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人生の彩どり師・関みゆ紀です。
宇宙の真ん中で愛智を学ぶー77「はらえどのおおじの"戸"が違う」より続いております。
大斎原(おおゆのはら)は、
三つの月(さんいん・三陰)が降りてきた場所。
そこが、旧熊野本宮大社です。
明治22年(1889年)8月のある日まで、
熊野本宮大社は、熊野川・音無川・岩田川の3つの川の合流点にある
「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中洲にありました。
その時から132年経った現在、2021年8月です。
日本各地は、「ミミミ」の「みかみくも」に覆われております。
熊野川と音無川に挟まれ、中州の中にあった旧熊野本宮大社。
参詣者は音無川の流れに自らの足を踏み入れ、本宮の神域に入りました。
禊です。
本来は、ここが最終的な禊場=祓いのゲートとなるのでしょうから、
確かに「戸」が違います。
さて、8月に何が起きたのか。
水害です。
明治に入ってからの急激な森林伐採が上流の十津川で大水害を呼び、
濁流となった熊野川が中洲にあった本宮大社の社殿を呑み込み、
ほとんどの社殿が失われてしまいました。
更に、大斎原の森は明治時代末に伐採され、
現在は伐採後に植えられた杉が多くを占めているそうです。
イソタケルが植樹した「木の国」という「まつり」が、
明治という時代に、変化させられていたということになります。
古来からの聖地が開発により失われた、ということでした。
み熊ねっと 熊野本宮大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)ご参考
熊野は、「よみがえりの地」と言われています。
よみがえりとは、再生のことです。
それには、中洲であるということが、
意味のあることだったのだと思われます。
中州って、弁天池の構造と同じですよね。
中州にある子宮=大斎原(おおゆのはら)に入って、
生まれ変わりする。再生する。
宇宙の真ん中で愛智を学ぶー31「七剣星と宝珠を手に入れた」
大斎原(おおゆのはら)には、2基の石祠が残されており、
今でも聖地として大切に祀られてはいますが、
新しい時代が、土地も在り方も変化させてしまったわけです。
さあ、これは、何の型出しですか?の「問い」ならば、
人間と自然との関わり合い、共生の「問い」だと思っています。
本来、人間も自然であるのに、そのことを忘れて乖離している。
八百万の神とは、万物に神が宿っているということ。
であるなら、人間にも神が宿っている。
一見、原始的なアニミズムにしか観えず、
非科学的で、文明から離れているように映るかも知れませんが、
宇宙という観点からすると、
それは普遍的なことで、真理のように思えるのです。
万物に神(霊魂)が宿っているのなら、
人間も自然の一つです。
その人間が生み出すものもまた自然です。
でも、その生み出すものの概念が「利権」と「利害」に偏り、
自然と著しく乖離して進んで来てしまった。
それが、今の極端な「ミミミ」の「みかみくも」の状態を
招くことになってしまったと思っています。
「うさぎのいのちとり」を、人類がやっているわけです。
宇宙の真ん中で愛智を学ぶー72「みかみくも」
8月9日は、こんな記事が出ていました。
温暖化は人間が原因=IPCC報告 「人類への赤信号」と国連事務総長
人間が原因なら、在り方を質すことで、
「みかみくも」も変わるということ。
神社の鏡と同じなんだから。
アニミズムとは、
自然界の諸事物に霊魂・精霊などの存在を認め、
このような霊的存在に対する信仰。
英国の人類学者タイラーは、これを宗教の起源とした。
これが、縄文の在り方でした。
万物に神が宿っているからこそ感謝と畏怖の念があった。
それ故、所有する為に奪うという概念が不要なので、争いがなかった。
縄文の弱点は、人間も「生宮」なので、
内側で神と繋がっているのに、
自然の聖地という概念に頼り過ぎたことかも知れません。
出雲の、神様が集まって会議をする。
その「祭り」の在り方は、
縄文のマインドを踏襲している在り方なのかも知れません。
それにしても、何というタイミングで放送されるのでありましょうか。
8月13日には、「もののけ姫」が放送されていました。
もののけ姫のテーマは、「神殺し」⇒「自然破壊」「共生」です。
たたら場=製鉄の地に住む人間たちが、
鉄を造る為に山を切り崩し、動物たちの住処を荒らしていきます。
もののけ姫の中では、「乙事主」という猪の長が登場し、
人間と対峙します。
「もののけ姫」地上波放映2日前、
8月11日にこんな記事が出ていました。
イノシシ、脚を取られて身動きできず 東北道一時通行止め
現代の「乙事主」は、
東北自動車道の側溝に片足が嵌り、身動きが取れず、
駆除されてしまいました。
何という皮肉なことか。
もののけ姫のWikipediaから得た情報ですが、
もののけ姫公開当時のキャッチコピーは、「生きろ」だったそうです。
没になったコピー案は50近くもあったそうで、
その中で氣になったものがありました。
昔々は、今の今。
血が繋がらなくても、地で繋がる子孫に対して、
何を残し、何を循環させることができるのか。
もののけ姫には、たたら場の長、「エボシ御前」という女性が出てきます。
人間社会と山・森の世界を繋ごうとする主人公が、「アシタカ」という男性です。
宇宙の真ん中で愛智を学ぶー26「千を出せ!」
このブログのメインテーマでもある
えぼしのとりが動くに繋がっているので、
宇宙の真ん中で愛智を学ぶー1「烏帽子の鳥が動く」
後にまた触れたいと思っています。
今の今は、次の次。
宇宙の真ん中で愛智を学ぶー79「みかみくもの向こう」に続く。