霊（の芝居）を見せようとする。果たして、ウィルたちの思惑通りにグリーンはまんまと芝居に乗せられて改心するのか、それとも？
昨年のクリスマススペシャルに比べれば地味でおとなしい内容だったが、これはこれでクリスマスらしくて良かったと思う。だからどうか、1日も早く第4シリーズの製作が決定してくれますように！