今年の日本文学史2のテストでは、以下のような、講義内容と関連づけた自身の意見を問う問題を出題した。
「娯楽としての小説を否定し、「人間」や「人生」や「運命」を描くことのみを重視する文学観について自分自身はどう考えるか、具体的な作品名(ジャンルは問わない)やその内容を例に挙げながら述べなさい」
意見としては賛成:反対が1:4という割合、小説には娯楽としての側面もあるから賛成できない、たとえ「人間」や「人生」を描いているとされる小説でも娯楽として楽しむことができる、またその逆もある、というような見方が多数でした。これは予想通り。
賛成する理由としては、小説には生きていくためのヒントや道しるべや教訓となるようなものもあるのでこういう意見があってもいい、人生の深層にふれられるのでいいと思う、作者の描きたい世界観であればかまわない、というようなものでした。
賛成でも反対でもある、という人も少数いて、確かにどちらかだけが正しいという話ではないですね。
さて、挙げてくれた「具体的な作品名」というのが、今の学生たちが何を読んでいるのかわかって本来興味深いのですが、具体例を書いていない人や、(問題文が長くなりすぎないように「授業で取り上げた作品は除く」という条件を書かなかったので)「浮城物語」とか「夜叉ヶ池」とか、おそらく読んではいないものを挙げている人がかなりいたのは残念でした。
さて、挙がっていた具体例は以下のとおり。なお、hは反対の人、sは賛成の人が挙げた例です。
創作・評論コース
「ズッコケ三人組」h
せおまいこ「夜明けのすべて」h
さくらももこのエッセイh
吉本ばなな「白河夜船」s
「ひと」h
「人間失格」「こころ」h
村上春樹「ノルウェイの森」村上龍「限りなく」東野圭吾「ラプラスの魔女」星新一「気まぐれロボット」h
坂口安吾「真珠」東野圭吾「マスカレード・ホテル」h
夏目漱石「こころ」h
「人間失格」「死後の恋」s
「陸王」「トイ・ストーリー」h
「座敷童子の代理人」h
「博士の愛した数式」h
「コンビニ人間」h
上橋菜穂子「獣の奏者」「守り人シリーズ」h
「植物図鑑」h
永井荷風「墨東綺譚」h
オノヨーコ「ただの私」s
「ドライブ・マイ・カー」
「君の膵臓をたべたい」h
「サザエさん」h
「城の崎にて」h
「キッチン」h
「ロビンソン・クルーソー」、ジュール・ヴェルヌh
「空の境界」h
「Re:ゼロから始める異世界生活」h
さくらももこs
町田そのこ「ヘルツのクジラたち」h
「nのために」「告白」s
「7つの習慣」s
「かがみの孤城」s
伊坂幸太郎「魔王」h
森見登美彦「太陽の塔」「有頂天家族」シリーズh
太宰治「人間失格」s
東野圭吾のミステリーh
二葉亭四迷「浮雲」h
樋口一葉「にごりえ」h
聖書h
「ガリレオ」シリーズ(「聖母の救済」)hs
ポケモン・アンパンマンh
ライトノベル作品h
「老人と海」s
「ソードアートオンライン」h
芥川龍之介「蜘蛛の糸」s
言語・文学コース
芥川龍之介「鼻」h
夏目漱石「こころ」h
湊かなえ「告白」h
「女生徒」h
「ルドルフとイッパイアッテナ」「麦元三歩の好きなもの」h
「舞姫」h
「アンネの日記」h
「コンビニ人間」h
「枕草子」h
「ルックバック」h
「人間失格」「堕落論」?
「コンビニ人間」h
横山光輝「三国志」h
星新一「ボッコちゃん」h
塚本邦雄「皇帝ペンギン」h
夏目漱石「こころ」h
二葉亭四迷「浮雲」梶井基次郎「檸檬」「南総里見八犬伝」h
異世界ものh
ライトノベル・泉鏡花「高野聖」h
吉本ばなな「キッチン」s
「西の魔女が死んだ」h
東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」h
瀬尾まいこ「天国はまだ遠く」s
「永遠の0」h
村上春樹「海辺のカフカ」有川浩「図書館戦争」シリーズh
ハリー・ポッターh
「ET」「ライオンキング」h
「百姓貴族」h
夏目漱石「こころ」h
中原中也「北の海」
灰谷健次郎「兎の眼」h
「鉄腕アトム」h
推理小説やファンタジー小説h
横光利一「蛾はどこにでもゐる」
紫式部「源氏物語」s
清水潔「犯人はそこにいる」h
「ハリー・ポッターと賢者の石」h
「負けヒロインが多すぎる」h
朝井リョウ「正欲」h
「君の名は。」「天気の子」「52hzのくじらたち」h
J・K・ローリング「ハリー・ポッター」h
「ジョジョの奇妙な冒険」hs
「樋口一葉日記」s
以上。
「コンビニ人間」が毎年複数名から名前を挙げられているのには感心しますな。
とはいえ、村田沙耶香さんの他の小説も読んでもらいたいものです。














