悩みやすい人へ「シロクマを考えないでください」の法則 | 子育ては「聞く」が9割でうまくいく~心理学ブログ

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こんにちは。和久田ミカです。

 

いやなことが尾を引いて、ずーっと 心にひっかかったまま。

 

そんなとき、「考えないようにしよう」と思っても なかなか 心が晴れません。

 

 

先日、テレビを見ていたら 心理学者の方がおもしろいことを言っていました。

 

1987年に、メリカのウェグナーという心理学者によって行われた「シロクマ実験」というものがあるそうです。

 

被験者を3グループに分けて、50分程度のシロクマに関する映像を見せます。

 

見終わったら、それぞれのグループに 今後のお願いをします。

 

A:シロクマについて、覚えておいてください

 

B:シロクマのことを考えても、考えなくてもいいですよ

 

C:シロクマのことを考えないでください

 

1年後、動画の内容を一番よく覚えていたのは、Cのグループでした。

 

 

「シロクマを思い出さないようにしよう」

 

と思った時点で、頭にはシロクマが浮かんでいるはず。

 

脳は、忘れよう、考えないようにしよう、と思えば思うほど、記憶を強く残してしまうのですね。

 

 

ということは、

 

「いやなことなんて、忘れておしまいっ!」

 

「ネガティブなことは考えない。ポジティブに!」

 

というアドバイスは、あまり 意味のないことなのかもしれません。

 

 

あなたにとっての「シロクマ」は なんでしょう?

 

©tableatny

 

話は変わり、いやな記憶について。

 

心の傷つきがなかなか癒えない、いやなことが頭から離れない、

 

そんなときの要因は いろいろあります。

 

 

まずは、ぐるぐると同じことを考え続けることで、その記憶がより強く定着するタイプ。

 

何度か書いていますが、認知療法などを使って 思考の癖をゆるめていきます。

 

四六時中「悩んでいること」を思い出していることに 気づけば、だんだん とらわれなくなっていきます。

 

→参考記事:心配ごとで頭がいっぱいになってしまうときは

 

これは、「つい気になって、悩みを思い出してしまう」という思考の癖なので、まだ アプローチしやすいですね。

 

 

反対に いやなことだから思考を停止しているのに、昨日のことのように いやな体験を思い出せてしまう人。

 

私は、こちらのタイプの方が、より癒しに時間がかかると感じます。

 

「考えないようにしている」ことで、心も閉じてしまっているから。

 

忘れているふりをして、ぜんぜん 忘れていないから。

 

 

 

たとえば、「子どもを叩くのをやめられない」。

 

叩いてはいけない、と 思えば思うほど、なぜか 叩いてしてしまう。

 

どうしたら 叩かなくなるだろう、と 考えても うまくいかない。

 

 

そんなとき、「体罰禁止」に焦点を当てることは、あまり いい方法ではありません。

 

「体罰禁止!」と思うたびに、「子どもを叩いている自分」を 思い出します。

 

その繰り返しは、記憶をより定着させ、罪悪感を呼び起こすだけ。

 

体罰を否定し、自分を否定しているうちは、何も変わりません。

 

「叩くことをやめたい」という言葉の向こうに、答えはないのです。

 

 

答えは、子どもを叩いてしまう自分を認め、受け入れたあとに 見えてきます。

 

「叩くこと」、その根っこに何があるのかを 見ていくこと。

 

「考えないこと」で 押さえつけ、心が気づいていないところにアプローチしていくこと。

 

 

 

クライアントのAさんも、「叩いてしまう母」でした。

 

(本人の承諾を得て、シェアします)

 

Aさんの根っこにあったのは、「お母さん」でした。

 

叩いてでも 子どもに言うことを聞かせたい!と 思う先には、

 

「お母さんに ほめてもらえるような、立派な子に育てなくては」

 

という 気負いが大きくありました。

 

子どもの行動の向こう側に いつも お母さんの顔色をうかがう、Aさんがいたのです。

 

 

Aさんは、お母さんと同居しているわけではありません。

 

でも、「頭の中の」お母さんに いつも 見張られている状態だったのです。

 

Aさんは そのことに気づき、少しずつ「頭の中のお母さん」と 適切な距離が取れるようになってきました。

 

同時に、叩いてしまう自分に対して、必要以上に責めないよう 心がけていきました。

 

 

現在は、ついつい 怒鳴ったりすることはあるそうですが、手がでることはなくなったそうです。

 

怒鳴って ひどいことを 言ってしまった、と 感じたときには、

 

「それくらい自分は困ってたんだよね。」

 

と 自分に寄り添えるようになったとのこと。

 

「まだ、怒鳴ってしまう自分に、がっかりしてしまうこともあるのですが、前よりも いやな感情を引きずらなくなりました」

 

そんなふうに おっしゃっていました。

 

 

ここでいう「シロクマ」は、「お母さんから支配されているような、見張られているような感覚」です。

 

うっすら気づいているのだけど、どこかで 打ち消して「考えないようにしているから」、気づきにくい。

 

でも、ものすごく鮮明に 肌の感覚として残っているものです。

 

Aさんは、それに気づくことだけでも だいぶ楽になったそうです。

 

 

あなたの「シロクマ」はなんでしょう?

 

すでに気づいている「シロクマ」は?

 

肌では感じているけれど、気づいていない「シロクマ」は?

 

あなたの「シロクマ」について 考えてみてください。

 

気づくことだけでも、解決につながることもあります。

 

 

【お知らせ】

 

 

① 子どものこころのコーチング講座(初級・茨城)の募集が始まりました

 

茨城県ひたちなか・JR勝田駅(徒歩20分・バス5分)

 

1/26(木)・2/16(木)・3/2(木)10時~12時半

 

事務所で行うので、10名以下の少人数です。とてもお得ですよ。

くわしくはこちらです(あと5名)

 

 

②子どものこころのコーチング協会・2周年パーティについて

 

3月18日(土)の日程を空けておいてほしいのです。


子どものこころのコーチング協会の2周年パーティがあります。


パーティのテーマは「自分の枠を外す」ということ。

 


マツダミヒロさんもいらして、


「ママが自分らしい生き方を見つけ、最高の人生にする魔法の質問」

 

という講演をしてくださいます。

 
スケジュール帳を空けて、「パーティ」と書いておいてね!

 

募集は、年明けになります(*^-^*)

 

 

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