前回の続き。

 

〈日本文学史2〉第6回から第10回は、「詩」と「歌」の近代とは異なるありようから話を始めて、「新体詩抄」の野蛮な問題提起から口語自由詩への道のりと、「自由」であるが故に曖昧になる「詩」のアイデンティティの話、大衆化する詩と観念的な詩の対比、「題詠」と自己表現重視の近代短歌の対比、俳句が芸術である「詩」のなかに取りこまれる流れなどを説明した。

 

その内容をまとめる課題と、下記の課題を課した。

第6回から第10回の内容と関連づけて、現代(21世紀)の詩歌について、具体的な作品を取り上げながら自分の意見を500字〜1000字で書く。

 

これに関しては二年連続変更無し。「現代」では通じないとわかったので、「(21世紀)」と付けてみた。

とはいえ、金子みすゞ、茨木のり子、相田みつを、工藤直子などの20世紀の詩を挙げたレポートがけっこうあるのは、1〜5回の時と同様。「万葉集」を取り上げたものもあったが、さすがにワンチャン無い。

 

また、歌詞やラップでもかまわないと講義動画では説明していて、どんな名前が出てくるのか楽しみにしていたのだが、一つのレポートでしか取り上げられていない、現代詩人・現代歌人・バンド・ラッパーがかなり多く、やはり文化の細分化というのは否めないのかもしれない。

 

さて、やはり複数のレポートで取り上げられたものを紹介する。

数字は合計・2020年/2021年の順番。

なお、複数の作品が挙がった場合は作家名を、一つだけの場合は作品名を載せています。

 

谷川俊太郎 34・15/19

最果タヒ 25・13/12

サラリーマン川柳 13 10/3

俵万智 10 5/5

プレバト!! 8 7/1

新俳句大賞 5 4/1

YOASOBI 5 3/2

米津玄師 4 2/2

椎名林檎 3 2/1

秋元康 3 1/2

ASIAN KUNG-FU GENERATION 2 1/1

トイレの神様 2 1/1

西野カナ 2 1/1

ヨルシカ 2 1/1

R-指定・Creepy Nuts 2 1/1

 

やはり教科書に載っている現代詩人谷川俊太郎は強い。とはいえ、俵万智とともに20世紀に発表した作品を取り上げていた減点レポートもあるので、それを除けば21世紀を代表するメジャー詩人は最果タヒなのかもしれない(当社比)。

 

※2020年だけ挙がっていたもの

シルバー川柳 6

川谷絵音 2

HY 2

aiko 2

ヒプノシスマイク 2

 

※2021年だけ挙がっていたもの

柴田トヨ 4

うっせえわ 4

AAA 2

あいみょん 2

Official髭男dism 2

 

やはり二年間といえども時の流れは感じるのだが、たまたま二人いたというだけかもしれないので、もう一年くらい観察はしてみたい。

もっとも教室での講義が可能になったら、元の持ち込みなしの小テストに戻したくもあるので、そこは悩ましいところでもある。

 

なお、期末レポートでは11回から13回の内容をふまえて演劇・映画・ドラマ等を取り上げさせるので、また2月くらいに結果を報告するかもしれません。

 

後期開講、2年生必修の〈日本文学史2〉では、例年持ち込み無しの小テスト2回と期末試験で評価を行っていた。しかし、新型コロナ対応で昨年度からオンデマンド形式になり、やむをえず講義内容のまとめ+それをふまえて自分の意見を書くレポートを課すことにしている。

 

たとえば第1回から第5回の講義についてのレポートはこんな感じである。

 

昨年度:第1回から第5回の内容と関連づけて、現代の文学・芸術・文化について、具体的な作品名を挙げて自分の意見を500字~1000字で書く。

今年度:第1回から第5回の内容と関連づけて、21世紀の文学・芸術・文化について、具体的な作品名を挙げて自分の意見を500字~1000字で書く。

 

ほぼ同じだが、「現代」を「21世紀」としたのは、ゴッホとか三島由紀夫とかの作品を挙げたレポートがあったからだが、変更しても二葉亭四迷「浮雲」を挙げてきたりしているので、課題をちゃんと読んでいない人はどうしても出てしまうのか、そもそも今が21世紀だということを知らない人がいるのかもしれない。

 

講義内容は、資本主義社会における商品としての作品とか、作品と読者を結びつけたり断絶させたりする〈仲介者〉の存在とか、小説の芸術としての側面と娯楽としての側面のどちらを重視するかで生じる対立とか、前者が行き着いた「私小説」を巡る幻想といったものであり、主に19世紀終盤から20世紀初頭の日本の小説に関わる言説を資料としている。1番新しくて久米正雄「私小説と心境小説」(1925年)で、それからおよそ100年後の今はどうなっているかを考えて書いてもらいたいレポートな訳である。

 

さて、ここからが本題。

今、大学の日本文学専攻に所属している20歳前後の学生が挙げる「現代の文学・芸術・文化」とは? ということで2年間を合わせて複数の学生が挙げた作家や作品を紹介したい。

もちろん、一人しか挙げていない作家や作品が多いのだが、全部紹介するのは大変なので省略させてもらいます。あしからず。

 

合計・2020年/2021年の順番。

なお、複数の作品が挙がった場合は作家名を、一つだけの場合は作品名を載せています。

 

※両年とも名前が挙がっていたもの

鬼滅の刃 19 9/10

村上春樹10 5/5

RE:ゼロから始める異世界生活 7 4/3

火花 7 2/5

君の名は。 6 3/3

ONE PIECE 5 3/2

朝井リョウ 5 3/2

バンクシー 5 2/3

ソード・アート・オンライン 5 1/4

ホームレス中学生 3 2/1

コンビニ人間 3 2/1

ジョジョの奇妙な冒険 3 1/2

東野圭吾 3 1/2

転生したらスライムだった件 3 1/2

永遠の0 2 1/1

君の膵臓をたべたい 2 1/1

 

さすがに「鬼滅」は強いですね。あまり小説に興味が無いような人たちのいい逃げ場になっていたような。

「ホームレス中学生」は「私小説」との関連で挙がってきていたのだが、「火花」も同じような文脈だった。いや、語り手は漫才師というだけで作者との境遇はけっこう違っているのですが、読まずに書いた可能性もありますな。

 

※2020年だけ挙がっていたもの

テニスの王子様2

NARUTO 2

ハリーポッター 2

少女終末旅行 2

 

このへんは時の流れという感じ。最後のはたまたま二人が選んだということでしょうかね。アニメからも少し経っていますが不思議です。

 

 

2021年だけ挙がっていたもの

宇佐美りん 7

西村賢太 2

100日後に死ぬワニ 2

うっせえわ 2

仮面ライダー 2

 

こちらは「推し、燃ゆ」が六票を取った(そういうものではない)宇佐美りんが新人賞を獲得。発表・刊行は昨年でも、やはり芥川賞で一気に周知したのがよくわかる。あとの一人はデビュー作の「かか」を挙げてました。

 

そして、現代で「私小説」と言えばやはり彼なのですね。

 

「うっせえわ」は、次の詩歌についてのレポートでも活躍しますが、そのあたりはまた明日書きます。

 

予告 やはりあのベテラン詩人は強い、でもそれに迫る新人が?!

 
11月はハリウッドのアメコミ原作SFX映画を一本、マンガ原作の日本のテレビドラマの劇場版を一本、日本のアニメのテレビシリーズの再編劇場版三部作の最終話を一本、アメリカの大々ベテラン監督によるドキュメンタリーを一本見た。
たまたまジャンルが完全に分かれたのであった。
 
ハリウッド映画と言っても舞台は世界中にわたり、また登場人物も様々な人種にわたる(厳密には「人」ではないが)。表現についても、日本のアニメ・ゲーム等で行われてきた表現を借りた描写、強力な技を出すために時間をかけて力を溜めるとかが導入されている。9月に見たのでも、長ーい首がうねうね動いているところに飛び乗って、頭の方に駆け上がって攻撃するという何度も見たことのあるアクションがあって笑ったが、今回もそういう面白さがあった。
 
一方日本のドラマの劇場版はあくまでもドメスティック、日本から一歩も出ないし、登場人物も全員日本人(ジルベールと呼ばれる男はいるが)、街中でチラリとカメラを向ければ海外から来たと思われる人々が入りこむものだが、そういうことも多分無い。同性愛カップルを取り上げながら、多様性についての配慮は無いというのはいかにもテレビ的か。
ストーリーは原作マンガを二時間弱にまとめるために、かなり離れたエピソードがぎゅっと圧縮されていた。その中で、自分の以前発した言葉が違う時と場所で相手によってまた返されるという関係が繰り返され、それにより人間関係の対称性と非対称性が確認されるという脚本は、ストーリーについて勉強している人にはお手本になるようなものだった。

多様性は無いけどな。

 

アニメ映画の完結編(今年はいろいろ完結するね)は、元々海外のロックやスケートボードなどのマイノリティによって生み出されたストリート・カルチャーを導入して作られたものなので、そのあたりの多様性は2000年代前半のテレビアニメとは思えないものがあった。もちろん、それは再編劇場版でも継承されている。

ただ、テレビシリーズでは3.11以降の世界の分断を、おそらく未来と思われる世界での異星生物とそれを恐れたり崇めたり排除しようとする地球人との対立として描いていたわけだが、今回の再劇場版のシリーズでは一作目はそれを継承していたものの、二作目でわれわれが生きている現実世界との繋がりが説明され、さらに完結編では二つの世界が繋ることでわれわれの世界の未来に生じる分断が問題とされている。

そのあたり、分断が日本も巻きこんだ話として浮上してきたということもあるし、2011年以降日本自体があらためて分断を経験したということも関連するのだろう。1995年の「エヴァ」も2005年の「エウレカセブン」も2010年代には同じようには作れないということだ。

 

最後はいよいよ上映されたワイズマン老の新作。urlにあるように原題は"City Hall"、内容としては市の公共事業や支援事業にかかわるイベントと会議、ということになる。邦題では具体的な市の名前が入ってしまっているが、本当はどこにでもあるどこでもない街で行われている、そしてそこで進行しているネオリベ的なものの浸透が描かれている。前の映画についてふれた分断は様々な事業にも現れていて、福祉、日本国憲法で言えば市民の「健康で文化的な生活」を守るための話し合いが行われている一方で、いかにコストを減らして赤字を無くすのかということが話し合われたりもしているのだった。

 

ジャンルが分かれているようで、実際は共通の土台があるものですね。

心安らかというだけでなく心の臓を安めるという意味もあるのだった。

 

先月初旬、高ストレスな会議が半日続いたところで、胸の痛みがどんどん強く、苦しくなり会議を早退。一晩寝て症状が消えたと思ったら、在宅ワーク中にまた同じ状態に。

 

救急病院に行って、あれこれ検査して、脈を抑える点滴(サンリズム・帰りに同じ成分のカプセルを頓服として処方された)を打たれたりしたらいくらか収まった。

本人は辛いけれども、今すぐ命がどうこうではない不整脈(期外収縮)ではないか、という診断で、念のために後日心エコーやらCTスキャンやら24時間ホルター心電図などの検査を受けることになった。

いずれも経験済みのものですね。

 

10月中に検査を済ませ、月が変わってから結果を聞きに行ったのだが、今のところは大丈夫ということで、服薬とかも無しとなったのでした。

 

ともあれ、ストレスが良くないのは確かなので、これからはさらにのほほんと過ごしていく所存なり。

 

しかし、最初にホルター心電図の検査をしたのは6年前だが、ずっと同じ機械を使っているようで、装着用のケースも擦れ跡が目立つ感じになっていた。

 

できれば、しばらくお目にかかりたくないものでございます。

09

https://marvel.disney.co.jp/movie/shang-chi.html

10

https://pripri-anime.jp/ 

https://www.007.com/no-time-to-die-jp/ 

https://wwws.warnerbros.co.jp/dune-movie/

 

明日書く予定のとある事情で10月は更新無しとなったので、9月と10月を合わせて扱うが、計4回映画館に赴いた。

アメリカのSFX映画2つと、日本のテレビアニメの劇場版第2章、イギリスの長大シリーズの最新作であり主役交代前最後のもの。

 

日本のについては、第2章でようやくサブタイトルの意味がわかった。いや、今考えると第1章の敵?もCrownをHandleするのに近い立場だったね。

しかし、悪役が最初からあんなにあからさまでいいのでしょうか?

 

イギリスのは敵の妙なJaponismのせいで、かっこいいよりもおもろいが先行してしまった印象。この前にBlack WidowやThe Suicide Squadを見ていたので、アクションに関してはいつものあれ、という感じで安定感があった。

そして、まさかの結末。けっこう驚いたよ。

そういえば、キューバで大活躍していた彼女が、Knives Outの嘘とつくと吐いちゃう人と同一人物とは思わなかった。さすが女優さんです。

既視感と言えば、アメリカの二つは原作そのものは古くいろいろ後の作品に影響を与えているのだが、後発者を先に見てしまっているので、あらためて見事に映像化されると、おお「グリーン・デスティニー」……、おお「Star Wars」……、おお「ナウシカ」…… という印象を受けてしまうのはおもしろいものであった。

おもしろがっていていいのかはわからないが、今後はこういうことが多くあるのだろう。

今年もアサガオ他、様々な植物を育てたり(枯らしたり)しているわけです。

 

まずはアサガオ。

昨年生協で買った種は、在宅ワークでエアコンを使い続けた結果、室外機の熱風害によってリビングのものを除いて全て枯れてしまったのでした。

 

今年も在宅ワークは継続し、新しい芽が出てきてあたりで、このままではいけないと対策グッズがないかと100円ショップを訪ねてみました。

 

見つけたのは風よけネットとやら。本来は苗が風で倒れるのを防ぐためのものですが、ひとまず買ってきてぶらさげてみました。

 

その効果か、今年は枯れる株も無く、生協種は同じ形の四色の花を咲かせています。

 

昔から育てている方のアサガオから収穫していた種から咲く花は大輪な感じです。あと、蔓がよく伸びる。

 

なお、今年も100円ショップで買ってきた小鉢に種を蒔いてリビングに設置。最初は昨年リビングで収穫した種を蒔いたものの、発芽しないので昨年使わないで生協種を蒔いたところ、そちらは発芽。

 

その後、なんか刺激になったのか、リビング収穫種も発芽で2本体制になりました。

右が生協種、左がリビング収穫種。全く大きさが違うなあ。

 

今もかなり大きさ違うし、生協種は二つに枝分かれしてますね。このあたり、土が少なかったり栄養が少なかったりするのか、ベランダの生協種とは違っている感じ。同じ袋でも違う種が混じっている可能性もありますな。花も違うし。

 

ちなみに二個上の画像でアサガオより目立ってしまっている葉は、ずっとリビングにおいてあるアボカドでございます。上の方を映すとこんな感じで繁茂してます。

 

次に新顔としてアップルマンゴー、これまでのアサガオやビワのように食べて出てきた種を植えたら(今回は枯れてしまったアサガオの跡地に)発芽した訳で、冬になってから鉢に植え替えてリビングに置いておいたものです。

5月はこのくらいだったのが、夏になって本領発揮して葉を増やしております(ピントが甘い……)。

 

もう一つの新顔はバジル、ただしこちらは気温の上昇と共に枯れてしまいましたが。

でも、葉を出してくれたのを摘んでパスタやピザに使ったりしました。ありがとう。

 

他にビワやモモもベランダに置いてあるのですが、現状維持ということで、また次の機会に。

先々月は本当に映画館が遙かな感じになったので、一回休み。

先月はあまり遙かではなく4度出かけた。

 

 

1度に2本見た時が二回あったので、計6本。

日本のオリジナルアニメが1本、テレビアニメの劇場版が3本(うち2本が「Fate」関連というのがいまどきである)、ハリウッド制作の実写SFX映画が2本という内訳。

 

四本目を除いてすべて戦う場面があるのだが、どうしても強さや速さの表現のしかたが似てしまうのはやむをえないのか。わかりやすくするために、ものすごい数の敵(やその一部)の攻撃を避け、かき分け、叩いて、攻撃を逃れる感じの場面をどうしても作ってしまうんだろう。「シン・エヴァ」ですらそうだったからねえ。

 

その中で、ラットキャッチャー2さんは痛快だった。もちろんあれも新しい訳ではないのだが、多くは悪役の戦い方なので新鮮な感じだった。あ、いや、彼女はドロボウさんだった。

しかし、今回見た映画のうちの一つについての批評を読んでいて、かつてとは別の意味で現実と虚構の区別がつかない人たちが多くなっているらしいと思った。

この批評自体はいろいろ腑に落ちるいい批評だったのだが、その中で意識されている大方の感想のようなものについて、ということになる。

 

かつては、現実を虚構のように捉えてしまう、たとえば現実には明確な正義や悪も無いのに単純な二元論で捉えてしまうとか、ゲームのようにリセットの効くもののように現実を捉えてしまう、ということ(実際にそんなやつがおるのかは知らん)について区別が付いていないと言っていた訳だが、今は虚構についても現実のように正しい振る舞いがなされなければならない、と考えている人たちがいるようなのだ。

だから、現実に照らして、主人公が法律を犯していたり、状況を悪化させかねない不適切な行動を取っていたりした時に、非難したり、より適切な行動を書き連ねたりするようなことになる。

 

昔もそういう人もいたのだろうし、マンガやアニメがより多くの人に読まれ、見られているということや、多くの人がネットを使って発言できるようになったということも関係しているとは思う。

ただ、それ以上にマンガやアニメに関して言えば表現のリアルさが上がったことが関連しているように思える。もっと戯画化された単純な線で描かれたキャラクターだったり、省略されたりパターン化された背景だったりしたら、それほど虚構に現実を照らそうという気にはなれないのではないか。だってマンガだから、だってアニメだから、で済まされたデタラメさやリアリティの無さが見過ごされなくなっているということなんだろう。

 

そういう現実に照らした正しさを基準とする見方は、フィクションではないけれども新型コロナ禍において「サラメシ」とか「水曜日のダウンタウン」で、道行く人にインタビューする企画が無くなっていることとも関連していそうである。感染リスクがある以上、できる限り接触は避けた方がいいとクレームを言ってくる人を恐れているんだろう(ニュース番組の「街の声」は何人くらいに聞いているかわからないが、たとえば「水ダウ」の仮説検証の場合は何十人の人に聞きました、と出さなければならないので厳しいのだろう)。

だってバラエティ番組だから、とはいかなくなっているわけだ。

 

ネットで発言することが目新しくて調子に乗っている人の多い今だけの過渡的なものなのか、今後も「○○警察」的な蔓延っていくのか、少し気にしておくことにしよう。

明後日から9月、ということで非常事態宣言がどうなるかはまだわからないものの、9月13日から後期は始まってしまうということで、更新していなかった〈クワバラ・ゼミの部屋〉の担当講義のページで前期分をまとめてみた。

 

その中の一つ、ジャーナリズム論について今年度の最終レポート、「2011年~2020年の十年間と関連させたノンフィクション作品」(4000字以上)のタイトルを今年も掲示しておこう。

昨年度分については失念していて年が変わってから掲示したので、今年は忘れないうちに、ということで。

 

おおまかに近いテーマを扱った感じのものをまとめてある。

昨年度は40名で、多いなあ、と思ったのだが、48名とさらに増えている。

だからといって質的には落ちたということもなく、よく調べて書いているものも多かった。

ただ、レポートの枠に収まっていたものがほとんどだったのは少し残念。できれば講義中で紹介したもの以外でもいろいろノンフィクション作品を読んでマネして書いてもらいたかった。

 

最近の大学生が(いくらかよそゆき感はあるとは言え)関心を持っているのは、たぶんこういうことなんだろう。

 

○政治・社会

憲政の常道と民主党政権
「新しいテロリズム」はどう変容したのか
東日本大震災・原発事故による東京電力福島第一原発とその周辺地域に住む⼈々の環境と暮らしの移り変わり
北海道胆振地方東部地震のブラックアウト
ハンガリーの右傾化と世界の右傾化
私とミスとバイトテロ
食品ロスの現状と対策
なぜ天皇は退位することができたのか
見えないお金と共に生きる社会〜キャッシュレス化について〜
香港の歴史とこれから
東日本大震災の現在にまで及ぶ被害
グレーな色をした新型コロナワクチン
コンプラ強化が生み出す問題点ウイルスによる影響
新型コロナウイルスにおけるメディアと国民意識、感染者数の推移

○メディア

若者と広告
広告から見た現代社会の歪んだ審美観
2010年~2020年の10年間、流行色とコスメはどのような関係だったのか。
2010年代の新語・流行語の推移から分析する過去十年間の社会情勢
毒親という幻想
マイノリティへの呼称の偏り

○新しいメディア

LINE、Twitterの利用増加とそれによって引き起こされる問題
便利なだけじゃいられないSNS
SNSは危険なものなのか?
若者のSNS利用実態とこれから
進歩するインターネットとその功罪
スマートフォンが普及に至るまで
インスタグラムがビジネスと繋がるまでの10年間
災害とツイッターとラジオ
現代のSNSとクリエイターの密接な関係

○教育

大津市中2いじめ事件から見る学校現場の問題
デジタル教科書は何を育てるのか
性教育の過失と今後

○文化

じぶんと書籍たち
日本の小説家の不遇とその改善策の提案
人工知能の発展と創作
データから見る2011~2020年の10年間のプロ野球
なぜ優勝できない、猛虎軍団
「この十年間の新聞とその役割について
出版業界の“光” 
二〇一一年から二〇二〇年のテレビドラマにおける女性像
音楽史十年を見る
2010年代以降のゲームを中心としたサブカルチャーについて
「聖地巡礼」は地方創生の起爆剤となり得るか
「鬼滅の刃」はなぜ人気が出たのか
Perfume の楽曲とキャラクターの関連性、 Perfume の歴史と PV・歌詞の関連性について
2011年から2020年における韓国文化と日本
パンダの10年間の歩み

https://www.evangelion.co.jp/news/210607-2/

https://sidonia-anime.jp/

 

5月は一度も映画館に出かけなかったので、飛んで6月について。

全て日本のアニメ、いずれもテレビシリーズの劇場版であったことだよ。

 

いや、一本目は厳密に言えばテレビシリーズとは独立して作られた、まさに劇場版と呼ぶのにふさわしい作画アニメでした。ひさびさに見たProduction I.Gの本気、とか書くと、いや他の作品も本気で作ってる、と言われそうですが。

 

そして、ついにあの完結編も四度目。公式の同人誌を受け取りに行く。さしかえのカットについてはどれかはわからず。

 

同じ日に二本目を見に行ったのだが、一日のうちにエッフェル塔がへし折れるところと、東京タワーがぽっきりいくところを見ることになるとは思わなかった。

帰宅してその話をしたら、いずれも(フロイト的に言えば)男根の去勢と意味づけられるとの家族による指摘。なるほど、確かに一本目は父親が権威を喪失する話だし、二本目は女性同士の繋がりにより世界が再構築される話なのであった。

 

三本目はマンガ原作で、原作は読んでいたのだが、終盤の展開をアニメオリジナルの改変かと思っていたら、帰宅して読み直したら原作通り、改編があったのは中盤の方で、人の記憶などあてにならないことを実感。

いや、主語が大きいですね、あくまでも自分の記憶、でした。

しかし、原作を読んだ時は思わなかったけど、できればあの姿のままで愛を貫いて欲しかったなあ。そのへん、洲崎綾さんの演技が良すぎたということかもしれませぬ。いや、記憶だけ継承すれば同一人物(元々人では無い訳ですが)なのだろうか。

 

記憶と言えば、この映画。Production I.Gつながりで。

この映画では、記憶だけが自己を自己として保証するってことでしたけどね。

 

まさに重い月、いや思いつきをメモしておく。

 

・「チームオベリベリ」のあとがきにおける言い訳めいた言葉。「人情」=「百八煩悩」を描くことを「小説の主眼」とする「小説神髄」、またその主張を継承する「「浮城物語」論争における英雄の来歴・なぜそのような人物になったのかを描くのが小説だという内田魯庵たちを彷彿とさせる、決して英雄ではない晩成社の人々。彼らを妻の視点から描く、というありふれた手法。直木賞的文学観。

 

・「リボンの騎士」のジェンダー・セックス混同と、「ひねもすのたり日記」で紹介されている、男子をビンタする女性主人公への少女読者たちの賞賛ファンレターのエピソード、そして『ワンダーウーマン 秘密の歴史』で描かれた女性の権利をめぐる運動について