宇宙の真ん中で愛智を学ぶー78「もののけ姫と神殺し」 | 「彩どり師の仕業」今様の巫女的生き方の心得指南いたします

お読みいただきありがとうございます。

人生の彩どり師・関みゆ紀です。







宇宙の真ん中で愛智を学ぶー77「はらえどのおおじの"戸"が違う」より続いております。



大斎原(おおゆのはら)は、

三つの月(さんいん・三陰)が降りてきた場所。

そこが、旧熊野本宮大社です。







明治22年(1889年)のある日まで、

熊野本宮大社は、熊野川・音無川・岩田川の3つの川の合流点にある

「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中洲にありました。



その時から132年経った現在、2021年です。

日本各地は、「ミミミ」の「みかみくも」に覆われております。







熊野川と音無川に挟まれ、中州の中にあった旧熊野本宮大社。

参詣者は音無川の流れに自らの足を踏み入れ、本宮の神域に入りました。

禊です。

本来は、ここが最終的な禊場=祓いのゲートとなるのでしょうから、


確かに「戸」が違います。



さて、8月に何が起きたのか。

水害です。



明治に入ってからの急激な森林伐採が上流の十津川で
大水害を呼び、

濁流となった熊野川が中洲にあった本宮大社の社殿を呑み込み、

ほとんどの社殿が失われてしまいました。

更に、大斎原の森は明治時代末に伐採され、

現在は伐採後に植えられた杉が多くを占めているそうです。



イソタケルが植樹した「木の国」という「まつり」が、

明治という時代に、変化させられていたということになります。

古来からの聖地が開発により失われた、ということでした。



み熊ねっと 熊野本宮大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)ご参考



熊野は、「よみがえりの地」と言われています。

よみがえりとは、再生のことです。

それには、中洲であるということが、

意味のあることだったのだと思われます。







中州って、弁天池の構造と同じですよね。







中州にある子宮=大斎原(おおゆのはら)に入って、

生まれ変わりする。再生する。





宇宙の真ん中で愛智を学ぶー31「七剣星と宝珠を手に入れた」



大斎原(おおゆのはら)には、2基の石祠が残されており、

今でも聖地として大切に祀られてはいますが、

新しい時代が、土地も在り方も変化させてしまったわけです。



さあ、これは、何の型出しですか?の「問い」ならば、

人間と自然との関わり合い、共生の「問い」だと思っています。

本来、人間も自然であるのに、そのことを忘れて乖離している。

八百万の神とは、万物に神が宿っているということ。

であるなら、人間にも神が宿っている。



一見、原始的なアニミズムにしか観えず、

非科学的で、文明から離れているように映るかも知れませんが、

宇宙という観点からすると、

それは普遍的なことで、真理のように思えるのです。



万物に神(霊魂)が宿っているのなら、

人間も自然の一つです。

その人間が生み出すものもまた自然です。

でも、その生み出すものの概念が「利権」と「利害」に偏り、

自然と著しく乖離して進んで来てしまった。



それが、今の極端な「ミミミ」の「みかみくも」の状態を

招くことになってしまったと思っています。



「うさぎのいのちとり」を、人類がやっているわけです。

宇宙の真ん中で愛智を学ぶー72「みかみくも」







8月9日は、こんな記事が出ていました。

温暖化は人間が原因=IPCC報告 「人類への赤信号」と国連事務総長



人間が原因なら、在り方を質すことで、

「みかみくも」も変わるということ。

神社の鏡と同じなんだから。



アニミズムとは、

自然界の諸事物に霊魂・精霊などの存在を認め、

このような霊的存在に対する信仰。

英国の人類学者タイラーは、これを宗教の起源とした。



これが、縄文の在り方でした。

万物に神が宿っているからこそ感謝と畏怖の念があった。

それ故、所有する為に奪うという概念が不要なので、争いがなかった。



縄文の弱点は、人間も「生宮」なので、

内側で神と繋がっているのに、

自然の聖地という概念に頼り過ぎたことかも知れません。



出雲の、神様が集まって会議をする。

その「祭り」の在り方は、

縄文のマインドを踏襲している在り方なのかも知れません。



それにしても、何というタイミングで放送されるのでありましょうか。

8月13日には、「もののけ姫」が放送されていました。



もののけ姫のテーマは、「神殺し」⇒「自然破壊」「共生」です。

たたら場=製鉄の地に住む人間たちが、

鉄を造る為に山を切り崩し、動物たちの住処を荒らしていきます。



もののけ姫の中では、「乙事主」という猪の長が登場し、

人間と対峙します。



「もののけ姫」地上波放映2日前、

8月11日にこんな記事が出ていました。

イノシシ、脚を取られて身動きできず 東北道一時通行止め

現代の「乙事主」は、

東北自動車道の側溝に片足が嵌り、身動きが取れず、

駆除されてしまいました。

何という皮肉なことか。



もののけ姫のWikipediaから得た情報ですが、

もののけ姫公開当時のキャッチコピーは、「生きろ」だったそうです。

没になったコピー案は50近くもあったそうで、

その中で氣になったものがありました。



昔々は、今の今。







血が繋がらなくても、地で繋がる子孫に対して、

何を残し、何を循環させることができるのか。







もののけ姫には、たたら場の長、
エボシ御前」という女性が出てきます。

人間社会と山・森の世界を繋ごうとする主人公が、「アシ
タカ」という男性です。

宇宙の真ん中で愛智を学ぶー26「千を出せ!」



このブログのメインテーマでもある


えぼしとりが動くに繋がっているので、

宇宙の真ん中で愛智を学ぶー1「烏帽子の鳥が動く」

後にまた触れたいと思っています。



今の今は、次の次。



宇宙の真ん中で愛智を学ぶー79「みかみくもの向こう」に続く。