健康管理士(上級指導員)・認定エステティシャン・美容整体師
・ダイエットカウンセラー(認定講師)
・ハンドセラピーインストラクター
・セラピストの横山です。
糖尿病~気がつきにくい妊娠糖尿病
妊娠する、女性の体にはいろいろな変化が起きます。
糖代謝もその1つです。
妊娠して胎盤ができると、胎盤からプロゲステロン、
ヒト胎盤性ラクトゲン、エストロゲンなどのホルモンが
分泌されるようになります。
これらのホルモンには、いずれもインスリンの働きを抑えて、
血糖を上げようとする作用があります。
そのため、体内ではインスリン抵抗性が増え、インスリンの
効きが悪くなってしまうのです。
これが「妊娠糖尿病」です。
健康な妊婦では、妊娠によってインスリン抵抗性が増えても、
その分だけ自分で出すインスリンを増やすことができるため、
高血糖になることはありませ ん。
しかし、もともとインスリン分泌量が少ない人や
インスリンを出す能力が弱い人では、膵臓の働きが
追いつかず、インスリンが不足してしまい高血糖になります。
母体が高血糖の状態でいると、胎盤を通して赤ちゃんに
ブドウ糖が運ばれ、胎児は栄養たっぷりになります。
しかし、母体のインスリンは胎盤を通過できないため、
胎児自身がインスリンを出すことになります。
インスリンには、胎児の成長を促す作用があるので、
胎児がインスリンを出すことで、必要以上に大きくなって
しまい、体重が4,000g以上の巨大児が生まれやすく
なるのです。そのため、難産になることが多く、出産直後に
赤ちゃんが低血糖を起こすリスクもあります。
また、妊娠糖尿病は出産によって消失しますが、
妊娠糖尿病を経験した人は、そうでない人に比べ、
将来糖尿病を発症するリスクが数倍になるとされています。
<妊娠糖尿病を発症しやすい人>
・血のつながった家族に糖尿病の人がいる
・肥滿
・大きい赤ちゃんを産んだ経験がある
・35歳以上の高年齢
・習慣性の流産、死産などを経験したことがある
・妊娠高血圧症候群 など
なお、もともと痩せている人も安心できません。
妊娠前はインスリンの分泌が少なくて済んでいるため、
妊娠中に赤ちゃんのためにとエネルギー量の多いものや
果物などを食べすぎると、インスリンの分泌が追いつかなく
なって食後の血糖値が高くなることがあります。
<妊娠糖尿病の治療>
治療は、食事療法と運動療法が中心です。
必要に応じて薬物療法も行われますが、使われるのは
インスリン製剤に限られます。
インスリンは胎盤を通過できないため、赤ちゃんへの影響は
心配ありません。
<注意すること>
・過度の体重増加(胎児のためにと食べすぎる人が多く、
肥満によってインスリンの働きが低下する)
・食事の好みの変化(つわりで食事の好みが変わり、
食後血糖値が上がりやすい食べ物や飲み物を好んで取る
ようになる。高エネルギーの料理や果物、清涼飲料水、
ジュース、お菓子などは取りすぎに注意する)
・不規則な食事時間(食事の時間が不規則だと、血糖値が
乱れやすい)
妊娠糖尿病の発見が食生活を改善するきっかけになり安全に
出産し
しないことです。
なお、もともと糖尿病がある人が妊娠した場合は、
妊娠糖尿病ではなく「糖尿病合併妊娠」といいます。
特に注意が必要なのは妊娠早期で、この時期の高血糖は
胎児の発育に悪影響を及ぼすことがあります。
糖尿病の人が妊娠・出産を希望する場合は、きちんと治療を
受け、血糖値をよい状態にしてから、計画妊娠がすすめ
られます。
人生100年時代といわれるようになってきました。
世界的な長寿大国である日本において、
すべての人が元気に活躍し続けられる社会、
安心して暮らすことのできる社会を
つくることが重要な課題であり、
そのために3つの柱である
「食事」「運動」「睡眠・休養」のすべてを
バランス良く取り入れていくことが求められています。
あなたは「健康」について誰からアドバイスを受けたいですか?
健康寿命(生涯現役)を延ばす生活習慣を目指しましょう!
資料:日本成人病予防協会「ほすぴ」